短編 #0078の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
<嵐の夜、電灯代わりのZIPPOが、君と僕の間で揺らめいている> 君は何をした。よくもオメオメと生きていられるものだ。君は敗北した。君は降 伏したばかりか、敵の走狗に成り下がった。 <君の瞳が、怒りをたぎらせ僕を見つめ返している> 君は高校の頃、闘いはじめた。青臭いと嗤われたね。独善と謗られただろう。非 常識と罵られたこともあった。その度に君は、常識より良心を採ると突っ張った。 幼いとは思いつつ、僕は、君を認めていた。僕は、少なくとも僕は、心の中で君を 弁護していたんだ。 <僕は、激情を静めるため一瞬、君から目を外らす> 君は奇人、に思えた。奇とは、人ではなく天に肖ること。君は天、則ち一個の良 心にのみ従おうとしていた、ように見えた。「坊っちゃん」の舞台になった僕たち の高校の図書館には、夏目漱石ゆかりの額が掛かっていたね。「則天去私」。君は よく其の額を見つめていた。何十分でも、何時間でも。あの時、君は何を考えてい たんだい。思い出せないだろう。憶えている筈がない。残っていたとしても、せい ぜい記号の無秩序な羅列だろう。君は変わってしまったのだから。憶えている筈が ない。結局、君は奇人ではなかった。奇を衒ってただけさ。……釈明なんて、聞き たくないね。 <僕は、いつの間にか拳を握り締めていた> どうしたんだ。、いつもの傲岸の仮面は。失くしちまったのかい。それとも怖い のか。……安心しろよ。君を殺したりはしないさ。殺したいのはヤマヤマだけど、 そんなことをしたら、僕も死ななきゃならなくなる。馬鹿馬鹿しい。あまりにも下 らない。その代わり、僕は生きている限り、君を蔑んでやる。蔑んでやる。僕は君 だけは許せない。君は僕を裏切った。君だけを信じていたのに。……だから、君を 蔑んでやる。僕は君だけは許せない。すべての邪悪なる魂を許したとしても、僕は、 君だけは、許さない。 静まり返った夜の街に、鏡を砕く音がする。何処からか、今日も。 (了) *挿し絵はアートスペースの71−75(久作名義になってます)。
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「短編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE