短編 #0614の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「漂流者ロビンソン」 ロビンソンは無人島に流れ着いてから、いたって殊勝な心がけで暮らしていた。すな わちこれ質素、粗衣粗食、朝夕のお祈りなどである。 これは本国にあっては考えられないことであった。酒と不規則な生活、無意味な時間 の浪費、金の都合をつけるための焦慮、博打や小競り合いなどよりこの方がよほど健 康によい。 もともと彼は神経質で怒りっぽく、しかも野心を抱いていたから、人と妥協して世渡 りしていく事はどだい無理なことだった。 だから、彼がこの無人島に一人流れ着いたことは神の意志、運命と言ってよかった。 彼は小さな島でただ一人の住人だが、王として君臨していた。 それなのにいかなる帰巣本能に基づのか、彼は資本の手垢にまみれたディーゼル工場 や粉塵のまい上がる街路のある灰色のイギリスを忘れられなかった。 彼はいつものように食糧となる獲物を仕留めた後、海岸に向かった。習い性になって いたのである。どこかで難破した船が彼の生活を豊かにするひとかどの物資を浜辺に 打ち上げていないとは言い切れなかった。 今日はいつもと様子が違う。あろう事か、人が倒れているではないか。 彼は飢えた人が水を求めるように走り寄った。 それはフライデーではなく、若い女だったので彼はもう決して島を出ようとは考えな かった。 ・・・・・・了 by ルー RJNO8600
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