短編 #0388の修正
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月光 皐月満月夜風の詩に、あの娘の瞳は月下の雫、こぼした涙が海になり。月を浮 かべた波間に虚ろう夢が恋に恋する十九のあの娘に銀の指輪を贈ろう… 風は初夏の日、宵闇に長い黒髪微かに香り、寂しくも無いけれど、うつむいた あの娘の微笑みが黄昏の様な儚さで揺らす風の動揺に焦がれた夕焼が、月に追 われて堕ちて行き、蒼き闇の中で時の静寂を整えられたなら、二十歳のあの娘 に金の指輪を贈ろう… あの娘のやわらかい乳房は白い薔薇の香り、心に隠した刺が乳首を突き破り、 紅の血飛沫に染まる激しい恋心燃えて尽きて堕ちて行く。やるせないときめき が幕を静かに引き下ろす夜… 二十一の、あの娘はもう居ない… 此の手の中 に残ったプラチナの指輪はあの娘に誓った永遠の恋。 あの娘の涙で出来た、あの娘の血潮で出来た、海を切ない風が吹く。束の間の 泡沫… 月の光に輝いたプラチナの指輪が海に堕ちて深い永久の眠りについた。 聖 紫
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