連載 #6540の修正
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事務所の机で昼食をとっている時に、川瀬が川井に言った。 「ダブル選挙は殆どなさそうね」 「そうですね」川井が言った。「参院選になったら、どこを支持します?」 「さあねえ」川瀬は顔をしかめた。「でも菅さんはまるで昔のルーズベルト大統領 を意識してるみたいだからなあ。ひょっとすると大恐慌を乗り切ったあの大統領の ように、この不況を何とかしてくれるかもしれない」 「ふっ、何言ってるんですか」川井は少し嘲笑した。「菅さんがルーズベルトなら、 橋本さんはケネディじゃないですか」 「橋本さんがケネディ?」川瀬は目を細めた。「それはちょっと評価しすぎでしょ う」 「そんなことないですよ。現にインドネシアに自衛隊機や巡視船を派遣したじゃな いですか」 「確かにしたけど、準備だけで終わった在留邦人の救出だけでケネディと同格って いうのはどうかなあ」 「在留邦人の救出だけって、それだけですか?」 「他に何かある?」川瀬は川井の顔を見つめた。 「いや、だってバジパイさんとシャリフさんが核実験をしたじゃないですか。だか らインドネシアに自衛隊機を派遣したんじゃないんですか?」 川瀬は怪訝な表情で川井を見つめ始めた。 「印パの核実験とインドネシアへの自衛隊機の派遣とどういう関係があるの?」 「だって三年程前にフランスが核実験したからタヒチで暴動が起こったんですよ。 だから今回インドネシアに暴動が起こったってことは、インドネシアが核開発に関 係してるってことでしょ?」 川瀬は、川井の国際情勢の把握の仕方にかなりの間違いがあることに気付いた。 「あんたのその論理だと暴動が起こった国は全部核保有国ってことになって、今頃 あんたも核戦争でとっくの昔に死んでるってことになるわよ」今度は川瀬が川井を 嘲笑する番だった。「大体インドネシアが核開発してるなんて話、聞いたこともな いわよ」 「それじゃあ何ですか? ケネディが一九六二年のキューバ危機でやったように、 橋本さんもインドネシアに自衛隊という軍隊を送って、核開発をさせないための海 上封鎖を行ったんじゃなかったんですか」 川瀬は呆れ返った表情で川井を見つめていた。 「あのね、いくら自衛隊が海外に出動したからっていってその解釈はちょっと極端 すぎやしない? 新ガイドラインの確立もしてないのに」 「そうですよね。道理でおかしいと思ったんですよ。あんなちっぽけな巡視船と輸 送機だけで海上封鎖するなんて、ある意味でケネディ以上の度胸だなあって思って。 やっぱり土井さんか武村さんか志位さん、菅さん、小沢さんに期待するしかないの かなあ?」 川瀬は川井の言葉にどのように言っていいのかわからなかった。 「他の人にもそういう期待だけはしない方がいいと思うよ」 (98/06/01)
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