短編 #0825の修正

★タイトルと名前

★内容（1行全角40字未満、500行まで）
　2100年、未来人たちは現在よりもはるかに慎ましく毎日を送っていた。科学は未 来を明るくするものではなかったのか？その答えはこの少年と少女が知っている.... のかな？ 　　　　　　　　　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 　　　　　　　　‖　いｼとｺしｼのｺ未ｼ来ｺっｼちｺ《ｼＰｺ指ｼ定ｺ》　‖ 　　　　　　　　‖　い.と.し.の.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ.ﾝｺ　‖ 　　　　　　　　　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 　　　　　　　　　　　　　　−−−Ｒ指定−−− 　「一般映画制限付」の意。Ｒはrestricted（制限された）の略だそうだ。リター 　ンズのＲではないらしい。中学生以下の青少年には好ましくない表現があるので 　鑑賞を規制するということだが、大人が観ても好ましくない表現が多い。改善を 　望む。 「なんでこれが借りられないんだ？」 　前橋はビデオ屋の店員に向かってほえた。 「だ…、ですから、これはＰ指定のビデオなんですよ」 と、店員もムキになって答えた。二人はしばらくにらみ合った。 《Ｐ指定》−−昨日国会で突然決まった法律で、18歳以上の男女は鑑賞することが できない映像著作物のことである。 　昨今、大人の幼児化は社会現象化しており、社会に適応できない子供のような大 人の大量出現に悩まされていた。彼らは子供向け番組ばかり喜んで観ているが、現 実からは逃避してしまうのである。 　そこで政府は、大人の子供化を助長するような映像出版物や事業の取り締まりに 乗り出した。レンタルビデオ屋におけるそれが、この《Ｐ指定》であった。社会人 の鑑賞を禁止する子供向けビデオを具体的に指定したのである。Ｐはなんの略か不 明である。 「だから、これはお子様しか見ちゃいけないビデオになっちゃったんですよ」 　店員はもう一度、念を押すように言い返した。 「お子様しか見ちゃいけないようなものがあるのか？ふざけんな。『愛の美少女セ ーラー劇場・キューティーモモＲ』のどこがお子様向けなんだ？毎回セーラー服に ブルマが出てるじゃないか。りっぱな成人向けだ」 　と前橋は主張したが、店員には受け入られなかった。 「英倫のいうことには逆らえないんですよ、わたしたちは。あ、やめてください。 お客さん。キューティーモモ貸したらあなたも捕まっちゃいますよ」 　店員は前橋を止めようとしたが、前橋は金をおいてとっとと店を出ていってしまっ た。 「ただビデオ観るだけで捕まるものかよ！」 　だがしかし、店の外には警官が２人、彼を待ち構えていた。 「あ、児玉さん。またキューティーモモ借りてる大人がいますよ」 　と警官がもう一人のほうにささやいた。 「よし。近藤くん。きみは店員を逮捕だ」 　児玉刑事はそう言うと、前橋の手に手錠をかけた。 「Ｐ指定のことは知ってるな？」と児玉。 「知ってるが、なぜ借りただけで逮捕なんだ？」 　と前橋は反抗したが、児玉は 「知ってればそれで十分だ」 とだけ言って、彼を無理やりパトカーに押し込んでしまった。 　この模様は、車載カメラを通して、とある密室のモニターへ転送されていた。そ こには男女一人ずつがいたが、薄暗く、かすみがかっていて容姿ははっきりとしな かった。 「展開が早くていいな」と男。 「クロちゃん。また無実の人に前科つけちゃだめじゃない？」 　女のほうはそう言って、あわれな男をせせら笑った。 「そんなこと言いながら、カトキっちゃんのほうこそ喜んでるじゃん」 　クロちゃんと呼ばれた男は少しも悪びれず、女のほうに言い返した。 「Ｐ指定は完璧なんだ。今、しょっぴくならこの法律だよ」 「まだまだ。ロリコン趣味のない人間が捕まってないわ。次はエロ指定よ。裏ビデ オ見たら逮捕。これで全員が前科者ね。だれも私たちに逆らえなくなるわ」 　二人はそんな訳分からないことを言いながら、地獄めいた世界観に浸り込んでいっ た。思うだけならまだしも、本当に実行に移してしまうのが彼らの恐ろしいところ であった。 　が、この暴挙はさすがに長続きしなかった。Ｅ指定と当たりさわりのない名称と なって現れたこの法律は、全国のエロオヤジ＆エロ青年たちの総スカンを食らって 暴動に発展してしまい、全国各地で火の手があがり、某ビルは有志によるミサイル 攻撃をくらって倒壊してしまったのである。エロをなめると恐ろしい.... 「....というお話しなの」 　少女は、寝床についている少年に最後のお話しをしてあげた。 「お姉ちゃん。よけい眠れなくなっちゃったよ」 　少年のまなこはらんらんと輝いて、あつく少女を見つめている。 「そうよね。こんな話、乙女の私にさせるなんて、この作者少しいやらしくない？」 　少女は作者にケチをつけた。 「でも今日の話はこれでおしまい。じゃ、もう寝て」 「眠れないよ」 　少年はグチをこぼしていたが、少女は少年の首をしめて無理やり寝かしつけてし まった。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《いとしの未来っち／Ｐ指定・終》 ｢..
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