短編 #0529の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
*登場人物 山口伸(やまぐちしん) 片倉優右(かたくらゆうすけ) 春日菊江(かずがきくえ) 川上圭子(かわかみけいこ) 川上佳子(かわかみよしこ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 助手の本岡良一が謎の死を遂げて、老探偵の山口伸は少しばかり元気がなか った。 「どうして死んだんじゃろうなあ」 「私にも分かりませんけど、いつまでも気に病んで家に閉じ込もっているのは よくないですよ」 時々訪ねてくれる、本岡の先輩だった川上佳子が慰めてくれた。そこで山口 は散歩に出る気になった。 「わざわざついてもらって、悪いね」 「いいえ。実は数日前まで叔母が来ていて、ここらを散歩したんです。それが 結構気に入って」 ゆっくりついて来てくれる川上佳子。本岡の話では、彼女は人を怠けさせる のが得意だ等と聞いていたが、そうでもないと山口は思っていた。 「お……。あれは何じゃ」 悪くなりかけた目であるが、山口のそれは道端に落ちていた光る物を捉えた。 腰を曲げるのが億劫な山口は、川上佳子に拾ってもらう。 「まっ! きれいな指輪」 「指輪じゃと」 山口は髭を一撫でして、彼女の手にある物をじっと見た。小さいが本物らし い宝石が着いたリングがあった。しかもリングは金らしい。 「高価な落し物じゃな。何か手がかりはあるかの、佳子さん」 「何か内に刻んでありますわ。えっと、『5/28 K・K』ですって」 「ほほう。それだけのことが書いてあるなら、落し主もすぐに見つかるじゃろ。 警察に届けるだけでよいかの」 「はい」 しかし近くに交番が見あたらなかったため、山口はすまないと思いながらも、 親しい片倉刑事に電話をした。 「何かあったんですか、山口さん?」 急いで来たらしい片倉は、ボサボサ頭を気にしつつ聞いてきた。 「いや。大したことじゃないんだが、指輪を拾っての。交番が見つからんし、 わしもこの足じゃろう。悪いんじゃが君に来てもらった訳じゃよ」 「そんなことですか。まあいでしょう、もうすぐ敬老の日ですしね。川上佳子 さん、老人だからってこの人を甘やかしちゃいかんよ」 そんなことを言った後、片倉は落ちていた場所等を詳しく聞いて、また戻っ て行った。 一週間ほどして、片倉刑事から山口の所へ連絡があった。持ち主が名乗り出 たと言うのだ。 「そりゃよかったではないか」 思わず声が弾む山口。 「それがよくないんです。二人も一遍に名乗り出られちゃいまして」 彼の話によれば、名乗り出たのは二人とも女性で、名前のイニシャルと誕生 日を根拠に自分の物だと主張していると言う。 一人は川上圭子といい、何と山口の世話をしてくれた川上佳子の叔母であっ た。イニシャルはK・Kで、5月28日生まれの41才だと言う。佳子が話し ていた通り、数日前にあの散歩道を歩いた折に落としたのだと思う。そう話し ているのだ。 「華道教室に入っていて、その会員証を証拠として持って来てます。確かに川 上圭子/41才とあるんですが、生年月日は分かりません」 もう一人は春日菊江なる女性で、26才になるOL。婚約者が造ってくれた 物だから見間違えるはずないと言う。 「こちらはレンタルビデオ屋の会員証が証拠なんです。春日菊江/26才とあ るんですが、これまた生年月日は不明。 男なら免許証を取ることが多いから確認もすぐなんですが、女性の場合はね、 厄介ですねえ。二人ともまだ、言ってることが本当かどうか、確認していない んです。ホント厄介事を持ち込んでくれますよ、山口さんは」 ぼやく片倉刑事に向かって、山口は怒鳴った。 「何を言うとるんじゃ! 何も確認する必要なんてありゃせん。一人が嘘をつ いているのは明白じゃ!」 「え? どっちですか?」 「川上圭子の方じゃ! 全く、あの娘め。ちょっとわしが隙を見せると付け込 みおって。大方、叔母に嘘の証言を頼んだんじゃろう。きつーいお説教とお仕 置をしてやってくれ」 山口はそう言ってから、不機嫌そうに鼻を鳴らした。 −問題編.終わり 蛇足−−山口伸の助手・本岡良一が謎の死を遂げた事件は、「殺人事件殺人事 件」に詳しくあります。お暇なときにどうぞ。
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