短編 #0674の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「君の名前は?」 「村■司郎です」 「え? 何だって?」 「村■です」 「聞こえないな。はっきり言ってくれないかね」 「村■、です!」 「大声で言えばいいってものじゃない。一言一言、はっきりと言いなさい」 「む、ら、さ、め、ですっ!」 「おお、やっと分かったよ。村■君か」 「え? 違いますよ。村■です」 「だから、村■だろう?」 「……村さめ……です。村さめにしておきましょう」 「じゃあ、村さめ君。君、我が社に知り合いがいるそうだね」 「はい。■野さんです」 「ん? さめ野? そんな奴はおらんなあ」 「いえ、さめ野ではなく、■野さんです」 「同じ■じゃないか。違うのかね」 「同じ文字ですが、読み方が違っていまして……先ほどの私の名前のやり方に 倣えば、あま野となります」 「あ、なーんだ。あま野か。天野じゃなくて、あま野の方だね? うん、彼は なかなか見所がある。君も、彼のようなたまならばいいんだがねえ」 「ご期待に添えるように、努力します」 「で? 何やら新しいアイディアを持って来たそうだが、どんなんだね? 簡 単にでいいから言ってみなさい」 「はい。−−家庭用降■量予測機とでも申しましょうか」 「なに予測機だって?」 「降■量です。これを一戸単位で限定的・局地的に予測し、例えば行楽のとき、 役立てて」 「待て待て。はっきり聞こえん。降■量? 降あま量ということかね? そん な言葉、わしは知らん」 「あ、降あま量ではございません」 「では、降さめ量か」 「降さめ量でもありません。今度のこれは、降う量です」 「ああ! なるほどな、それなら意味が通じる。うんうん……いや、説明はい らんよ。だいたい分かる。だが……梅■のときはどうなるね。必要ないだろ」 「梅■? あ、今度は梅ゆですか」 「他に何がある?」 「梅肉とか梅酒とか……ああ、梅毒なんてのもありますね」 「ばかばかしい。話の流れから言って、梅■と言えば梅ゆに決まっておる」 「……梅ゆのときは、使う意味はほとんどないでしょうね。その代わり、梅ゆ なのに行楽に出かける人も、あまりいません。逆に、いつ梅ゆが明けるかとい う点で予測に使えます」 「理屈だな。−−お、雲行きが怪しいな」 「本当ですね。これは■になりますよ」 「今、君、何と言ったね?」 「え? ■ですけど」 「そ、それはどういう意味だ? それを言うからには、それなりの覚悟はでき てるんだろうな!」 「覚悟? そう言われましても、何のことだかさっぱり……」 「だからだな。これまでの■は、まあ、ぎりぎりではあったが許容範囲にあっ た。しかしだ。さっき君が言った■は、どう言い逃れしようとも、■だぞ。仮 名に直したとしても、許されるものではない」 「ええ? そうなんですか? 僕、てっきり、仮名にすれば許されるかと思っ てました……」 「何と言うことだ。残念だが、君は採用できん」 「そ、そんなあ」 「問答無用。さっさと帰りたまえ」 「……分かりました。でも、傘がいります。来たときは降ってなかったので、 持って来ていないのです」 「このビルに傘なんかある訳ないだろう。何しろ……」 「言い淀んでますね。僕が代わりに言いましょうか」 「……頼む」 「このビルを含む空間内では■が降らないんだから、傘の必要もない。……こ んなところですか」 「そうだ。君はどうやら、その……降る世界にも行けるんだな」 「はあ。結局、住む世界が違うと言うことですね。−−あ、本格的に降り始め ましたよ、■」 −−終わり (■は、文字化けではありません ^_^)
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