連載 #6331の修正
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「ELTの曲で、何か凄く面白い歌があるのよ」和世は晴樹に皆世がオーディショ ンで歌う歌のことについて話していた。 「ふうん」晴樹は怪訝そうに従姉妹を見た。<和世ちゃんって、おっとりしてるの はいいんだけど、何か時々訳の分からないこというなあ> 「でも嘉門達夫じゃあるまいし、ELTの曲で『いい』曲はあっても『面白い』曲 なんて聞いたことないよ」 「だって普通、『信じ合えて悲しむ』人っていないでしょう?」和世は笑った。 晴樹は少し考えたが、やがてそれが何を意味するのかに気付いた。 「それは、やっぱり和世ちゃんが歌詞を聞き間違えてるんだよ」 「ホントに?」晴樹の意外な指摘に和世は驚いた。 「大体、普通の人なら『信じ合えたら喜ぶ』もんだし、『傷つけ合ったら悲しむ』 もんでしょ? マゾヒストじゃあるまいし、ELTが、そんなアブノーマルな曲を 歌うわけないじゃない」 今度は晴樹が笑う番だった。和世は頬を赤く染め、信じられないといった表情で 晴樹に反論した。 「そんなはずないわよ。だって皆世は、その『喜び』と『悲しみ』の部分を入れ替 えて練習してたんだから」 晴樹の表情から笑みが消えた。 「じゃあ皆世ちゃんのオーディションの日までに教えてやらなきゃ」 「今日がそのオーディションの日よ」 オーディション会場にて皆世は甲高い声で「傷つけ合う喜びも」と歌っていた。 やがて会場全体が失笑の渦に包まれた。 (98/04/16)
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