短編 #0443の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「創作家と死の関係」 今、何をしたいのかが分からなかった。 ワープロの前に座り、カーソルのみが点滅を繰り返している以外、何も書かれてい ない白いモニターを眺めていても、何も文章なんて浮かんでは来なかった。 ただ、小説を書きたいと言う欲求だけが胸の中をくすぶり、そして、その満たされ ない欲求はいつも空回りをしていた。 スランプなんて言うような、なま易しいものじゃなかった。 創作小説を始めてから今まで、すらすらと文章を書いていたのがまるで嘘のように、 一言も文章が浮かんでこないのだ。 本当に、一体どうしたと言うんだろうか? 確かに今までもスランプの経験が無い訳ではない。 そんな時は、ちょっと視点を変えてみたり、構想を練り直すことで簡単にスランプ から抜け出せたのに。 僕は結局一行の文章も書かないまま、ワープロの電源も落とさず、部屋の隅に丸く うずくまるようにして泣いた。 才能なんて無いことは分かっていたのだ。 ----お前の書いたのは良く分からない。 僕は理解される為に創作を続けている訳じゃ、無いんだ。 ----こんなの誰でも書けるんじゃないのか? だったらお前が書けばいいんだ。 ----くだらない。 お前に何が分かるんだ。 周りの目は全て否定的だった。 ただ、自己の表現として文章を書いていて何が悪いんだ。 僕が僕であり続ける為に、僕は文章を書いている。 ただ、寂しかった。 漆黒の闇の中に放り込まれたように、全ては闇、闇、闇----。 何もかもが思うように進まず、何もかもから逃げるようにして過ごして来て、気が つくと周りにはだれもいなかった。 叫び出したい気持ちと、人に弱味を知られたく無いと思う心の弱さ。 僕は弱い。僕は弱い。僕は弱いんだ。 全てが、全ての事が僕を弱くするんだ。 唇を噛み締め涙を流す姿なんて、僕じゃない。 僕は僕であり続けたいのに、全ての事柄は僕であり続けることを否定する。 気がつくとカッターナイフを握り締めていた。 手首に当てて一気に横に引くと、静脈からどす黒い血が流れ出す。 不思議な安堵感と、生きているんだという感覚が支配する。 流れ落ちる血を他人事のように眺めている自分と、死に対して肯定的な自分と、生 きていたいと思う自分----全て自分なのだ。 溢れる血も止めずに、涙も拭わずに、ワープロの前まで来て文章を打ち出す。 全てを書き終えた時、短くても自分の全てを書き留めれた実感を感じていた。 そして、ついに創作を書き上げた時にすら感じたことの無い、達成感。 この瞬間の為にこそ、僕は創作を続けて来たのだと理解していた。 僕は眠さと朦朧とした意識の中、文章の最期に「さよなら」と書き足した----。 (おわり)
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「短編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE