#7947/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (GSC ) 13/10/31 00:31 ( 26)
フリー日記 /OAK
★内容
10月28日(月)
急に寒くなって、エアコンを暖房に切り替えなければならなくなった。つい先日まで
の暑さが嘘のようだ。
北方謙三著『三国志』5の巻(点字本6冊)を読んだが、相変わらず物足りない。主
役の ソウソウ、リュウビ、ソンケン(いずれも文字不明)を、「秀でた人物であること
は最初から解っていた」と言う書き方(扱い)にしているのが気にいらない。わが国の
英雄でいえば、徳川家康などについても、「天下を取って当たり前の、思慮深くて優れ
た人間」という観点で小説を書く作家が多いが、そんなのは結果論であって、優れた人
間であっても日の目を見なかった人間は無数にある筈だ。もう一転、北方謙三の戦闘場
面の書き方はパターンが決まっていて、「騎馬隊でつっこんで、相手の陣形を縦に割
り、反転してさらに崩す」……、ほとんどこの説明で済ませている。
黒田恭一著『音楽への礼状』(点字本3冊)を、数時間で飛ばし読みしたが、FMラ
ジオで聴いた彼の格調高い語りと解説に比べて、この本の文章はかなり見劣りする。
富永俊治著『杉下茂「魔球」の行方 = 日本初の本格派フォークボール投手と中日ド
ラゴンズの栄光 昭和29年』(点字本3冊)も読んだ。泥臭い文章と持って回った言
い回しは、読み手を気恥ずかしくさせるが、内容は面白い。当時私は高校2年生で、一
時期の激しい野球熱が冷めかけた頃とはいえ、何しろ中日ドラゴンズが、セントラル
リーグ優勝と日本シリーズ優勝の両方を勝ち取った年であり、地元ファンにとっては、
正に一世紀に一度あるか無いかの快挙であった。春日八郎の『お富さん』が大ヒットし
たのも昭和29年で、私は苦学生活(某鍼院での住み込み暮らし)にようやく慣れてき
た頃であった。