連載 #6659の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
●1991年 【8月・ボード改革論議】 自他共に認める「ボード改革おたく」であるふみさんから、ボード改変の提案 が出された。ボード構成に関してはみないろんなことを思っていたようで、これ をきっかけにさまざまな意見が出た。 運営会議用のボードが欲しい、論争用のボードが欲しい、画像などのデータ用 のコーナーが欲しい、初心者用のボードが欲しい、作品用のボードがもう一つ欲 しい。ボードを増やして欲しくない……。 暫定的に、本づくりが終わって書き込みの少なくなっていた『「AWCの本」 出版局』を運営打合せボードに、ライブラリに移転になる「空中分解ROM専用 書き込み禁止」をデータボードに使うことになった。のちの「AWC編集室」、 「アートスペース」である。 【12月・セクハラメール事件】 それは唐突であった。 当時数少ないAWCの女性アクティブメンバーであった[ Sally ☆//]さんが、 フレッシュボイスに『この場をお借りして、公開メールです。』というメッセー ジを掲載したのである。 [ Sally ☆//]さんは学生時代よく知らない相手からラブレターをもらったこ とがある。その男と偶然あるネットのオフで会い、以来その人から頻繁にVAN 経由でメールを貰うようになる。 メールの内容はやはり、ラブレターのようなものであった。その相手はAWC にも顔を出しており、住んでいるところも近くだった。 何通かのやりとりのあと彼女は断りのメールを出した。 そのあと極力返事は出さないようにしていたが、それでも頻繁に男からのメー ルは届いた。メールの内容は次第に[ Sally ☆//]さんに対する、というよりも 男の個人的な恨みつらみを書き連ねたものになり、量も増えていった。 うんざりした彼女は「あなたのメールは読んでません」という返事を書いたが、 今度は「読まなくてもいいです」というタイトルのメールが届くようになった。 (このときまだVANに特定IDのメール拒否機能はない) ある日彼女の出入りしているネットに卑猥文書が掲載され、それを見た男は何 を思ったのか[ Sally ☆//]さんに「あれを書いたのはあなたでしょう。ぼくに はわかります」というメールを送ってよこした。 そしてその次の「僕も似たようなのを書きました」というメール。 彼女の実名を使って具体的にかつ下品に書かれた、彼女を強姦する話だった。 彼女は激しく憤り、最大の侮辱として男に抗議のメールを送った。 しかし、男は彼女からのメールを読んでなかったのである。やがて帰ってきた 返事は、自分は某ネットとAWCだけにするので近づかない方がいい、住み分け しようという内容の後にわけのわからない言葉を書き連ねたものだった。 これがこの文書で説明されていたいきさつである。この文書の中でさらに[ Sa lly ☆//]さんは男に対して書いた。私はあなたのことは意に介さずこのSIG に出入りする、二度とメールをよこすなと。 たちまちAWCはワイドショー状態になった。 翌々日の定例OLTは妙な盛り上がりで始まった。AWCのメンバーの中に誰 かセクハラメールの主がいるのである。一体犯人は誰なんだ、とああでもないこ うでもないの大推理合戦。 しかし手がかりといっても、[ Sally ☆//]さんの近所に住んでいるというこ とぐらいしかわからない(といってもこれでかなりのメンバーが容疑からはずれ たのだが)。次第にネタもつきてくる。いつものOLTのように話題が転々とし て「がんばれ元気はよかったですねー」なんて話していたそのとき。 当の[ Sally ☆//]さんが現れたのである。 たちまちみなリポーターと化した。とにかく犯人を教えろというやつ、自分の 問題として処理するかネットの問題として徹底的にボード上で糾弾するかどちら かにしろというやつ、OLTは大混乱になった。しかし相手を追いつめたくない [ Sally ☆//]さんは男の名だけは決して言わなかった。 [ Sally ☆//]さんがボードを騒がせたお詫びをして帰っていき、残ったメン バーも一人また一人と帰っていった。最後に残った6人は多少冷静さを取り戻し て今日のことを振り返っていた。 男の名前がわかれば、AWCにおける彼女を守ることはできる。 しかし、自分たちにできるのは結局ボード上で糾弾することだけである。男の 家は彼女の近所なのだ。実生活における彼女の身を守ることにならないばかりか、 逆効果である。 そっとしておくしかないという結論で、無力感を感じながらみんなが眠りにつ いたのは明け方近くなっていた。 だいぶたってこのセクハラメールはアンギラスさん主宰のオンラインマガジン 「おまんたマガジン」で[ Sally ☆//]さん自身が全文公開し、大反響を呼んだ。 私も読みましたけどうーん、どう説明すればいいだろうか。一行に一回おまん こという言葉が出てくる、と言ったら雰囲気つかんでもらえるだろうか。 ◎この年AWC大賞が復活した。受賞作は以下の通り。 長編賞 YASU 中野原に雪の降るとき 短編賞 くり えいた 紫色の自宅 文芸賞 α―Pierrot α―Pierrot(No.20) クリスチーネ郷田(恥骨) ポエム>天気よ KEKE インドの汽車 続く
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