AWC 読了>つきかげさんの『小説の書き方』   永山


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#4803/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  08/02/20  01:18  ( 52)
読了>つきかげさんの『小説の書き方』   永山
★内容
 お久しぶりです。
 まずは気になった箇所の指摘から。例によって引用部はこちらの都合で何ら
かの加工を施す場合がありますが、ご了承ください。

@@引用開始(指摘付き)@@
いか。問題は痴話喧嘩に僕が巻着込まれていることだが。
             ↑「巻き込まれて」?

かを言うのであれば、昨日の夜にあった出来事に触れざるおえない。でも、そ
                      ↑「触れざるをえない」

 僕はその紙束を受け取り、クレアにうなづく。クレアは満足げな笑みを見せ
                  ↑「うなずく」

「もったいぶらずに、話てくれ」
           ↑「し」脱字

「そうすれば、キリストは別の宿主を探すだけだよ。やつは、以外と狡猾だ。
                            ↑「意外」
@@引用終了(指摘付き)@@

 1の作者名が「つかかげ」になっていました。
 あと、行末改行を自動でされたのか、行頭に句読点が来ている箇所が目につ
きました。

 内容について。※ネタバレ注意
 タイトル通りの書き方教本かエッセイかと思いきや、やっぱりつきかげさん
らしい作品だったなあと、何だか安心しました(笑)。

 とりあえず、ラストの落ちは横に置くとして。
 やたらと面白く感じる前半、省略し過ぎでは?と疑問に思える後半、でした。
 設定はいいと思うんです。SFだとありがちなのかどうか分かりませんが、
私は興味深く読めましたし、面白いと感じました。
 で、この設定を認めると、普通と信じてきた普通の世界もまた、誰かの想像
(創造)した世界なのかもしれない、という可能性が出て来る気が。なのに、
本作ではイエスやクレアだけを特別扱いしている風にも読めてしまい、ちょっ
とバランスが取れていないかなと思いました。この辺り、作中でわずかでも言
及があれば、印象が違ったかも。

 カイのやり方に、いらいら。説明の努力を怠っているし、規則か何かで全て
の説明はできないのなら、他の手段を模索すべき。無策すぎる――と、ここま
で書いて、あれこれ苦心するカイの様を描けば、物語になるかもと思ったり。

 ラストの落ちのおかげで、『恋愛小説の書き方』になった気がしないでもあ
りません(笑)。
 一種の夢落ちと言えますが、こんなに効果的に決まったのは、夢落ちが使い
古された今時では、なかなかないのでは。
 この設定というか作品構造だと、虚実を行き来する手法も採れたと思います
が、そうしなかったのは、テーマをより効果的に示すため? とにかく、この
扱い方には感心させられました。

 ではでは。長編の数が早くも去年を超えた!





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