AWC ピーター・フォークの右目は義眼だそうで   永山


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#2520/3691 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  22/12/20  20:17  ( 35)
ピーター・フォークの右目は義眼だそうで   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「invert 城塚翡翠倒叙集」第四話を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 次週の最終回と併せて前後編で、強敵の登場という盛り上げ方は定番と言えましょ
う。
 難しいのは、その“ラスボス”が本当に手強い敵であることを視聴者に、以下にして
示すかだと思います。並みのやり方だと、さして強敵には映りません。何せ、それまで
のエピソードで主人公の名探偵がいかに優秀であるかを散々見せつけてきた訳ですか
ら。
 よくある手法としては、ラスボスは主人公との間に何らかの旧い因縁があるパター
ン。主人公の親や恋人を殺した容疑者とか、主人公が栄光の表舞台を外れ裏道を行くき
っかけになった出来事の首謀者だとか。それだけだと因縁の相手ではあっても、実力的
には真の強者かどうか若干の不安が残るかもしれないので、「主人公がラスボスが相手
だと過去の因縁のせいで冷静さを欠く」みたいな設定をする場合もちょくちょく見受け
られます。
 そういうのに対し、本ドラマでは別の角度から強敵らしさを、いわば正攻法で表現し
たと言えるかもしれません。元刑事で捜査の手法を知り尽くしており、かつ現探偵で情
報網を持っている。一筋縄でいかないのは明らか。警察が伏せていた証拠を元に言葉の
罠を張り、ラスボスが引っ掛かったとしても、「実は昔の警察仲間からこっそり教えて
もらっていた」「調査して把握していた」と言い逃れられる。「刑事コロンボ」でコロ
ンボの上司が犯人だったエピソードを思い起こさせます。
 今回は、その他にも「コロンボ」を想起させるシーンが多々あり、いわゆる目配せと
いうやつで、狙ってやっているんでしょう。たとえば、探偵社の社長が依頼を受けて著
名人の浮気調査をし、その浮気の事実を掴みながらも依頼人には浮気していないと報告
し、著名人に恩を着せることで情報や金を得る。これは「指輪の爪あと」の構図と同
じ。犯人が被害者を拳銃自殺に見せ掛けて殺すのは「完全犯罪の誤算」に用いられたや
り口で、流れた血が腕を伝って、床に滴り落ちるシーンがそっくり。目撃証人を言いく
るめて、思うままに操ろうとするのは「ホリスター将軍のコレクション」と同じ。
 原作を未読なこともあり、これらにミステリとしての意味があるのかどうか知りませ
んが、この趣向だけでも結構楽しめました。
 今回、冒頭で視聴者への挑戦がなされたからには、前編を観ただけで何らかの結論を
出せると思うんですが、今のところさっぱり分からない。折を見て考えながら最終回を
待つことになりそう。
 あと、番組終わりの提供の際に流される映像のつなぎ方が、遊び心満載で笑えた。

 ではでは。





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