短編 #1304の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
まあちゃんは七つ、えっちゃんは四つ、まあちゃんはしっかりものの お姉さんで、妹のえっちゃんは少し泣き虫です。二人はときどきけん かもするけれど、とても仲のよい姉妹です。 ある夏の日、お母さんは美容院に出かけることになりました。 「お昼までには帰ってくるね。二人ともよい子でお留守番できるわね?」 まあちゃんは「だいじょうぶ」と言いました。 えっちゃんはちょっと心配そうに「早く帰ってきてね」と言いました。 「それじゃ行ってきますね」と言ってお母さんは出かけていきました。 まあちゃんとえっちゃんは初めのうちは、お人形で仲良く遊んでいま したが、一時間が過ぎ、二時間が過ぎてもお母さんは帰ってきません。 晴れていた空はどんよりした雲におおわれて、いつの間にか真っ黒に なってしまいました。 ピューピュー。風が吹いてきました。庭の木がゴウゴウとゆれていま す。あたりは一瞬ピカッと光りました。そのとたんドーンというもの すごい音が聞こえてきました。 「いやだ。こわい」 「だいじょうぶ。おへそをかくしておけば、かみなりさまは来ないか ら」まるでお母さんがするように、えっちゃんの小さなおなかをポン ッと軽くたたいて、まあちゃんは言いました。 でも、あらしとかみなりはやみません。それどころかどんどんひどく なります。 ピカッ、ドーン、ガラガラ、大風が吹いて大雨が降って、今まで見た こともないようなものすごいかみなりがひっきりなしに落ちてきます。 えっちゃんはかみなりが鳴ってこわいのと、お母さんがいないさびし さでとうとう泣き出してしまいました。 「こまったなぁ。えっちゃんを泣きやますためには、いったいどうし たらいいのかしら?」まあちゃんは自分も泣き出したいのをこらえて 必死に考えました。 「そうだ! おいで、えっちゃん」まあちゃんはえっちゃんを連れて 台所へ行きました。 「見ていてごらん。今いいものを作ってあげるから」そう言うとまあ ちゃんは流し台のじゃ口をひねり、勢いよく流れ出た水で手を洗いま した。それからおひつのふたをとると、塩をひとつかみ手のひらにの せ、もう一方の手でしゃもじにごはんをよそいました。 そうです。まあちゃんは妹のためにおにぎりを作ろうとしているので す。 でもまあちゃんの手はお母さんの手のように大きくなかったので、ご はんは床にボロボロこぼれています。それでもまあちゃんは一生懸命 です。ごはんを何度も何度もしゃもじでよそって、大きな大きなおに ぎりを二つ作りました。 「いただきまーす」まあちゃんはそう言うと、大きな口を開けて大き な大きなまんまるいおにぎりをパクリとほおばりました。 「いただきます」えっちゃんも小さな口を開けて大きな大きなまんま るいおにぎりをパクリとほうばりました。 「あんまりおいしくない」 「文句を言わない」 まあちゃんにとっては初めて作ったおにぎりでしたから、お母さんが 作るようなおいしいものとはいえませんでした。それでもまあちゃん とえっちゃんはおにぎりを全部食べました。おなかがいっぱいになり ました。 そうしているうちに、いつの間にか雨はやみ、かみなりはどこかに行 ってしまいました。お日さまがでてきたころにお母さんは帰ってきま した。 突然かみなりが鳴り始めたので、心配していたお母さんは、二人の話 を聞いてびっくりしました。 「まあ? まあちゃんがお昼をこさえたんだって?」お母さんは台所 へ行ってみました。床は水でビショビショ、テーブルは塩とごはん粒 でベトベトです。でもお母さんは小さく笑って、台所を汚したまあち ゃんをしかりませんでした。 「あの子がねぇ・・・」 まあちゃんとえっちゃんは、お母さんからお留守番をしたごほうびに おもちゃをもらいました。けれども本当にうれしかったのは、お母さ んが帰ってきたことだったのです。
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