連載 #4829の修正
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熱闘!ブロンコス96(11) NFLも第9週を迎えようとしている。 カンザスシティ・チーフス。昨シーズンAFC西地区で地区優勝。今季もチーム 創設以来初の開幕4連勝でロケットダッシュし、AFC西地区では1988年以来 となる2年連続地区優勝を狙うが、5戦・6戦と連敗。しかし、第7週のバイ・ウィ ーク(試合なし)を挟んで第8週は木曜日にシーホークスに勝利、さらに中9日と いう余裕のあるスケジュールで、ブロンコスの本拠地マイルハイスタジアムに乗り 込んできた。ブロンコスには第4週にホームゲームで勝っているだけに、今週も勝っ て巻き返しをはかりたい。 デンバーブロンコス。昨シーズンは8勝8敗。オフェンスラインとディフェンス に課題を抱えて低迷していた。今季も開幕3連勝したものの、第4戦でチーフスに 惜敗。しかしその後3連勝し、チーフスが連敗している間に地区首位に立つ。第8 週終了時点で、攻撃の獲得ヤード(どれだけ前進したか)の平均は395.7ヤー ドでAFC15チーム中1位。守備の喪失ヤード(どれだけ前進されたか)の平均 も271.7ヤードでAFC1位タイである。 ちなみに第8週までのAFC西地区のスタンディングスは 1位:ブロンコス 6勝1敗(地区内2勝1敗) 2位:チーフス 5勝2敗(地区内4勝1敗) 3位:チャージャース 4勝3敗(地区内3勝1敗) 4位:レイダース 3勝4敗(地区内0勝2敗) 5位:シーホークス 2勝5敗(地区内0勝4敗) 一見してばらけているようでは、ある。だが、連敗スタートのレイダースが浮上 しつつあり、このレイダースにブロンコスは分が悪いことから、今週の成績次第で はチーフスが地区首位に返り咲く可能性が高くなる。 実際、ブロンコスファン・正木とチーフスファン・水上の頭の中は似たような物 だった。水上は、 「とにかく今日ブロンコスに勝って6勝で並ぶ。来週ブロンコスはレイダースに負 けるだろうから、チーフスがリードできる。第16週のレイダース対ブロンコスも レイダースが勝つだろうから、チーフスの地区優勝は固い」 と読んでいた。一方正木は、 「レイダース戦の2試合は両方とも勝てないかもしれない。今日負ければチーフス に地区優勝を持って行かれる可能性が大だ」 と見ていた。今季好調を維持していながら、ここ数年の成績不振から、連勝も「三 振前のバカ当たり」に思えてしまう。弱気である。 いずれにせよ、「今日は勝たなければ」という点は同じであった。勝ち星一つの 重さは同じでも、シーズン中一度や二度は絶対に落とせない試合という物がある、 と言ったのは野村監督だったか星野監督だったか。シーズンも後半にさしかかり、 AFC西地区の行方を占うには重要な一戦である。 さて、試合の方は... チーフスの攻撃は自陣14ヤードからであったが、ラン攻撃がふるわず自陣34 ヤードでパントに終わった。続くブロンコスの攻撃は、2プレー目にエルウェイ→ シャープの46ヤードタッチダウンパスが決まり、7−0とブロンコスの先制。 次のチーフスの攻撃は10ヤードも進まないうちにパントになったが、ブロンコ スのスミスがこれをチーフス陣内34ヤードまでリターンするビッグプレー。最後 はチーフス陣内22ヤードからイーラムがFGを決めた。 これで10−0としたブロンコスだが、キックオフしたボールをチーフスのヴァ ヌーヴァが自陣3ヤードでキャッチし、ブロンコスのスペシャルチームをかき分け て、そのまま97ヤードを走りきってタッチダウン。あっと言う間に10−7と追 い上げる。が、ブロンコスもミラーへの31ヤードパスなどで3分と経たない内に TDを追加し、17−7と引き離す。ここまで試合開始から約12分、第1Qも終 わらない内の攻防である。 第2Qはブロンコスがさらに7点追加。チーフスは、QBのボウノが相手ディフェ ンスに阻まれてパスを失敗する場面が多く無得点。前半を終わって、得点はブロン コス24−7チーフス。このままブロンコスが第4週の借りを返せるのか。 第3Qもブロンコスはエルウェイのパスを中心に攻めたが、反則による罰退が増 えてきた。が、チーフスもブロンコスのディフェンスにきっちり止められて思うよ うに前進できない。戦前のおおかたの予想では「ブロンコスのオフェンス対チーフ スのディフェンス」と見られていたが、予想外のブロンコスディフェンスの踏ん張 りである。 後半、エルウェイからミラーへの41ヤードのパスなどで前進したブロンコスが、 第3Q終了間際にTDを追加して31−7とリードを広げた。 第4QにはイーラムがFGを追加し、終わって見ればチーフスはキックオフリター ンTDの7点だけで34−7とブロンコスの圧勝に終わったのである。 この試合のスタッツは、オフェンスの獲得ヤードがブロンコス499、チーフス 232。タイムポゼッションがブロンコス34:01、チーフス25:59。ブロ ンコスがチーフスを完全に圧倒した試合であった。 試合後、エルウェイはオフェンスラインに感謝して言った。 ”奴らは本当にいい仕事をしてくれたよ。チーフスみたいなチームを相手にするの は、決して簡単じゃないんだ。でも奴らががんばってくれたから、俺たちはいいフィ ールドポジションから攻撃し続けることが出来たんだ” 何はともあれ、2位チーフスに直接対決で勝った意義は大きい。茫然自失の水上 の顔が浮かぶ思いで、正木は職場のパソコンをインタネットから切断した。この結 果AFC西地区は、 1位:ブロンコス 7勝1敗(地区内3勝1敗) 2位:チーフス 5勝3敗(地区内4勝2敗) 3位:レイダース 4勝4敗(地区内0勝2敗) 4位:チャージャース 4勝4敗(地区内3勝1敗) 5位:シーホークス 3勝5敗(地区内0勝4敗) レイダース戦を2試合残しているブロンコスとしては、地区内で星二つリードで きたのは大きい。何よりオフェンスラインとディフェンスが安定している。もし万 一、来週アウェイでレイダースに勝ってしまったら。 「正木さぁん、そろそろスーパーボウルのチケット押さえた方がいいんじゃないす かぁ」 「だな」 昼休みの終わりのチャイムがとっくに鳴ったのに、正木は藤代とインターネット を覗いていた。 そのころ西村は、思いっきりブルーが入っていた。日本シリーズ、読売ジャイア ンツがオリックスに1勝4敗で破れたのだ。 加えて、水上からの電話が追い打ちをかけた。 「11.5ゲーム差をひっくり返して奇跡のリーグ優勝をした上で、日本シリーズで完 敗。盛り上げておいて落とすなんて、これ以上のメークドラマはないよね」 ジャイアンツ(ニューヨークの)がライオンズ(デトロイトの)相手に、久々の スカッとする勝ち方をしたものの、やはり彼にとっては本命は読売ジャイアンツな のだ。 めぐみが気長に応援することにしたファルコンズは、名門スティーラーズ相手に シーソーゲームの末、ゲーム終了6分前に同点に追いついたが、最終的に17−20 と惜しいところで初白星をまたも逃した。全30チーム中、勝ちがないのはファル コンズだけである。最近ゲームに出てこないと思っていたQBのJ.ジョージは、 レイダースかシーホークスとトレードという話になっていたらしい。トレード要員 とされているレイダースのQBホステトラーや、シーホークスのQBマイヤーが相 当にくさっているという話だ。 次週(第10週) ブロンコス 対 レイダース (レイダースのホームゲーム) チーフス 対 バイキングス (バイキングスのホームゲーム) ファルコンズ 対 パンサーズ (ファルコンズのホームゲーム) ジャイアンツ 対 カージナルス (ジャイアンツのホームゲーム) −To be continued.− <<註>> 22ヤードからFGを決めて ゴールポストはエンドゾーンの10ヤード奥に立っており、FGの場合キッカー はスクリメージ(ボールがセットされた位置)から7〜8ヤード下がったところか ら蹴るため、実際にボールをとばさなければならない距離はこの場合約40ヤード になる。 反則による罰退 守備側が反則したら攻撃側がボールを前進、逆なら後退する。何ヤード前進・後 退するかは、反則の種類や度合いによって決定される。 ただし、反則したら必ず罰退というわけではない。反則された側が、反則をとる か放棄(ディクライン)するかを選択できる。 タイムポゼッション(TIME OF POSSESSION) 試合時間1時間の内、それぞれのチームのオフェンスがボールを確保していた時 間。ボールを支配する時間が長い方が、相手の攻撃機会を少なく押さえたことにな り、どちらが優勢だったか示す目安になる。
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