連載 #4845の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
本日より雑談日記を開始したい。雑談日記とはなにかといえば、なんでもありの 雑文ということになるだろうか。とにかく、なにを書いてもいい、どんなことでも いい、書いたもんが勝ちやという思想で攻めていく、そんな文章のことである。 さて、その記念すべき雑談日記の第一夜に何を書くかというと、これはもう、今 の私の存在の原点になっている、精神病の発病前後のことを書きたいと思う。記念 すべき第一夜、祝われるべき元旦にそぐわない題だと思わなくもないが、そんなこ と気にせずずかずか書いてしまうのが、雑談日記の雑談たるところなのである。 すでに知っているひとは知っていると思うが、私は精神分裂症の患者である。最 近ここに来られたかたは、えええ、と驚いたかもしれないが、事実である。かといっ て、急に後ろにさがる必要はない。なにもいきなり金属バットを振り回して暴れる わけではない。分裂は恐い、なぞということをときおりいうひともいるが、しかし、 事実を正確にいうと、これは妥当ではない。人口あたりの傷害発生率をみると、驚 くなかれ、分裂症の患者より、健常者のほうが、はるかに多いのである。だいたい、 精神病の病で苦しんでいるときに、他人を殺傷しようというなんていう余裕はない のである。自分のことだけで精いっぱいなのだ。だから、これを正確にいうと、健 常者は恐い、といわねばならない。私たち精神病の患者たちは、いつも健常者にび くびくしている。あぶないのは、普通と思っているあなたたちのほうだ。 精神病というのは、分裂症、そううつ症、てんかんの三つのことをいうのだが、 少なくとも、分裂症の患者にかぎっていえば、繊細で、おとなしい感じのものが圧 倒的に多い。凶暴とか、厚かましいとか、図々しいとか、そういう性質とは反対の 性質のものたちばかりといっていい。相手のことをかんがえすぎて、びびっとに反 応してしまい、その結果として神経が病むという感じだ。そりゃそうだ。自分の思 うとおりに言い行動し、やりたいほうだいできるほど神経の太いひとは、なりたく ても精神病にはなれないだろう。一般に、いやな性質だと思うようなひとほど、神 経が強くて、病むことが少ないようだ。ともだちにはなりたくないひとだが、生き ていくにはつごうがいい。そんな神経のひとたち。精神病者とは、そういうひとと は反対の神経のひとたちだといってもいいだろう。 もっとも、精神病患者たちの神経をなにもかも肯定していいかとなると、これも また問題だ。患者は、あきらかに神経が細い。些細なことで、神経が傷ついてしま う。だから、プレッシャーに弱い。普通のひとならなんでもないことで傷つき参っ てしまう。生きるには不適な性質といわねばならない。 精神病は遺伝しないと一般に言われている。そうなのかもしれない。しかし、事 実として、親が精神病だったら、子どもも精神病になってしまったということはよ くある。病気自体は遺伝しないとしても、ある種のプレッシャーに弱いということ は遺伝する、ということではなかろうか。同じプレッシャーにさらされても、ある ひとは発病し、あるひとはなんでもない。みながみな精神病になるわけではない。 さて、精神病の一般論はこのあたりで終わりにして、ここいらで、私自身と精神 病について語っていきたいと思う。 私が分裂症を発病したのは、今から12年前、ちょうど私が30歳のときである。 このときの事情がちょっと微妙で、今の段階では話せないこともあるので、だいた いの概略だけいうことにしたい。 唐突だが、私は女にもてる。いやはや昔はよくもてた。今はさっぱりだ、という 意味ね。とにかく、私の若い頃は、そりゃあすごかった。群がってくる女をかきわ けかきわけ歩いたといううわさがある。ま、それほどではないにしろ、とにかく女 は私のことを好いてくれた。今思えば、ちょっと残念だなと思うこともある。考え てみれば、あのころは、やろうと思えば、かたっぱしからやれたわけじゃない。体 力の続くかぎり腰を振り続けることができたわけなのだ。なのにやらなかった。お しかった。ま、変なモラリストだったのだわさ。合理的でない信条を持っていたと いうこと。たとえば、結婚する気のない女とはセックスをしてはいけない、とか。 事実、そんな信条をもっていたので、あれだけ女に好かれていた割に、私のセック スした女はすくない。3人プラスアルファ。それだけだ。3人というのは、私の恋 人たちのことで、プラスアルファとは、ま、遊びというか、はずみというか、そん なんで関係ができてしまった女のこと。この、遊び、はずみの関係をもっともって いたら、精神病になるなんてこともなかったかもしれない。 さて、実際の発病の原因は、私がもてすぎることにあった。当時、ある女が私の ことを好いて、私につきまとっていた。私としては、うれしいような、困ったよう な、妙な感じであったが、それがそれだけだったら、ま、それだけのこと。しかし、 この女、私の家まで押し掛けてくるようになったのだ。それも夜中の11時だ12 時だというような時間に。家のまわりをぐるぐるまわって、私をもとめる姿はあわ れともかわいそうとも、またこっけいとも私にはおもえた。それだけだったら、ま、 よくある話だ。ところが、この女、けっこういい女だった。顔もスタイルもグー、 てやつね。そんな女が夜の夜中にうろうろしているのだから、近所の悪いのがほっ ておくわけがない。たちまち、この女につきまといはじめた。そして、この女の目 的が私だと分かると、なんと、私に対して敵対的行為を働き始めた。このあたり、 書くのも苦痛なので、これいじょう書かないけれど、まあ、男というものは、嫉妬 に狂うととんでもないことまでやりだすものだなあと、しみじみ思う。結局これら が、私の分裂病の引き金をひくことになる。 さきほど、分裂病の患者は神経が細いと書いたが、それだけではなく、神経が硬 いという感じがする。あるプレッシャーを受けたとき、竹のようにしなってくれれ ば、そのプレッシャーをうまくやりすごすことができるのだが、硬いと、まともに うけとめてしまい、限界までうけとめて、結果ぶちっと折れてしまう。比喩でいう と、そんな感じがする。 今の私は、かなりやわらか頭してるかんじだが、当時の私は四角四面、かちかち という面が多分にあった。神経が硬いのだな。柳に風と、柔軟に対処できなかった。 その男たちと、まともに向かい合ってやりあってしまい、結果として、分裂病を発 病、入院という結果になった。 今から考えれば、もっとやりようがあったとも思うが、当時の私は、あまりに視 野がせまく、頭が硬く、神経が鈍かった。その結果として、精神病になり、それは、 その後の私の運命を大きく変えることになる。いまだ、それを引きずって、毎日を 送っている。あれもこれも、すべては運命なのか。 ここで結論。以上の私の体験から、精神病にならないために重要なことはなにか。 それは女にもてないことである。女にもてると精神病になりやすい。女にもてる男 は注意すべし。よかったねみなさん、もてなくて。
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