連載 #3336の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
史満「よしっ、いくぞ!」 ☆★☆★☆ 史満「てな訳で……」 依音「なんなのよーっ!」 史満「あっけなく勝負は、ついてしまいましたとさ」 史満の初勝利である。店内には書籍、雑誌、コミックなどを詰めた段ボール箱 が積まれている。今、福良が“福良書店”に戻った瞬間を、史満らは万感の思い で噛みしめていた。 依音「なんなのよ、この展開は……。前回までの、あの盛り上がりは? 今、 まさにオカシマンと、ミスター・スナックの死闘が始まろうという、あの “ひき”はなんだったのよ」 素晴らしい闘いであった。そして、勝負はあっという間に終わった。ミスター・ スナックが店内に現れたのが、日曜の午後六時半であったことから、勝負の方法 は『サザエさん』によって行われた。番組終了時、サザエさんは、視聴者へグー の札を上げた。同時に、テレビに向かって史満が放ったのは、パーであった。勝 利を感じ取った史満の横で、右手をチョキの形にしたままのミスター・スナック が、ひざをついた。 そして一言、 スナ「お、おのれ、フグ田サザエめ……」 と、つぶやいた。 こうして、善悪の死闘は、史満の圧勝により幕を閉じ、スナックの手により、 福良書店のすべての本は、店内に戻されたのであった。愛子も正気を取り戻し、 『日本全国暇音頭』を熱唱する歌声が、花宮南商店街中に響いた。 平和は取り返されたのである。 依音「戦闘シーンを期待していた、読者の気持ちはどうなるんですかっ」 史満「心配するな、読者は何も期待しとりゃせん。それにな、戦闘シーンを書 くのは、やたら面倒臭い。作者の手足である我々は、そういう作者の感情 も察知して、行動せにゃならん。だから、省いた」 依音「……そのうち、誰も読まなくなりますよ……」 ……ま、まあ、とにかく、そういうことなのである。おめでとう、オカシマン。 しかし、いつまた、ミスター・スナックが卑劣な行動を起こすか、わからない。 その時に備えて、史満と愛子は、日々のパトロールを怠らないと、固く心に誓う のであった。 愛子「さあ、みんな仕事よ。この段ボールの中の本を、各自レイアウトも考え て、棚出しするように」 史満「げっ、今からかいな」 愛子「当たり前でしょ。明日には、もう店開けるんだから。今日は徹夜になっ てでも、手伝ってもらいます」 史満「災難やな……」 依音「ほんとに……」 はあ、と、ため息をつく、史満と依音であった。 ☆★☆★☆ ところ変わって、芦神宮市森狸(もりだぬき)町にある、“ミスター・スナッ ク世界征服商店”では、対オカシマン緊急ミーティングが行われていた。 スナック「と言うことでだ、敵は思ったより強いだべよ」 アタック「そうでんな。じゃんけん帝王と言われた、スナック様が負けるとは」 マジック「敵はオカシマンじゃなくて、サザエさん?」 ラメック「王手!」 アベック「昨日から、近所のコインランドリーが改装工事でさあ」 ストック「こんばんは、ああお前かいな、まま、こちおあがり」 ディック「リー」 トラック「この前、朝テレビつけたら、ばってん荒川が出てた」 チャック「ウィルソン」 コサック「吉本新喜劇的思想で、乗り越えられるもんでもないよな」 カヤック「金貸してください」 スナック「えーい、お前ら、うだうだうるさいだべよっ!」 これだけのキャラクターを、書き分けられる人がいたら、天才である。もはや、 ミスター・スナック自身が、何がなんだか訳わかめ状態になっている。 紅虻「まったく、みんなその程度の頭しか、持ち合わせてないのかしら」 スナ「誰だべ!」 紅虻「誰って……台詞の前に、名前ついてますでしょうが……」 会議室のドアを開けて入ってきたのは、年の頃なら、十八、九、特に美人とい う訳ではないが、どちらかと言えばきつい顔立ちをした、紅虻であった。彼女は、 ミスター・スナック世界征服商店でも、一目置かれる頭脳派で、将来の幹部候補 でもある、エリート中のエリートだ。 紅虻「たかが、貧乏人一人のために、わざわざスナック様が出向いて戦う必要 などありません。この紅虻に、全権を任せていただけるのなら、早急にオ カシマンを始末してみせます」 ラメ「色仕掛けででも、倒す気か?」 ミスター・スナック世界征服商店内で、最も口の悪い、ミスター・ラメックの 言葉に、紅虻がキッと睨みつけた。 ラメ「あ、ごめん。自分、色気なかったな……」 室内にドッと、笑いが起こる。どうやら、クールな紅虻の態度に、反感を持っ ている者も多いようだ。 スナ「仲間割れしてるんじゃないべよ。紅虻、たいした自信だべな。あの、オ カシマンを倒す手立てが、あるというべか?」 紅虻「ええ。すでに、対オカシマン用の兵隊は用意してあります。必要とあれ ば、外部からの起用も……」 トラ「やめとけ、やめとけ。たかが女に、何が出来るってんだ!」 ミスター・トラックが、罵声を浴びせる。紅虻は、ひるまずにつかつかと、ミ スター・トラックの前へ近づく。そして、椅子に座っているトラックに向かって、 立つようにとのジェスチャーを見せた。 トラ「な、なんだよ」 紅虻「……あたしはね、女のくせにとか、そういうことを言う奴が、一番嫌い なんだ!」 立ち上がったトラックの急所に、紅虻の強烈なキックの一撃が入る。2メート ル近い大男であるミスター・トラックも、これにはたまらず、うずくまり、うー うーと、苦しそうな唸り声をあげるだけであった。 紅虻「失礼します」 紅虻は、一礼すると、何事もなかったかのようにドアの外へと出て行った。そ の後を、すぐに、ミスター・アタックが追いかける。 ラメ「けっ、金魚のフンが!」 ☆★☆★☆ アタ「紅虻ーっ、待てよ」 商店の中庭で追いついたアタックは、紅虻の肩を引っ張った。 アタ「気にせんでええて。みんな、紅虻が有能やから、妬いとるだけやし」 紅虻「私のことはいいのよ。それより、アタさん、あなたこそ私なんかに関っ てたら、みんなに白い目で見られるよ」 アタ「何言うとんねん。わしら、幼なじみやし。いつも、一緒におったやろう が。そりゃあ俺は……商店でも、無能なヒラにしかすぎんけど、でも、紅 虻は違う。これからの商店を背負って立つぐらい、頭も力もある。幼なじ みが、頑張っとんねんから、応援ぐらいしたりたいしな」 紅虻「アタさん……」 二人は、ただ無言で見つめ合った。そうして二人は、オカシマンを倒し、花宮 を我らの手にと、固く心に誓うのであった。 ここに、善と悪という立場は違えど、自らの信念を貫き通そうという、固い意 志を持った、二組のカップルが誕生した。彼らが今後、互いに影響し合い、そし て、ともに成長していく……か、どうかは、わからないのであった。 どんな真面目なナレーションを入れても、所詮はギャグ小説なのだから。 (つづく)
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