短編 #1032の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
.. . .. . .. 世界の悲しみを知った少年は夜の沈黙のもたらす真空に 耐えきれず 精神の山の麓で形のない祈りのためにひざをつく 自分の全てをささげるを願った少年は 何もかもを失い やがて透明な祈りへと変えられていった 無という命は名もない清澄な風に抱かれて 大地に熱せられ昇ってゆく 彼の煤けた指先は今は伸びやかな羽となる 痩せた猫背の背に背負い続けた優しさが 今は大きい透明な翼となり一度ゆっくりと羽ばたいて やがて先人とともに世界を渡る .. . .. . .. 木立を過ぎていく風の湿気の正体は あのときのあなたの涙の意味だった 執拗に僕にからみついたのが何よりの証拠 一筋の木漏れ日が僕の目に落ちて 光彩を放つ過去を走馬燈のように映し出す そして未着のレターが僕の胸に次々に届けられ始める その夜 僕はベランダで立ち尽くした 蒼い大気を呼吸して百二十光年の距離の星を探す石像と変えられた 僕の身体はすべての要求を忘れたし 僕の心は生すら志さなかった 無知や無力さ加減で弁護する言葉により汚された指先を 今一度冷気へと伸ばしてみれば うそつき小僧が僕の手の甲から転げ落ちた .. . .. . .. 凛とした頬を持つあなたの肌色が上気するのは 秘められていた真実の再生に似ている また 苦しくそれでいて蜜のように慕わしい 未来の霧雨のなかへと 静かに誘う美しいメロディに似ている そして 背後からそっとあなたの小さな掌をとるとき 委ねられるあなたの心の重みは 今日の日の僕という弧影に注がれる 一つの聖なる祈りに 似ている .. . Pure . .. 荒んだ街裏の路地の野良猫の溜まり場でみつけた泉は 周囲を輝きに変えながら閑静に湧き水を湛えていた 我に返った僕は不思議に沈静に あかぎれの手で質量の感じられない靄のような水を汲んだ 瞳を閉ざすようなまばゆい輝きを発しながら 澄明な水面は僕自身の姿を痛いほどにまざまざと映し出す いつしか操られるようにおずおずと手は口元へと運ばれた 口の端からの一筋の流れが首筋をとおって胸元へと落ちる 熱さと冷たさとが荒く荒く入り乱れ 決してとけあうことのない厳しさを伝えていた やがて 僕の身体に 染み渡れ .. . κ . ..
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