連載 #4018の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
いやあ、また当選しちゃったよ。三期目だよ、三期目。そ れにしても、地元で不動産屋をはじめたのが三十年前。最初 は不動産だけだったが、そのうち建設業も手がけて、だんだ んと会社は大きくなっていって。それでもしばらくは土建屋 なんて呼ばれて、結構くやしい思いもしたんだよ。生まれた 時からここに住んでいるのに、陰口もずいぶん言われたさ。 まあ言われてもしょうがないこともやっていたけどね。 まあ、あんまりやばいことはいくら君でも言えないから、 小さい悪さでも言おうかな。例えば、うちの仕事で働いてく れていた作業員が休む場所だけど、これは昼間いないサラリ ーマンやOLの部屋なんかを利用したりしたんだよ。鍵は不 動産屋だからもっていたからね。でも泥棒ってわけじゃない。 彼らは出る時は汚れをきれいに掃いていったんだし、もちろ ん人様のものに手をつけるようなことは、断じて許さなかっ た。もっとも彼らには俺の知り合いの部屋で、了解はとって あるって言っておいたんだがね。作業員は律儀で気がいいか らそれを信じていたし、約束も守ってくれたはずだ。まあパ ンティーの一枚くらいはもっていったかもしれないが、それ くらいはご愛敬ってなもんだよな。 周囲から必ずしもよく思われていなかった俺に対する評価 の風向きが変わってきたのは、やっぱりゼネコンと仲良くな ってきてからだな。本当にずいぶん変わったもんだ、大手総 合建設会社様々さ。俺のちょっと強引なところを彼らは気に 入ってくれたみたいだね、いろんなことを頼んできたよ、い ろんなことを・・・。それでもはじめは俺は大手にゴマする お調子者みたいに言われていたが、やっぱりゼネコンの力は 偉大だね。仕事の量や質のことだけを言っているわけじゃあ ないんだよ。その経済効果のことを言っているのさ。うちの 市で、次々と立派な建物がつくられていって、おかげで地元 の商業も工業も万々歳だ。もちろん、俺の地位も力もぐんと 伸びて、前に俺のことをああだこうだ言っていた連中も、す っかりおとなしくなっちゃってね。ざまあみろ、って感じだ ったよ。 それにしても、本当にうちの市のゼネコン制覇はあっとい う間だったね。それに彼らは一度食い込んだら、次々と仕事 を探すのがうまいんだよ。まあでも、おかげで我市は継続的 に繁栄している、というわけだから、結構なことじゃないか。 そして、そういった経過の繁栄の中で、俺もしだいに権力を 伸ばしていったのさ。俺を親分て呼ぶやつは、だんだんと増 えていったが、これは人間として快感だったね。そしてつい に市長だよ。そしてこれでついに三期目さ、三期目だよ。 あれ、ノックの音だな。何だい、じゃまするなって言って おいたのに、せっかく親愛なる中園市長と歓談しているのに。 え、何、警察、選挙違反なんてやってないよ、え、そうじゃ ない・・・恐喝・・・ばか言え、収賄ならまだ話はわかるが ・・・だいたい政治献金なら受け取ったが・・・え、ゼネコ ンがそうじゃない、脅されて渡したって言ったって・・・ば かな・・・ちくしょう、裏切ったのか、なぜだ、なぜだ・・ ・理由は・・・俺が捕まれば彼らだって・・・え、困らない ・・・超一流の会計士に弁護士が処理しているって・・・ち くしょう・・・何で俺は捨てられたんだ・・・え、推測・・ ・推測でいいよ、言ってくれ・・・俺はまだまだ役に立つの に・・・え、小さな市でそろそろ大きな事業がなくなったか らだろうって・・・そんな・・・。 おわり
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