短編 #0566の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
けんちゃんは、小学校に通う男の子です。けんちゃんは、お布団たたきを持って 押し込みの中に隠れています。ママに見つかるとあのギーガガガガガ、シューの歯 医者さんに連れていかれるからです。ママに見つからないように押し込みの中に隠 れていて、もし見つかったのなら、持っているお布団たたきで、ワーとママをパン パンして逃げるつもりだったのです。 だけども、いくら押込みの中にいても、ママはけんちゃんがいるところを知らな いものだから、探し出してくれません。そのうちにお布団の中で眠ってしまいまし た。 「もし、もし・・・」小さな声でけんちゃんを呼ぶものがあります。 「う〜ん、眠いよぉ」目をこすりこすり言いました。 「けんちゃん、けんちゃん、起きてくださいよ」見ると、白い竜が一匹お布団の 中から頭を出しています。 「なんだ? 竜くんか」けんちゃんは、初めて竜を見たけど、ぜんぜん怖くあり ませんでした。だって、竜は、けんちゃんの手の平に乗るぐらいの大きさだったの です。 「はい、ぼくは白竜国から、勇者けんちゃんを迎えに来たリュウと言います」白 い竜はぺこんと頭を下げて言いました。 「ぼくが勇者? ぼくは勇者じゃないよ。ファミコンゲームなら勇者になったこ とあるけど、あれはテレビの中だけだよ」けんちゃんは、笑いながら答えました。 「いいえ、勇者はTVの中にいるだけではありません。竜の国では、ずっと昔か らけんちゃんは勇者だったのです」 「どうやっていけばいいの」けんちゃんはリュウに聞きました。 「それは簡単です。目をつぶって白竜国に行きたいと思えばいいのです」 けんちゃんは目をつぶりました。そして一生懸命白竜国に行きたいと念じました。 ぷすっがたがたがた、いきなり押し込みの床がぬけ、あっというまに白竜国に行 ってしまいました。 「勇者さまばんざい、ばんざい、ばんざい」けんちゃんが目をあけると、けんち ゃんよりも少し大きい白竜に数十匹囲まれていました。 「さあ勇者さま。腰にかがげている剣を天に向けてください」リュウはこっそり とささやきました。 「剣?」けんちゃんの手には、お布団叩きしか持っていません。少し困ってしま いましたが、何をしないよりも何かをした方がましだと思って、けんちゃんは、お 布団叩きを天に向けました。するとどうしたことでしょうかお布団叩きが銀色に光 だしたではないでしょうか。 「おおお、よくやったリュウよ。今度こそ勇者けんちゃんを連れてくることに成 功したのではないか」 「はい、今度こそ成功だと思います」リュウはふかぶかと頭をさげた。 「勇者けんちゃんよ」賢老女と思われる白竜が一匹進みでて、けんちゃんに話か けてきた。 「我らの女王ヒメコさまが、隣の黒竜国の者にさらわれてしまい、我が国は大い なる不幸に襲われています。どうかヒメコさまを助けだしてほしいのです」 「どうやって戦えばいいのかわからないよ」 「それは大丈夫です。勇者さまが持っている剣で、黒竜の頭を軽く叩けばいいの です。黒恐竜のいる隣国までリュウに道案内させましょう」 「さあ行きましょう」リュウはけんちゃんの肩にぴょこんと飛び乗りました。 白竜国はとても大きくて広いのです。隣の国までいくのに、けんちゃんの足で一 週間もかかってしまいました。白竜のリュウに導かれて、昼間は木になっている果 実を食べ、夜は地面に落ちている薪を拾っていきました。そしてとうとう白竜国と 黒竜国との境目まで来ました。ここが境目だというのはとても長い白い線ととても 長い黒い線が引いてあったのでけんちゃんにもすぐにわかりました。 「この線を越えたら黒竜国なの」 「そうです。けんちゃん、ここから先は白竜のぼくには越えることはできないけ ど、勇者であるけんちゃんは白竜国も黒竜国も他の竜の国も自由に行き来すること ができるのです」 「これからぼく一人でいかないと駄目なんだよね」 「うん、気をつけて」 「それじゃ」けんちゃんはそういうと黒竜国にはいっていきました。 黒竜国に入るとすべてのものが黒く染まっています。見渡すぐらい道も黒けりゃ 果実も黒い。けんちゃんが果実に手をかけるとけんちゃんの手も真っ黒になってし まいました。 「こんな国嫌いだな」けんちゃんは汚れた手をズボンで拭きながら独り言を言い ました。 「そんなこと言わなくてもいいだろう」いつのまにか、白竜のリュウと同じ大き さの黒い竜がけんちゃんの肩に止まっていました。 「白竜国のヒメコを奪ったのは黒竜国のものだと聞いた。白竜国に返して欲しい のだけど」 「奪うなんてとんでもない。もともと黒竜国であったものを少しの間だけ白竜国 に貸してやっていたわけだ。いつまでたっても返してくれないから、少し荒っぽい 方法で返してもらったわけです」 「ううん、話が違う」けんちゃんは困ってしまって頭をぼりぼり書きました。 「黒竜国のヒメコさまに聞いて見るがいい」黒竜のリュウ(白竜国にもリュウが いるように黒竜国にもリュウという名前の黒竜がいるのだった)に導かれて黒竜国 の中心の都にたどり着くに一週間もかかってしまった。都に近づくにしたがって、 黒一色であったものが少しずつ、他の色が混じっていくようになった。 王室の大広間の一段と高い場所に、七色に彩られた竜が座っていた。 「あれがヒメコさまだよ」黒竜のリュウがけんちゃんにつぶやくと、いづことも なく王室のどこかに消えてしまった。 「ヒメコさん、白竜国のみんなが戻ってくるのを望んでいます」 「わたしは、白竜国には戻りません」 「どうして?」けんちゃんは驚いて聞きました。 「わたしはどこの国にも属さない虹竜だからです。白竜国には色が充満していす。 だからわたしは出ていったのです。わたしはすべてのものに色を充満させるすべて の竜の源だからです」 「ぼくよくわからないよ」けんちゃんはまた頭を掻きました。 「だれか薔薇をもってきてください」虹色の竜が優美に家来のものに言った。 すぐさま黒竜の一人が黒薔薇を一抱え持ってきました。 「あなたはこれを持っていてください」 けんちゃんは薔薇を持っていることにした。 「わたしの身体をその剣で叩いてください」虹竜がけんちゃんのお布団叩きを見 て言った。 けんちゃんは恐る恐る虹竜の身体を叩くと虹竜から花粉のようなものが飛んで薔 薇の上にも降り注ぎました。 するとどうでしょう。なんの変哲もない黒薔薇の花がさまざまな色が交じる不思 議な色の薔薇にかわりました。 「これでわかったでしょうか。わたしの虹色の花粉で、世界の色が変わっていく のです。ただわたしの身体の花粉を飛ばすには、今までのように普通の方法では駄 目で、けんちゃん、その剣でわたしの身体をお布団のように、叩く必要があるので す」虹色の竜はうっすらと笑みをたたえて言った。 「異次元からきた勇者よ。わたしがこの世界に色を充満させるために、どうして もその剣がいるのです。その剣をくれませんか」 「うん、いいよ。この世界に様々な色に染まることができるのなら、このお布団 叩きをあげてもいいよ」 「勇者よありがとう。お礼になんでも好きなものを適えてあげよう」 「それじゃチョコレート」 「わかりました。それじゃけんちゃんどうぞ」けんちゃんの目の前には、チョコ レートがどっさりとありました。そしてけんちゃんは口中チョコレートを入れて食 べました。 すると・・・虫に食われてぼろぼろだった歯が痛くなってしまいました。痛い、 痛い、痛いとけんちゃんはのたうちまわりました。どうすれば痛みが治まるのか、 一生懸命考えて、水飲み場まできて、口を洗おうとしました。しかしどうやっても けんちゃんの虫歯の痛さが消えることがなかったのです。それどころが冷たい水に 反応して、けんちゃんの痛みはますます過激になっていったのでした。 痛いよお、痛いよお、勇者じゃなくてもいいから、この歯の痛みを消してくださ い。ママのいうことを聞いておけばよかったのです。 「本当」どこからか声が聞こえてきます。 けんちゃんが目をあけるとママの顔が見えました。 「こんなところで寝ていると風邪をひいちゃうぞ」ママは押し込みの中に顔をだ しました。 「ママ痛いよ」けんちゃんは頬っぺたに手をあてて答えました。 その日けんちゃんはママにつられて歯医者に行きました。きーん、ががが、ドリ ルで歯を削る音が聞こえてきます。けんちゃんは他の子供のように泣きませんでし た。だってけんちゃんは竜の国の勇者だからです。けんちゃんが勇者だった証拠に 寝る前に手に持っていたお布団叩きがなくなっていたからです。あのお布団叩きは おそらくあの虹竜のヒメコが自分の持っているさまざまな色ですべての竜の国を色 とりどりの色に染め終わったときに、改めてけんちゃんを勇者として迎える日もあ ることでしょう。そのときけんちゃんは虫歯も痛まず、真の勇者として食べ損ねた チョコレートを腹一杯食べれるようになるのですから。
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