連載 #3164の修正
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★内容(1行全角40字未満、500行まで)
(「掲示板(BBS)最高傑作集58」からの続き) 数時間にわたって寒い屋根の上で「なぜだ!」と叫び続けたため、私の体は完 全に冷えきってしまい、かっかしていた私の頭の熱も下がってきました。冷静さ を取り戻した私は、旅館の屋根から下り、煙で汚れた顔を洗うため洗面所に行き ました。洗面台の鏡を見ると、私の顔は煙で汚れて真っ黒でした。と、その時、 私の鼻の頭に何かついていることに気付きました。私はそれが何であるかを確認 するため鏡に顔を近づけました。しかし、煙で汚れて真っ黒なため、見ただけで はそれが何だか分かりません。そこで、私はそれを鼻の頭から指ですくって、押 しつぶしてみました。 それは「茶色のジャム」でした。おそらく、トイレで私が最初にベルトの匂い を嗅いだ時に鼻を近づけすぎたため、「茶色のジャム」が鼻の頭にくっついてし まったのでしょう。 これですべて分かりました。私の鼻の頭に「茶色のジャム」がくっついていた ため、匂いを何度嗅いでも「茶色のジャム」の匂いがしたのです。 ここで、みなさんの中には、 「呼吸をしている時に、なぜ『茶色のジャム』の匂いに気付かなかったのか?」 という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。この点について少し解説いた します。 私は普段、鼻ではなく、口で呼吸をしています。ですから、何かの匂いを嗅ぐ 時しか鼻で息を吸うことはないのです。 従って、たとえ鼻の穴に正露丸を100個詰めようが、匂いを鼻で意識的に嗅 ごうとしない限り、私の鼻は何も匂わないのです。 これは鰓(えら)呼吸をしている人が、鼻の穴に辛子(からし)をいっぱいに 満たして、チューブ入りの山葵(わさび)を口にくわえて中身をチューチューと 吸い込んだとしても何も感じないのとまったく同じ原理です。 いずれにしろ、友人から借りたスキーズボンがベルトを肩に掛けるタイプのも のであったため、私はズボンを燃やしてしまい、弁償する羽目になりました。 今後、私はこのタイプのズボンは絶対にはかないつもりです。 ○コメント このメッセージに対しては、 「あなたはトイレ内で気付いたようですが、私はトイレでは『茶色のジャム』が ベルトについたことに気付かず、ベルトを肩に掛けて午前中いっぱいスキーをし てしまいました。 結局、私が『茶色のジャム』に気付いたのは、レストハウスでみんなと昼食の カレーを食べている際、非常に暑かったので上着を脱いだところ、前に座ってい た友人が、『お前の肩に[ハンバーグ]が載っているぞ!』と言った時でした。 既に固まっていたので、友人がハンバーグだと思ったようです。」 というメールをいただきました。 その後は肩を前後に振って、自分ひとりだけ「ハンバーグ・カレー」をご賞味 なさったのでしょうか。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ スキー場での出来事 [5/8] ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 日曜日の午前9時、私はすでにスキー場に来ていました。その日は休日のため、 スキー場も、帰りの列車もかなり混むことが予想されました。ですから私は、午 前中いっぱいスキーをして、昼過ぎにはスキー場を離れようと考えたのです。 日曜日といっても、リフトが動き出す朝の9時に、スキー場に来ていた人は、 ほとんどいませんでした。ですから、しばらくの間は、リフトの順番待ちをする という必要はまったくなく、非常に気分よくスキーを楽しむことができました。 しかし、午前11時を過ぎる頃になると、スキー場近くのホテルや旅館からど っと人が繰り出してきて、リフトが次第に混んできました。 その頃になると、私は2時間近くぶっ続けでスキーをしていたため、そろそろ 疲れ始めてきました。また、リフト待ちをするのに嫌気がさしてきたこともあり、 少し休憩することにしました。ちょうど目の前にレストハウスがありましたので、 私はそこに入りました。 レストハウス内には、大きなレストランと喫茶店がそれぞれひとつずつありま した。私は、まだ昼食をとるつもりはなかったので、レストランには入らず、隣 の喫茶店に入ることにしました。しかし、店の外にあるメニューを見て、私は入 るのを躊躇しました。何しろコーヒーが一杯1000円もするのです。いくら観 光地とはいえ、コーヒーが一杯1000円だなんて高すぎます。六本木の喫茶店 でもこんなにしません。 結局、私はその喫茶店に入らず、店の外にある自動販売機で温かい缶コーヒー を買いました。値段は150円でした。これも普通のところで買えば110円で しょうが、40円くらいは我慢できました。 ベンチに座ってコーヒーを飲んでいると、私はいきなり、便意をもよおしてき ました。私の目の前には、ちょうどトイレがありましたので、私は飲みかけのコ ーヒーをベンチに置いたまま、トイレに入りました。 便器は和式でした。前日に、私は旅館のトイレで、スキーズボンのベルトに汚 物をひっかけてしまうという重大なミスを犯していたので、今回は慎重にズボン を下げ、お尻と便器の間には何も存在しないことを十分に確認した後、私は恐る 恐る用を足しました。 今回は何事もなく無事、便器内にすべてを落下させることに成功しました。私 は、しゃがんだまま、安堵のため息を漏らしました。そして私は、水を流すため にレバーをひねったのです。 水が便器内に流れました。しかし、水の勢いが非常に弱かったのです。そんな わけで、便器内の「塊」が流れてくれません。 「これはやばいぞ!」 こう思った私は、レバーを数分間にわたってひねり続けました。しかし、どう しても、便器内に横たわった「塊」は動こうとしません。 そこで私は、仕方がないので、トイレットペーパーを手に取り、何重にも折り 曲げ、それを指に当てて、便器内の「塊」を手で押しやることにしました。 ところが、これがけっこう難しいのです。一応、手と「塊」の間には、何重に も折り曲げたトイレットペーパーが存在するので、両者が直接触れ合っていると いうわけではありませんが、「塊」の感触はしっかりと手に伝わってきます。ま た、押し始めるとすぐに、「塊」の表面についた水分がトイレットペーパーに染 み込み、指先がぬるぬるしてきます。ですから、非常に気持ちが悪いのです。従 って、結局、私はそれ以上「塊」を手で押すことはできませんでした。 「何かいいものないかなあ。」 こうつぶやいた私は、「塊」を押すことのできる道具がないか、辺りを見回し ました。 いいものがありました。スキーのストックです。私は、スキーの板は外に立て かけて置いたのですが、ストックは盗まれる可能性があると思い、レストハウス 内に持ち込んでいたのです。 私は、そのストックを使い、とりあえず前の溝まで「塊」を押しやることにし ました。今度は、「塊」の感触がまったくないため、簡単に溝まで移動させるこ とができました。 「楽勝だな。」 こう言いながら私は再びレバーをひねりました。ところが、「塊」は溝の中で クルクルと回転するだけで、いっこうに便器の溝から消え去りません。「塊」が、 でかすぎるのか、あるいは固すぎて、水の勢いが弱いその便器では、流されない のです。 そこで私は、ストックの先っぽを「塊」に何度か突き刺し、「塊」をほぐしに かかりました。ところが、「塊」は溝の中の水中に浮いているため、ストックの 先が触れた瞬間に、「塊」は横へスッと移動してしまうのです。そこで、私は、 一方のストックで「塊」を押さえながら、もう一方のストックで「塊」の中心部 をズボッとおもいっきり突きました。 今度は、うまく突き刺すことができました。しかし、今度は、ストックの先に 「塊」が串刺しになってしまい、ストックから「塊」が抜けません。私は何度も ストックの先を便器の内側の縁にたたきつけ、「塊」をストックの先から抜こう としたのですが、どうしても「塊」は離れようとしません。 そこで私は、ストックを便所内でおもいっきり振り回して「塊」を振り落とす ことにしました。しかし、「塊」についた「汁」が周りに飛び散るだけで、「塊」 はいっこうにストックから抜けてくれません。やがて飛び散った「汁」が右目に 入ったところで、私は「塊」を振り落とすのを諦めました。 「ウォー! どうすればいいんだ!」 私は発狂しそうになりました。 ストックの先に「塊」をつけたままトイレを出るなんて、私は恥ずかしくて嫌 です。 私はトイレの中でしばらく考えました。しかし、いい案は浮かばなかったので、 結局、私は「塊」が串刺しになったストックをトイレ内の壁に立てかけたまま、 もう片方のストックを持ってトイレから出ました。つまり、私は「串刺しストッ ク」をトイレ内に置き去りにしたのです。 私は片方のストックだけを持ち、逃げるようにしてレストハウスを出ました。 すぐに私はレストハウスの前に立てかけておいたスキー板を靴に取り付け、近く のリフト待ちの列に加わりました。 その頃になると、スキー場はかなり混んできていたため、リフトに乗れたのは、 並び始めてから約10分後でした。 私が乗ったリフトは4人乗りの高速リフトで、ラッキーなことに3人の女の子 と一緒でした。私はさっそく、すぐ隣の女の子に話しかけました。 「3人でスキーに来たのですか?」 「ええ、そうです。」 「どちらから?」 「大阪からです。」 「大阪から? 大阪からじゃ新潟は遠いんじゃないですか?」 「ええ。相当時間がかかりました。」 「長野のスキー場なら、けっこう関西人を見かけたけど、新潟は始めてですよ。」 「そうですね。関西から新潟は遠いから、関西の人はあまり新潟には来ないと思 います。」 「では、どうしてあなた達はわざわざ新潟まで来たのですか?」 「友達の親戚がこのスキー場の近くで旅館を経営しているのです。」 「安く泊まれるというわけですね?」 「安くというより、ただなんです。」 「いいなあ。」 彼女の隣の女の子が私に尋ねてきました。 「あなたは、どちらからいらしたんですか?」 「私は東京です。」 「東京からここまで何時間くらいかかりました?」 「2時間くらいかな。」 「早ーい! ここはそんなに東京から近いのですか?」 3人ともびっくりした様子でした。 「新幹線で来たからですよ。何しろ上野からこの近くの越後湯沢という駅まで1 時間ちょいで来れますからね。」 「いいなあ。」 今度は私から一番遠いところに座っていた女の子が私に尋ねてきました。 「あなたはどうしてストックを一本しか持っていないのですか?」 「え?」 私は困りました。話している相手が男友達だったら、私はレストハウスのトイ レ内での出来事を、ゼスチャーを混じえて克明に話してあげるのですが、何しろ 相手は会ったばかりの女の子達です。 仕方がないので私は、適当なことを言ってごまかしにかかりました。 「スキーのベテランになるとストックは1本でいいんだ。」 「・・・」 彼女達は全然納得していないようでした。 その直後、スキー場のスピーカーから流れていたユーミンの音楽が急に鳴り止 み、 「ポンポンポンピーン!」というチャイムの音が聞こえてきました。 続いて女性の声で以下のようなアナウンスが聞こえてきました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | お客様にお忘れ物のご案内をいたします。 | | レストハウスのトイレで、ウンコが串刺しになった黄色いロシニョル | | のストックをお忘れになったお客様。 | | ストックがレストハウスの「落とし物センター」に届いています。 | | センターの職員が嫌がっていますので大至急取りにきて下さい。 | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その後、スピーカーからは「ポンポンポンピーン!」というチャイムの音が聞 こえ、ユーミンの音楽が再び鳴り始めました。 (「掲示板(BBS)最高傑作集60」に続く)
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