短編 #0086の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
二、三歩先を歩っていただけだった、それが不幸だった、それが不運だった。 ただ抱きすくめられた、鼓動は同じだった、別れの時間だった。 私の歩く時間はあなたより先、あなたの望む時間に私はもういられない。そん なすれ違いは最初からわかっていた、はじめから無理な組み合わせだった、だか ら全てを止めようとした、鼓動だけが止まらなかった、止める術を知らなかった、 消費するだけの関係は、けれど行く先がないと、それだけ何よりもはっきりして いた。 「出直してらっしゃい」それは優しさの積もり、「あなたには余裕がないわ」そ れを見せられると私にだって余裕がなくなる、「今は辛くても人生なんて長いん だから」今一番あなたが欲しいのは私も同じ、「だからさようなら」そう言わな くてはならない、もう、決めてしまった事。 唇の温もりはその時の絶対に思えるけれどやがて色あせてゆく、そして、どん な快感も満足も、やがては終わる時の中。先に気付いて先に覚めたらそれで、お しまい。 恨んで頂戴。憎んで頂戴。やがて忘れて頂戴。そしてそれで、何も壊さずにす むのなら、そう、私の為に。 引き換えにするものが少ない内に、流す涙の量が少ない内に、呑み込む繰り言 と酒の量が少ない内に。少しづつ、別れが上手になるまで。やがて、恋をしなく なるまで。 後悔なんかしない。一度も名を呼べなかったのが少し、悲しいけれど。 了 1993.06.16.26:00
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