短編 #1093の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
わたしの中には、それを仕舞う場所がなかった。 仕方がないので、わたしは、それを背に纏うことにした。 ぬめり、とした感触。 裸の皮膚にしがみつき、もう決して離れることはないだろう、 「それ」。 ……「女」というもの。 「心配しなくて大丈夫。もうじきそれは、あなたに溶け込んで ゆくから。」 背に纏ったわたしと違い、かつて「それ」を丸飲みにしたオンナは、 そう云った。 「それ」が溶け込んだわたしを、 昔の知人たちは、 なんと呼ぶのだろう。 「それ」の名で? 現在(いま)のわたしの名は、 やがて消えてゆくのか……。 今、わたしは「それ」に、 浸食されようとしている。 痛くも苦しくもなく、ただ、膚がほんの少し、 ぬめりがあるだけで。 わたしを「日常」へと誘(いざな)っている。 今、わたしは「それ」に、 浸食されようとしている。 いつか「わたし」をぼんやりと、 懐かしむ日が来るまで。
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