短編 #0946の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「点字を知って、指点字を有効活用!」 自分は耳から先にダメになった盲ろう者のくせに、手話はほとんど覚えられなかっ た。理由は単純に、自分にそれだけの知能がなかったからだろう。 それだけに、点字を覚えるのは速かった−−早かったでもいいんだけれど−−。文 明の進歩が味方してくれたこともあったろうけど、(多分9半年くらいで覚えた−− いや、じつのところまだ見えていた頃に点字の一覧表を見ていて、ふとその法則性に 気が付いたのだから、点字自体は一瞬にして覚えた−−と言っても過言ではあるまい。 じつはそのくらい、点字は簡単なものなのである。 後にして考えてみれば、六つの点のON・OFFで表現する訳だから、その範囲は 最大で2の6乗−−64通りしかない。それと−−これも後から聞いた話だけど−− 点字はもともと、暗闇で文書を読むための暗号だったらしい。 とにかく、点字は単なる64個の、ちょっとミステリアスな記号でしかない。 しかし、世の中にはこの64個の記号を使わない者がなんと大勢居ることだろう。 −−主に目の見える諸君にこそ告げる。とにかく一覧表を見てみよう。そしてある法 則に、自力で気付いた時、既に君は点字を読むことが出来るようになっているのだ! −−さて、せっかく覚えた手段も、使わなければ意味がなく、いつかは忘れてしま う。しかし目の見える正眼者には、点字を日常的に使う機会はあまりない−−まあ、 それこそ暗号文書のやりとりくらいだろう。そこで、せっかく覚えた点字を最も有効 に活用する方法として、筆者は指点字をおすすめする。 指点字というのは、パーキンス・ブレイラーと呼ばれる点字タイプライターの六つ のキーの代わりに相手の指を−−もとい、相手の指を点字タイプライターのキーに見 立てて軽くタッチし、意思を伝え合うという、ユニークなコミュニケーション手段だ。 これなら、いっさい道具を必要とせず、手を重ね合わせるだけで−−それが一番苦 労するかも知れないけど−−テレパシーのごとく話し合えるから、身体に障害を持た ない健常者にも、たくさん有効な利用法が考えられる。 まあそんな訳で、健常者の諸君も、指点字をおおいに悪用−−もとい活用してもら いたいと、筆者は切に思う。 −−ただし、同性での語らいもおおいに結構だが、くれぐれも道を踏み外すことの なきよう、注意されたし。
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