連載 #4820の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「こっちは1、2階とも客室になっているの」 2人は奥まで行って階段を上り、2階を通って1階に戻ってきた。”西部”は ”東部”みたいに複雑ではなく、曲がり角の無い一直線の造りになっていた。 「中央部は、全てが客室よ」 2人は伊集院の部屋へと歩いていった。 「この部屋が一番良い部屋みたいね」 「何で?」 「高さ的に良い位置なの、窓の位置が」 和巳は窓の外を覗きながらいった。 「何だったら、この部屋にいれば?」 伊集院はそう言った。 「えっ、今なんて言ったの?」 和巳は伊集院の方を振り向いて言った。 「この部屋にいれば?てっ言ったんだよ」 2人の会話に長い沈黙が生まれた。窓から降り注がれてくる月明かりがとても 綺麗だった。伊集院は窓を開け、外の空気を部屋にいれた。心地よい冷たさの風 が部屋の中に飛び込んできた。和巳は部屋の電気を消して、月明かりを楽しんだ。 2 2人はそのまま伊集院の部屋で朝を迎えた。 朝になると月の変わりに太陽の日が窓から部屋へと注がれる。和巳はその光で ↑「代わりに」が適当だと思います 目を覚ました。窓を開けていたので、鳥の囀る声も聞こえてきた。そういう自然 の音以外の雑音はなく、のどかな雰囲気をかもち出している。 ↑「かもし出して」のタイプミス? コンコン。 伊集院の部屋をノックする音が聞こえてきた。 「伊集院様、伊集院様」 家政婦の紀子がドアの向こうがそう呼んでいる。 和巳は伊集院をゆすり起こし、 ↑「ゆり起こし」の方がソフトな感じでよいと思います 「翔君、起きて」 「うん? もう朝か……」 「伊集院様、伊集院様」 「はい? 何でしょうか」 伊集院はベッドから降りると、ドアを開けた。 「朝食のお時間ですが? どういたしましょう」 「今すぐ行きますから」 「わかりました」 紀子はそう言うとドアを閉めて廊下を歩いていく音がだけが聞こえていた。 「和巳、朝食だって……」 「5分後にまた来るね」 和巳はそう言うと自分の部屋に戻っていった。 5分後、和巳が伊集院の部屋に来るとそのまま食堂へと向かった。食堂に2人 が来たのは、一番最後だった。 ↑「食堂に来たのは、二人が一番最後だった」の方が分かり易いと思います それから沈黙の朝食が始まった。誰もが食べ終わるまで一言も話さなかった。 そこには朝から重たい空気がたたずんでいて、伊集院はその場に長くいられなか った。伊集院はいち早く食べ終わると、食堂を後にして、自分の部屋へと戻った。 「外はこんなに良い天気なのに……」 伊集院は部屋の中で呟いた。和巳は、そんな姿を入り口から見ていた。 「どうしたの?」 和巳は伊集院に声をかけた。 「別に……。ただ、外が綺麗だなぁーって……」 2人がそういう話を交わしていると、急に下から怒鳴り声が聞こえた。 「どういうことだ。誰がこんな悪戯を。悪戯にも限度っていうものがあるんだ。 これは、限度を超えている。不愉快だ、帰らしていただく」 男はそういうと外へと出ていった。 伊集院は窓からその光景を見ていた。 黒の車がもうスピードで玄関前についた。そして、ドアを開け、中に家族を招 ↑「猛スピード」の誤変換? き入れていた。 「あれは、連条さんの一家だ」 伊集院はそう言いながら窓を開けて下を覗いた。 車は人を乗せるとつり橋を渡っていった。伊集院はつり橋の向こう側に目をや った。すると、赤い服を身にまとった人物だか、物だかわからない物体が立って いた。 車がつり橋の中央にさしかかったとき、予期せぬ事が、伊集院の目に飛び込ん できた。 つり橋が中央から崩れていったのである。 「あっ」 伊集院はそう言うと、部屋を飛び出して玄関へと走った。 助けてくれ〜〜〜〜〜〜〜。 つり橋から悲鳴が聞こえてきた。それと同時に「ボン」という爆発音が聞こえ てきた。つり橋が無くなった所から黒い煙が立ち上ってきた。 伊集院はつり橋の付け根まで行って下を覗いた。絶望的だった。車体すら見え ず、人が生きているかの判別も無理な状態だった。 つり橋の向こうにはまだ赤い服をまとった物体がまだ立っていた。伊集院がそ の物体を見ているとその物体は後ろを向き、森の中へと消えていった。 ”紅館”からはほぼ全員の人が集まっていて、崖底から立ち上る黒い煙を見つ めていた。 「どうしたんだ」 時夫はそう言って、その場に座り込んだ。 「誰がこんな事を仕組んだんだ」 「向こう岸に、赤い布きれか何かをまとった物体が立っていました。もしかする と、それがつり橋を切ったのかも知れません」 ↑つり橋を切ったのであれば、中央から崩れることはないと思います 伊集院が時夫に言う。 「園田さん。ここからはどうやったら帰れるのですか?」 隼人が時夫に尋ねた。 「今から、町に電話をすれば、夕方までには助けが来ると思いますが……」 「じゃぁ、早いうちに電話を」 時夫に伊集院がそう言うと、”紅館”へと走っていった。 2分後、時夫は額に汗を一杯溜めて、皆がいるつり橋の付け根に走ってきた。 「どうでした?」 幸助がそう尋ねると、時夫は一呼吸おいてから 「電話線が切られていて、どこにも掛からないんです」 時夫がそう言うと皆は一斉にパニックに陥った。 ↑全員の心理に立ち入っている 「私たちはどうなるのですか?」 萌が半分泣きながら言う。 「食料は2週間分ありますから、飢え死になることはありません。後は、助けを ↑「飢え死にになる」のタイプミス? 呼ぶ方法だけを探せば……」 時夫はそこまで言うと黙り込んでしまった。助けを呼ぶ方法が思いつかなかっ 時夫の心理に立ち入っている↑ たからである。 「どうやって助けを呼ぶんだよ」 慎治が怒鳴り口調で言う。 「それは……」 時夫はそれ以上答えられなかった。 「どうかしたんですか?」 菊子が”紅館”から出てきた。菊子は風呂に入っていたのか、髪の毛が水で濡 れていた。伊集院はあと誰がいないか確かめた。すると、誠治と燐子、理津子が いなかった。 「いったん、館の中に戻りませんか?」 伊集院はここにいる皆に言う。 「それもそうだな。助けも当分は来ないし」 と、幸夫が答える。 皆はぞろぞろと館の中へと帰っていった。 時刻は11時を少し過ぎていた。 3 ロビーには、外にはいなかった燐子と理津子がいた。何やら話していたが、そ の話し声は誰にも聞こえなかった。 「今までそこにいたの?」 和巳が2人に聞いた。 「そうよ、ずっと一緒に話していたわ」 理津子がそう答えた。燐子も理津子がそう言うと後から真似をした。なぜか伊 集院には、そんな2人が姉妹のように見えた。 そんな風に話していると、何処からだか、わからないが誠治がロビーにきてい た。 「誠治君。今まで何処へ?」 隼人が優しい口調で尋ねた。 「ちょっと部屋で、締め切り間近の原稿を」 「締め切り?」 陽子が驚いて言う。 「誠治君は小説家でして」 時夫が陽子に説明した。 「そうなんですか。ペンネームは?」 伊集院は横から口を挟んで聞いた。 「光木浩二です」 「あの光木先生?」 陽子が目を輝かせながら言う。どうやら陽子は、小説家光木浩二の大ファンら しい。 「そんなことより、これからどうするんですか?」 幸助がソファーに座って言う。 「とりあえず、何か手を打たなくては……」 隼人がそれに答える。 「煙でも上げますか?」 時夫が、窓から見える黒い煙を見て言う。 「煙ですか……。果たして、上空、もしくは、地上から見えますかねぇ……」 幸夫がそう返事をした。 これで振り出しに戻った。と、伊集院は思った。 「今日1日は、このまま過ごしませんか。どうせ今日は、この分だと、助けが来 るとは考えられませんし」 時夫がそう提案した。 「助けが来ない? どういうことなんです」 誠治が皆にそう尋ねた。 「実はねぇ、誠治君。今さっきなんだが、つり橋が壊れてしまったんだよ。連条 君達の車が、橋の上を通ったとき……」 幸助が誠治に事のあらすじを説明した。 ↑「事の次第」の方がよいと思います 「そうだったんですか……」 誠治はそう答えると黙り込んでしまった。 「とりあえず、昼食を食べてしまいましょう。話すのはそれからでも遅くはあり ませんし……」 時夫はそう皆に言うと、紀子に昼食の支度を命じ、自分自身もその手伝いへと 行った。 それから昼食が始まるまで、誰一人として、ロビーを離れなかった。たまにト イレに出かける程度で、後はロビー内での会話だけだった。 昼食を食べ終わると、理津子と燐子はどちらかの部屋へ、哲也はロビーで読書 を、慎治は自分の部屋へと帰っていった。その他のものは皆、食堂へと残った。 そこでは、これからののことについて、長々と話していた。途中で、誠治は原 稿を仕上げるために部屋へと戻った。伊集院は、和巳を連れて自分の部屋へと戻 ってきた。何故戻ってきたかは、その場の空気が重すぎた事が、一番の原因だっ た。 それからどのくらいの時間話し合いが続いたかは、わからなかった。伊集院は 和巳の話し相手になりつつ、つり橋事件について考えていた。 「何かあったの?」 和巳が顔をのぞき込んで聞く。 「別に。大したことじゃないんだ」 伊集院はそう答えた。 和巳は何かを隠しているな、と言うふうに伊集院のことを見ていた。 ↑五行上では伊集院の心理に、ここでは和巳の心理に立ち入っている 伊集院の今の時点での最大の疑問は、赤い服を着た物体の正体である。あれが 何だったのか? それがわからなかったのである。遠目でしか、その物体を見れ なかったせいでもある。 和巳が急に伊集院に抱きついた。 「どうしたんだ、和巳」 「何か、怖いの。このまま、帰れなくなるような気がして」 そういう和巳の体は微妙に震えていた。声も微かだが掠れていたし、呼吸も荒 かった。 「大丈夫。絶対にここから出て見せる。たとえ、助けが来なくても」 伊集院はそう言って和巳を落ち着かせた。 「そうだよね。きっと帰れるよね……」
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