短編 #0429の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
ユカは小学6年生。近所の同級生を集め、恒例の缶蹴りをやっていた。 「ジャンケンでカンを蹴る次のオニを決めよう。」こう言うのは、ユカの 一番の仲良し、裕子である。 ジャンケンで最初の鬼に決まったのは、ク ラスの中でもジャンケンが弱かった弘和である。 弘和は、「じゃあ俺が 蹴って10数えたら探すから」と言い、空高くカンを蹴り上げ10を数え はじめた。 弘和は、ジャンケンは弱いが缶蹴りは大の得意。 次々にみ つけ、カンを踏んだ。 「じゃあ次の鬼は、一番最初にみつけたユカから」と弘和は言い、ふて くされた顔のユカをみてちょっぴり笑った。ユカは、「じゃあ、カンを蹴 って10数えるから隠れてね」と言い、カンを蹴る準備に入った。 勢いよく蹴ってやろうと考えたユカは、助走をつけるため4メートル程 下がった。そして疾風の如く走り、トリャっというかけ声と共に、勢いよ くカンを蹴り上げた。 ユカが蹴り上げたカンは、空高く舞い上がり、太陽の光をあびてキラリ とひかり、流れ星のように消え去った。 「あーあー、カンどこいっちまったかわかんないんじゃなあ」と、弘和 はつぶやいた。「しかたない、じゃあ缶蹴りは今日はこのへんでやめよう」 と裕子が言い、他にいた同級生も仕方が無いかという顔で、缶蹴りは中止 となってしまった。 なんか、重いものが肩にのっかる気分を味わったユカであった。 「じゃあ、時間も時間だから私は今日はこのへんで帰る」と裕子が言い、 じゃあ私も・僕もと雪崩現象でみんな帰った。 しかし、ユカはやっぱ り自分の蹴ったカンが気になっているのである。 だが、時間も時間なので家路へと急いだ。 では一方、その頃カンは何処へ飛んで行ったのであろうか。カンの行方 をユカには内緒でこっそり探る事にしよう。 ユカの蹴り上げたカンは、 小学校2年生の一功の頭に当たっていた。 母親に連れられ、近所の万屋 まで買い物にでかけていた一功は、ユカの蹴り上げたカンをくらい「いて っ」と叫んだ。 「あらあら、空からカンが降ってくるなんて」と一功の 母親は言った。「このカンってなんでお空からふってきたの?」と一功は 母親に聞くと「さあ。なんででしょうね」と返した。 そらから降ってき たカンが気になってしょうがない一功は、母親の汚いからもって帰るのを 止めなさいという言葉も聞かず、大切そうに持ち、部屋に飾ることにした。 そして13年の年月が流れたのである。 ある日、一功は、物置の端っこから、さびついたカンをみつけた。 「なんだこのカン・・・?」 何も覚えていない一功である。 なぜ物置 にカンがあったか気になった一功ではあるが、この事を彼女に話すとこう 言った。「小さい頃、よく缶蹴りとかしてて、そのまま放っておいたんじ じゃないの」と笑った。 一功は「ひょっとしたら、このカンって誰か蹴ってて、ワシの頭に当た ってたりしてなあ。」と言うと「アンタは鈍くさいから」と笑いながら返 事がかえってきた。 「じゃあ、そろそろ寝る。おやすみ ユカ」と一功はいった。 飛んだ感が当たった一功と、自分が蹴った缶だったと知るすべもない ユカであった。 「蹴った缶の行方」(c)1995 Kazuisa Suzuki
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