短編 #0061の修正
★タイトルと名前
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揺れる舟、橙色の光を放つ常夜灯、漂う潮の香。 海はコンクリートの岸壁を叩き、タプタプと音を立てている。 今夜の港は、妙に悲しい。 青くムクんだ死体が波に弄ばれながら、岸に近付いてきた。お決まり通りに 服は着けていない。何週間も漂ううち、波に脱がされてしまったのだろう。男、 のようだ。 別に驚くほどのことではない。この岸壁の下には夜の闇に紛れて飛び込んだ 車が何台も沈んでいる。たいていは心中。尤も殺人だとしても、水死じゃ証拠 は残りにくい。「完全犯罪」を目論むなら、こいつに限る。まぁどっちにしろ、 俺には関係ない。 「心中かい? 相方は どうしたんだ」俺は男に呼びかける。 「…………」 「車の中に置いてきたのか 薄情な奴だ 女は浮かばれまいよ」 「…………」ガクッと男の口が、いや顎が開いた。肉が耳まで裂けていやがる。 白い歯並びが笑っているようだ。頬の辺りもピクピクしている。どうやらタチ ウオや小魚に潜り込まれているらしい。 「死人に口無しか…… おい 何とか言えよな」 どこからともなく、深く響く声が降ってきた。 「……ボク ドラゥヱモン」男は頭にプロペラを着けると、ザバザバと水を滴 らせながら、北極星へと飛んでいった。 フッ、疲れていやがる。飛んでいく男から慌てて目をそらせ、再び海を見下 ろす。すると、そこには白ムクんだ顔の、膨れ上がった全身を、赤く染めた女 が……。 「よく・ある・話」−突堤もしくはドルゥアミとの夜−了
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