短編 #0075の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
撲がここにいることを、君は知らない。 ただ、雨がしとしとと降り頻る街の片隅で、傘もささずに立ち尽くす撲を横目に、 忙しそうな人達が足早に過ぎて行く。 出したくて出せなかった手紙を、宛先も書かないままポストへ投函したあの日、撲 の中で、なにかが壊れた。 愛情なんて分からないけど、分かりたくないけれど、撲は君のことを愛していたよ うだ。 出会いなんて無い方がいい。変化なんて望まない。 だけど、気持ちは高ぶり、ゆっくりと血液が体中を駆け巡る。 会いたくて、会いたくて、それだけが頭の中を渦巻く。 いつまでも続くリフレイン。何が撲を変えてしまったのだろうか。 唇を強く噛み締める。口の中に広がる鉄の味が撲の生きているという唯一の証拠。 そして、口から滴り落ちる血。痛み──。すべては幻なんだろうか。 いつしか君は撲の目の前に現われ、撲を優しく慈しむ。 微かに揺れる視界の中で、君の微笑みだけが撲を救ってくれる。 闇に沈んで行く意識のなかで、ここには居ない君に笑いかけることができたのか、 それだけが消えて行く心の中にいつまでも残っていた。 Fin
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