長編 #4047の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
グランノアール上に、急造で設置された宇宙船係留ドックから、13隻のベヒ ーモスクラスの戦艦が発進する。ベヒーモスクラスは、計算によって導き出され た龍の落下地点へと向かう。 広大な荒野を13の漆黒の塔が、移動していく。その姿は、古代の遺跡が空中 を浮遊するようである。 やがて、落下地点に到着した13のベヒーモスクラスは、アンカーを荒れ果て た大地に打ち込み位置を固定した。その地点で、移動式の砲台として龍を迎えつ つもりである。 大地にそびえ立つ塔の背後の空を血の色に染め、太陽が沈んでいく。闇色の巨 体から、地対空ミサイルの発射口が姿を現す。 天空から飛来する龍を、ミサイルで迎撃する。熱核融合によって生じるエネル ギーが、どれほど龍に通用するかは判らない。しかし、その戦艦から発射される ミサイルのエネルギーであれば、一つの大陸をまるごと消失させる事が理論的に は可能である。 そして塔は爆炎につつまれ、100を超えるミサイルが光の矢と化して、天空 を目指す。太陽はゆっくりと大地の奥に沈み、残照で濃紺に染まった空をオレン ジ色の光の線が、貫いた。 龍は大気を裂き、地上へと降下していく。その金色に輝く体は、瞬く間に高熱 に包まれた。やがて、黄金の羽や長く延びた尾は摩擦熱により紅く光り出す。そ れは天空に出現した小さな太陽のように、輝きを増してゆく。 龍は灼熱の炎に包まれた。流星と化した龍はさらに速度を増し、大地へと向か う。その龍を出迎えたのは、無数の光点となった核ミサイルである。 一瞬、空は膨張する光と破裂するエネルギーによって、真っ白に輝いた。やが て、破壊神が降臨したように、衝撃波と暴風が天空を荒れ狂わす。 輝いた空はすぐに消え去り、黒い爆風が暴虐の神のように、空を支配する。大 地は震え、13の漆黒の塔は破滅の日に打ち立てられた神々の墓標のように荒れ 狂う大地に聳え立つ。 グランノアールは、地獄と化した。上空で炸裂したエネルギーは大地をも破壊 し、巨大な嵐のように吠え狂う。 渦巻く爆風は、終末の獣のように空を駆けめぐる。天使達と死闘を繰り広げた 悪魔たちが大地へ戻るように、灼熱の礫弾が地上へ降り注いだ。 その狂った神の怒りに触れた世界の中で、ただ13のベヒーモスたちだけは、 不動である。戦いに備える漆黒の巨獣たちは、その体をアンカーに固定したまま、 待機していた。 その漆黒の装甲から、無数のスペースキャノンの砲塔が突き出されている。そ の砲塔はただ一点に、向けられていた。 そして、荒れ狂う空より灼熱に燃え上がる龍が姿を現した。それは、世界に終 末をもたらす破滅の使者のように、地獄の炎を身に纏い、狂乱の速度で地上へ降 下していく。 最後の審判の時を告げる喇叭のように、ベヒーモスの砲台が轟音をあげる。龍 は、荒れ狂う破壊と高熱の洗礼を受けながら尚、速度を増す。 龍は雷神が地上に撃ち落とす鉄槌と化して、13の塔のまっただ中へ墜ちた。 その瞬間、大地が炸裂する。龍は通常の落下加速度に加え、自らの加速も行い、 大地へ激突した。大地は、13隻のベヒーモスを巻き添えにして崩壊する。龍の 落下地点で、地獄への入り口が開いた。 衝撃波と地獄の炎が、地上を席巻する。そして、龍は地下を目指す。さらに、 グランノアールの中心へ向かって、大地を抉り、さらに降下した。 ギガンティスにあるモニター上から、龍の姿が完全に消えた。少年の一人があ きれたように言う。 「ありゃ、自殺だぜ」 「いくら龍の表面が無限の硬度を持っていたとしても、中の奴は即死だね」 それを聞いていた、年長の少年が首を振る。 「いや、キャプテンドラゴンは、自殺するような男じゃない。だいたい、龍が表 面を次元断層の皮膜で覆われているという仮説自体が間違っているのだろう。や はり、奴は伝説にあるように、一つの閉鎖した宇宙であり、奴の中は別の次元界 と思ったほうがいい」 「馬鹿な」 「しかし、ブラックソルはそれよりも馬鹿げた存在にダイブをしかけてるんだぜ」 「しかし、」 モニターを監視していた少年が、声をあげる。 「おい、地中を振動体が移動している。もうすぐこの真下へ来る」 「まさか?」 「ああ」 少年たちは、あきれたように顔を見合わせる。 「多分、龍だ」 ギガンティスの司令室に衝撃が走り、一瞬すべての警報が鳴り響く。やがてそ れも停止し、照明も死んだ。龍は、巨大な宇宙戦艦の内部へ喰らい込んでいる。 ギガンティスは、一撃でその心臓を、貫かれた。 荒れ果てた大地に君臨する巨大な電子要塞は、壮大な鉄の棺と化している。龍 は、その内部を存分に食い荒らし終えると、身を翻して地下へと向かう。 さらなる深みへと。 メイは、狂気の炎に抱かれている気がした。漆黒の巨人はメイから見ると、狂 った情報体にしか思えない。その中では、伝達する情報の時系列や、構成される 論理系の因果律がずたずたに破壊されていた。 事象は原因を作りだし、情報は天空に雷が煌めくように、無から生成される。 漆黒の巨人の中で無限に展開していく情報は、言語のカレイドスコープを思わせ た。メイの意識は、混濁したデータの渦にのみ込まれる。しかし、その全てをブ ラックソルは明晰な意識により、メタレベルで把握しているのだろうと感じた。 銀河そのものにみえる、銀色に輝き渦巻く大樹に磔にされた漆黒の巨人の金色 に輝く瞳の下に、紅い裂け目が出現する。それは、巨人の口であった。深紅の裂 け目は大きく広がり、漆黒の牙が覗く。 黒い巨人は、剥き出した牙を、銀色の巨人の首筋へと突き立てた。銀色の巨人 は、微かに身震いしたように見える。 メイは思念で、絶叫を上げた。 (何かが、私の中へ入ってくる。理解できない混沌としたものが、私の中へと入 ってくる。混乱した思考。激しく展開する情念。全ては既に起こっている事であ りながら、可変の事象。 存在の超越的な高みは、イデア的な還元の彼方で破綻する。これは意味の生成 の限界を超越に解消する事であり、思考の外部である。神秘性は偏在しながら、 その内実を開示し、私の中へ入って来る。 私の中へ、何かが入ってくる。 私の中へ、何かが入ってくる。 私の中へ、何かが入ってくる。 私の中へ、何かが入ってくる。 私の中へ、何かが入ってくる。私の中へ、吹き背に出現した。何かが入ってく る。夜明三日月け、私の中へ、太陽を夜のように薄ら何かが、い覆う暗雲のよう 入ってくるに、黒い翼が。私の中へ巨な蛇渡り、生きも、何かが入ってくるを排 霧化ていが、太古の神は私の中へ、女す稲光のように性であった。白銀の使でそ の様を眺めている。時折、次元のか人は、輝くの背後に広が力に守らろ間みえた。 それは巨大なたの邪神の死体だった。雪で体を構成する闇が、夜明けの物の死骸 な供物が置かれて酒にったもの明な剣の中で閉じの瞳黄金に輝放され、光を受け たでゆく。 ブラックソルの思念が、雷鳴のように轟いた。 (おれたちは、死に触れた。おれたちは、死を超える。今やおれたちの中で、死 と生の対立は止揚され、消滅した!) メイの絶叫が続く。 (既に私は、死んでいる。私という存在は超越的に還元され、シンクロニシティ の中へと解消された。無意識は洪水のように溢れ出、自我と非自我の区別はもは や無く、超越性のみが燦然と輝く。私は何?アプリオリな自他の区別は既に、陳 腐化している。私は何? 私は死んだ。 私は死んだ。 私は死んだ。 私は死んだ。 私は死んだ。私は、空は麻薬が死んだ。私は、夜明けの死んだ。私は、風い路 渡り死んだ。私は、二十死んだ。私は、地を進む。起が白景を死んだ。描黒衣の 私は、下から死んだ。いた私は、消滅の死んだ。てい私は、死んだ、右の壁蒼ざ め、私は、物体したよう時の大い暮を照らすゆく。死というも、動のな闇、半透 明の光が、びて煌めくように反した。それは竜の翼が、魔導れている。の壁には、 金色に輝く朝日の昇る、剣でる。たちが行き交た。その瞳が、静ているかに自分 を見おる。そこは、次はを氷つかせる。 これ以上のを死滅しつくす快感を得るし、叫んだ。 (私は、何?!) 地底に広がる、銀色の渦。その広大な大地の底の宇宙ともいうべき世界へ、黄 金の龍は凶悪な姿を現した。 銀色の大樹は黒い巨人の目覚めと共に、その輝きを増し、律動する。それはま さに、生物の姿であった。 一つの山脈といってもいい程巨大な大樹の外縁を、双頭の龍はゆっくりと旋回 し、下降する。やがて漆黒の巨人が、ユグドラシルに絡みついている姿が見える ところまで降りてくると、空中で停止した。 龍の口が開き、ビリーが姿を現す。体には、外骨格マニュピレータタイプのパ ワードスーツを、装着している。外骨格マニュピレータの背中にある姿勢制御ロ ケットが噴射し、ビリーの体が中に浮く。 ビリーは、漆黒の巨人の前にあるプラットホーム、メイとブラックソルがユグ ドラシルへのダイブを行っている場所へと、向かった。その姿は、銀色に輝く銀 河の中で、宇宙空間を漂うように見える。 ビリーを迎撃する形で、プラットホームの下部ブロックより、3機のミリタリ ーモジュールが出現した。その3機の卵形をした戦闘機械は、50ミリ速射砲の 照準をビリーへ合わせる。 砲弾がビリーを襲った。ビリーは外骨格マニュピレータを巧みに操り、被弾を 避ける。そして、背中に取り付けていた砲身をはずして抱え、構えた。 ビリーの手中にあるのは、DDC(デジタル・デストロイ・キャノン)である。 ビリーは、全ての情報系を混乱と死に陥れるその兵器を使用した。 3機のミリタリーモジュールは、コントロールを失い落下する。 漆黒の巨人は、狂気の咆吼を上げた。 銀色の大樹は、一瞬輝きを失い、やがて乱舞する光の渦に包み込まれた。 世界は、傷つき、一瞬色彩を失う。 (!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!) メイを襲った衝撃は、物理的なまでに激しい思念であった。それは、怒りとも 哀しみともつかぬものである。メイはヘッドセットをもぎ取ると、ブースから飛 び起きた。とっくにユグドラシル及び、インターフェーサとしての銀色の巨人と のリンクは、外れている。 メイは、眩暈を感じつつも、立ち上がった。霞む視界の中に、一人の男の姿を 認める。次第に視界が、はっきりしてきた。 その男は、金髪の二枚目俳優のような優男である。大きなハンドガンを、構え ていた。その銃の照準が、自分の背後に向けられていると気付いた瞬間、メイは 腕を取られる。 ガイ・ブラックソルであった。メイの腕をとったガイは、メイの頭に銃をつき つける。ブラックソルが叫ぶ。 「動くな、この女を殺すぞ」 ビリーは、午睡から目ざめたばかりのように、気怠げな笑みを見せて言った。 「馬鹿か、おまえ。メイ・ローランがいないと、困るのはおまえだろ」 ブラックソルは、凶暴な笑みを見せる。 「もう、ユグドラシルの操作は理解した。次は、一人でダイブできるよ」 ビリーは甘える恋人に応えるような笑みを見せ、肩を竦める。
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