短編 #0284の修正
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普通のひとにとって旅とは単なる気晴らし、楽しみ、いわゆるホ リディであろうが、私にとってはそうではなかった。それは人生そ のもの、いや人生以上の何かであった。一生を賭けて悔いないもの、 目標といったものであった。 それが精神病の発病とともに旅をすることが不可能になった。今 現在診断と薬をもらうために月一回病院に行っている。ということ は、私には一月の旅しかできないということなのだ。一月の旅では どうやってもホリディ以外なりようがない。人生以上の旅になるに は最低一年、できれば行ったきり五年も帰らないというようなもの でないと、そんな旅になるのは無理なのだ。こうして私にとって旅 が失われた。一生旅人でいようという私の目的は見失われることと なった。 これがこの十年私が唖然とすごした理由である。旅に替わるほど の目標が発見できないままこの十年を過ごしたわけなのだ。もちろ んいろいろやってはみた。小説を書くことだとかパソコンだとかオー トバイだとか。でもどうしても旅ほど熱中することができなかった。 おそらくこれからも発見することはできないだろう。 一生旅人のつもりでいたのに、いつのまにか狭い牢獄の住人になっ たいた。これが私の悲劇である。
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