短編 #0090の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「何ですって、隣の達也ちゃんに殴られた?」 息子の英男は、うえんうええん痛いようと、泣きながら家に戻ってきた。 「英男、男なら泣くな。そして隣人を愛せ! 隣人を許してやるのだ」 息子を良く見ると、頭の後ろにも傷が有り、毛が少し抜けていた。 「英男! 髪をつかまれたのか? 一体どんな喧嘩をしたのだ」 「怪獣ごっこをしていて、噛みつかれたのやあ。うわーん」 「今度、達也ちゃんに会ったら笑って許してやりなさい」 次の日、また息子の英男は泣きながら家に戻ってきた。 「どうしたんや、英男。ボタンは取れているし、服の袖が破れてる」 「プロレスごっこをしたら、達也ちゃんが……、うえーん」 「そうか、プロレスごっこで苛められたのか? 許してやりなさい」 次の日、今度は放心状態で英男は戻ってきた。 「ぼけっとしてないで、勉強でもしなさい」 「手、手が……、うえーん」 私はびっくりした。息子の右腕がぶらぶらと垂れ下がっていた。 「お前、英男っ! 骨折したのか! あああああっ! すぐに病院だ」 私は息子の英男を自家用車に乗せて、病院に直行した。 「先生、大丈夫でしょうか?」 「脱臼ですね。骨を元に戻しましたから、もう大丈夫です」 次の日、達也ちゃんは英男を見舞いに来た。英男が出てくると、ごめんと言っ て頭をチョコンと下げた。英男は嬉しく成ってしまったのでしょうか、達也ちゃ んを部屋に入れて遊び始めた。 暫くして、息子の英男の泣き声が聞こえてきた。私は、またかと思い英男の部 屋に入って行った。 英男と達也ちゃんはファミコン・ゲームのストリトファイタとかマリオ・カー トをしていて、達也ちゃんが興奮しすぎて操作盤を壊して仕舞ったらしい。 子供のしたことですから怒るわけにもいかず「また新しいのを買ってあげるか ら静かにしなさい。英男! 許してあげなさい」と、声をかけて部屋を出た。 暫くして英男の笑い声が聞こえてきた。久しぶりの英男の笑い声に嬉しくなり、 そっと息子の様子を見に部屋の入口の所に行った。 英男の部屋は10畳程の洋室でここにベッドと机や椅子などが有る。達也ちゃ んは中に置かれているもの全部を隅に片付けたのでしょう。広々とした部屋でア クロバットような踊りをCDレコードに合わせてしていた。私は目を見開き、彼 が身体をくねらせたり空中回転したりして腕を器用に動かして踊るのを、呆然と 眺めていた。タイでボクシングの前に行う踊りと似ているような気もした。いや 違うかな。ジャスダンスとかエアロビックダンスのようなものかも知れない。 一時間ほどして、達也ちゃんは帰って行った。部屋が元の状態に成っているか 心配になり、息子の部屋に行ってみた。予想どおり、部屋は乱雑だった。 私は机に椅子それにベッドを元の位置に戻した。息子の英男に、もう大丈夫だ と、言おうとした時、壁に穴が開いているのが見えてきた。それも一箇所だけで は無い。一つ二つ三つ……、探してみると大小5箇所も穴が空いていた。私は、 びっくりして仕舞い、息子に顔面神経痛のような引き吊った顔を向けて暫く見つ めていた。息子はシクシクと泣き始めた。 「英男! 許してやりなさい。隣人を許して愛してあげなさい」 私は頭痛のため居間に戻って、戸棚のウイスキを一口飲んだ。 ******** 完 ********
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