連載 #4952の修正
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ヴァンパイア <第一回> BY 野原向日葵 (序章) 未だ幼かった頃、村外れにある森には魔物が棲んでいると、大人たちはよく口にした。 勿論、子供がみな、その話を信じたわけではない。そんなのは、子供を戒める為の嘘だ と云う者だっている。 ギルバートも、そんな子供の一人であった。 「なんだ、こんな所にいたのか」 ギルバートは、教会の礼拝堂の扉を開けて、ほっとした口調で云った。そこには、彼 と年の変わらぬもう一人の少年がいた。 「お祈りしてたんだ」 「何を・・・?」 「どうかこのまま、何もおきませんようにって」 少年は、首に掛かる十字架(クロス)を両手で握りしめながら、聖母子像を見上げた。 その横顔は、いくら子供とは云え、妖しい美しさがあり、ギルバートは妙な戸惑いを覚 える事がある。 「やつらの話なんか気にするなって、云ったろう?ルシファー」 「でも、不安なんだ。とても、嫌な予感がする」 「俺が、いるだろう?」 「そうだね・・・」 ルシファーはギルバートを振り仰ぎ、紅い口元を綻ばせた。やがて、ど ちらからと もなく唇が重なり、肌を合わせる。 「約束するよ。何があろうと、俺はお前から離れはしない。お前を守ってみせる・・ ・」 「ギル・・・」 「お前を、愛している・・・」 礼拝堂の冷たい床の上で、二人の少年は結ばれる。しかしそれは、決して赦されぬ事 であった。 だが、もはやその思いを消す事は、例え神であろうとできはしない。もし、それでも と云うのなら、天罰を受けよう。ギルバートはそう決心していた。 ルシファーたちは、教会に隣接した孤児院で育った。中でも二人は、兄弟のように中 がよく、成長にしたがい美しくなるルシファーを、大人たちもいつしか、好奇の目を向 けていた。 異様に白い肌、紅く艶を帯びる唇、華奢な躯(カラダ)・・・、そのどれもが人を引き 付ける。 「また、お祈りかね?ルシファー」 「司祭さま・・・」 「実は、話があるのだが・・・」 「僕に・・・?」 「大事な話なのだよ」 ルシファ−は一瞬、躊躇った。この後、ギルバートに湖に連れて行ってもらう約束が あったのだ。 「なぁに、すぐさ。いいね?」 「わかりました」 「おいで」 司祭ガストは、穏やかな笑みを浮かべ、ルシファーを奥へと導き、鍵をかけてしまっ た。 「司祭・・・さま?」 「大人しくしていれば、乱暴はしない」 「いや・・・いやだ・・・離して・・・!」 ルシファーが、全てを悟った時は既に遅く、司祭ガストはルシファーのブラウスを引 き裂いたのだった。 (つづく)
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