連載 #6442の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
晴樹と皆世は、自殺した「X JAPAN」の元メンバー、hide(ヒデ)の 葬儀のニュースをテレビで見ていた。晴樹が皆世の方を見ると、彼女は涙を流して いた。そんな皆世の悲しむ様子を見て、晴樹は何か慰める言葉がないか考えた。 「皆世ちゃんもエックスジャパンのヒデのファンだったんだね」晴樹が口に出来た のはそれだけしかなかった。 「ううん、私はGLAY(グレイ)のTERU(テル)のファンなの。だから泣い てるの」 晴樹は、その言葉の意味がわからず少し戸惑った。 「エックスジャパンとグレイって何か関係があったの?」 「全然関係ないと思う。あったとしても私は知らない」 皆世を慰めようとしていた晴樹は、その台詞を聞いて訳が分からなくなった。 「じゃあ何で泣いてるの?」 「自殺したのがテルだったりしたら・・・なんて考えてる内に、衝動的に後追い自 殺に走る自分を想像しちゃったのよ。でもそうじゃなかったから、こうして今生き ているんだなあと思ったら何だか嬉しくなっちゃって・・・」 晴樹は、皆世が違う意味で自殺した方がいいんじゃないかと考えた。そこへ二人 の祖父の正蔵が入ってきた。 「ああ、バツ ジャパン自殺のニュースか。悲しいね」正蔵は言った。 「あのね、おじいちゃん。あれは×(バツ)って書いてエックスと読むの。どうで もいいけど僕の友達の前でそんな大ボケかまさないでよ」 「ああ、大丈夫大丈夫。柏原君って言ったっけな。彼にしか話さなかったから」 晴樹は掌を眼に当てて嘆いた。 「私の友達にはそんな恥ずかしいこと言わないでよ」皆世が祖父を睨んだ。 「大丈夫だって。あの村上さん以外は聞いてない筈だから」 皆世は深い溜息をついた。そこへ信子が入ってきた。 「晴樹ちゃん、お姉ちゃんから国際電話よ」 三宮晴樹の姉、洋子はアメリカのニューヨークで駆け出しのファッションデザイ ナーとして働いている。晴樹は受話器をとった。 「もしもし」 「どう、何か変わったことない?」受話器の向こうで洋子が答えた。 「今んとこ別に」 二人の話題は最近の日本の事情に移った。 「エックスジャパンのハイド氏が死んだって聞いたんだけど」洋子が言った。 「そう? じゃあジキル博士も死んだのかなあ」晴樹が皮肉たっぷりに言った。 「何のこと言ってるの?」 「それはこっちが言いたいよ。あれは英語で『hide(ハイド)』と書いてロー マ字読みで『ヒデ』と読むの。日本人ならわかるでしょ」 「後追い自殺も出たんでしょ? 十年程前の岡田有希子みたいに」 「よく知ってるねえ」晴樹は驚いた。 「ニューヨークではね、在米日本人向けの情報誌が無料で読めるし、日本語のテレ ビも放送してるから、すぐにわかるのよ。後追い自殺者がかなり出たって聞いたけ ど」 「かなりってことはないよ」晴樹は否定した。「元メンバーのトシやヨシキがちゃ んと『そんなことしてもヒデは喜ばない』って呼びかけたから。そんなに沢山はい ないはずだよ」 「本当? 何でもここのところずっとエックスジャパンの後を追って大蔵省の役人 が次々に自殺してるって聞いてるんだけど」 晴樹は、姉のいい加減な話に呆れ返った。 「いくらアメリカに住んでて情報不足とはいえ、少し考えりゃすぐ間違いだって気 付きそうなもんじゃないの。どうでもいいけどそんなデタラメな話、他の人にはし ない方がいいよ」 「大丈夫」洋子は言った。「Eメールであんたの友達にはそのこと話したけど、私 のニューヨークの友達には全然話してないから」 晴樹は嘆く中で何とか考えた。 <ヒデや他の人々が天国でこの話を聞いてて笑ってくれてるかもしれないな。そう 考えれば少しは報いがあるかも> (98/05/07)
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