短編 #1022の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・・・日常をもとにした或る一つの寓話 湿った土の匂いのする或る森の一角でナメクジ君は生活しています。 家は彼の両親が懸命に作った、草で編んだ洞穴。その中はかわいらし く家族個別の場所がしきってある。トカゲの父さんとカタツムリの母 さん。そして一番上のエリマキトカゲの兄さんとカエルの兄さん。 ある日その話題を持ち出したのはエリマキトカゲの兄さんでした。 エリマキトカゲの兄さんは、この家があんまり好きではなかった。な んといってもジメジメの湿気の多いことは我慢が出来ても薄暗いこの 立地条件は彼の性に合わなかったのである。くたっと家の周りにあち こち垂れている腐りかけた草や蔦。それが彼の体にピタとくっついた 日には、仮は大声で叫び上げていた。嫌悪の声である。そこで彼はい つも外出をする時は滑稽ななほど注意深く歩かなければならなかった。 ここを引っ越そう。そう切り出すチャンスを今か今かと身構えて待っ ていたのである。 そしてとうとうある日、そのチャンスは巡り来た。彼が前からずっ と住みたいと思っていた場所の主が、ひょんな事で引越しをしたので ある。 その縄張りの主というのは、この家族にとっては天敵のようなもので、いばりん棒の 大きな毒蜘蛛だった。何が彼らにとってそんなに驚 異であったかというと、とにかく自分達よりも足が2本も多くある、し かも、そいつの体には細かい彼らからは白い不健康だとしか思えない 苔を思わせるようなうぶ毛が、ビッシリ生えていることであった。そんな 忌々しい体をしているのにも関わらず、そいつときたらスタミナ抜群で、 精力的に獲物を獲得していた。6本の長い足は信じられないほど強く、 トカゲの父さんでさえてこずる。赤い筋の入ったお尻は禍禍しさをより 感じさせたし、ナメクジの父さんと母さんが生きる武器として身につけ た見事な家作りと匹敵するぐらい上手に、巣を細い糸で張り巡らせる ことが出来た。 その蜘蛛が引っ越してしまった理由の顛末は次の通りである。 毒蜘蛛は近くにすむクワガタと喧嘩をしたのである。たかがクワガタ、 されどクワガタである。クワガタは蜘蛛よりも小柄であるというハンデ を持ちながら果敢に立ち向かっていった。何でも彼がやっとこさ見つけ た木のうろの巣を例に酔って蜘蛛が馬鹿にしたとのこと。この毒蜘蛛は 何にでも難癖を付ける嫌みな奴で、きっと、お前にはそんな出来合いの 家がピッタリの能無しだとでも言ったのだろう。クワガタは自分の名誉 をかけて戦った。結果はひどい怪我を負うはめになった。しかし毒蜘蛛とて同じような もので、その治療のために引っ越したのである。 さて、この事をエリマキトカゲの兄さんが持ち出した時の家族の反応 は次の通りだった。 両親は始め、この話には難色を示した。もちろん場所は申し分ない。 しかし、そういう場所だからこそ縄張り争いが激しく、父親独りで守っ て行けるか心配だったからである。 次男のカエルの兄さんは、その案が痛く気に入った。彼は、この家の 周りのジメジメと湿気の多いのは我慢が出来ても、近くにある水溜まり が気に食わなかったのである。日が余り射さないのでいつでも蒸発する ことはなかったし、その澱んだ水に葉が落ちて茶色く腐る。その様に美 的感覚にこだわるカエルの兄さんは我慢がならなかったのである。 末っ子のナメクジはというと、ハラハラしていた。彼は実は彼の兄さ ん達の毛嫌いする、腐りかけた草や蔦、澱んだ水溜まりが大好きだった からである。よく彼はそれらにじゃれ付いて感触を楽しんだり、水浴び をしていた。しかしそれは秘密であった。こんな事を好きだといったら 兄さん達に仲間はずれにされると思ったからである。 しかし、注意してそれらと遊んでいても、それを兄さん達に発見され てしまうことがしばしばあって、言い訳をするのにとても苦労していた。ご飯をおっこ としちゃっただの、遊び道具を変なところに投げちゃった だの、そのおかげで彼は家族からはとてつもなくオッチョコチョイだと いう風に思われていたのである。 彼は何としてでもここを離れたくないと思った。家族にも分かっても らいたいと思った。しかし彼がそうやって必死に考えをまとめようと黙 り込んでいるうちにも、どんどん話は進んでいった。まずエリマキトカ ゲの兄さんは母さんを説得し始めた。 「母さんが水を多く必要だってことは知ってる。でもあそこは河が流れ ているから、その近くに家を作れば、その近くに家を作ればいつでも新 鮮な水が得られるよ。」 次は父さんに向かってである 「僕、家作りも手伝うし、父さんと一緒にあの場所を守るよ。」 こういった力強い言葉に両親は満足げである。これはマズイ事になっ たと慌ててナメクジ君は叫んだ。 「でも!!」 しかしその叫びのような声は父さんの声に遮られてしまいました。 「おお、分かっている。あの毒蜘蛛がまた帰ってくるんじゃないかと思っ ているんだろ。」 それはまるでいたわるような包容力のあふれた頼り甲斐のある一声でした。 しかし、父さんはあんまりナメクジ君のことを理解していたわけではない ようです。続けてこう言いました。 「よくお前はあの蜘蛛にイジメられていたからな。でも、なあに、家族が 団結すれば、あんなこもの一匹や二匹、たいしたことではないさ。」 そういってトカゲの父さんは満足気にカラカラと笑い声を上げた。他の 家族達も同じように満足気に自分の部屋に戻っていチた。一人獅ウれJ メクジ君がその撃ヌうしかかニいえば、b蛯チと残念サうに笑っbセけだっ
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