長編 #3594の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
リウスと名付けられる。暗黒王ガルンを葬ったエリウスV世も同様だ」 ブラックソウルは、詠うように言った。 「では、貴様は王家の血筋か」クラウスは夢見る者のように、美しい金色の瞳でブラッ クソウルを見つめ、問いかける。 「さあな、おれは、おれの父親を知らない」 ブラックソウルは、黒い宝石のように瞳を煌めかせ、言った。 「どうするんだ、古き者、旧時代の支配者。もう一度昔の夢に帰ったらどうだい」 音 も無く、空気の動きも無かったが、ブラックソウルはクラウスを中心に風が動いたのを 、感じた。災いと死を乗せた、凶々しい黒い風である。 世界は色を失い、地上の死を宣告するように、景色が醜く歪む。クラウスは真の魔導 の力を解放しつつあった。 「私は、目覚めてしまった」 その、地上のものに属しているとは思えない、人間には到底及ぶこともできない、完 璧な美貌を微かに曇らせ、憂鬱げにクラウスは言った。 「目覚めてしまった以上は、地上に幾万もの人間の死体の山を築いた後でなければ、眠 るつもりは無い」 あたかも呪われた死霊達が、目覚めの喇叭を吹き鳴らし、天空を飛び回っているよう であった。邪悪な気配が辺りを支配し、瘴気は暴風と化し、礼拝堂を満たす。 ブラックソウルは、夏の嵐を楽しむ子供のように、大きく笑った。 「地獄の封印を開くか、魔族の支配者。それも重畳、やってみるがいい」 すべてが死滅し、静寂の世界となった地上に、最初に昇る太陽のような金色の瞳で、 クラウスはブラックソウルを見る。 「さらばだ、奇妙な人間よ。次に眠りに就く前に、お前のことは思いだそう」 ごっ、と黒い球体がブラックソウルを包む。ブラックソウルの言葉どうり、それは地 底の果ての、暗黒界への入り口であった。ブラックソウルの精神波動は、黄泉の闇と同 調し、肉体ごと地獄へ飛ばされつつある。 「クリス!」 ブラックソウルが、叫んだ。 「クリス、思い出せ、おまえはここへ来る前から、死者であったのを」 すでに影だけの存在となったブラックソウルは、狂おしげに叫ぶ。 「偽りの姿は消え失せろ、真実を、夜明けに輝く太陽のごとく、我が前に示せ、魔族の 真の支配者よ」 クリスの死体が、幾度か痙攣する。そして、死者がゆっくり、ぎこちなく立ち上がっ た。冥界の王の目を盗み、戻ってきたかのように、数歩歩む。 かつてブラックソウルであった黒い影は、絶叫した。 「汝の真の名をここに告げる、魔族の正当なる支配者である女王、ヴェリンダ・ヴェッ ク!」 叫び終わると共に、クリスの死体は、黄金色の炎に包まれた。邪悪なものを死滅させ るかのような、神聖な金色の炎が燃え盛る。そしてその中から、黒い人影が歩でた。 その人は、漆黒の女神の像を思わす、魔族の女である。大地の豊饒を暗示するような 豊かな乳房、波を分け海原を走る黒い船のような肢体、漆黒の闇夜を駆逐する真夏の太 陽のように金色に輝く髪、そして古よりあらゆる邪悪、あらゆる残忍な戦いを見つめて きた金色の瞳。 そのすべてが、廃虚に昇る満月のように、クラウスの前へ姿を現した。 「化身の術で魔族が人間になりすましていたか、それにしても、そなたは?」 その魔族の女の、漆黒の美貌を見つめたクラウスの顔が、驚愕に歪んだ。 「いや、あなたは我が王セルジュ・ヴェックの王女、ヴェリンダ様、なぜ家畜と共に我 が宮殿へ?いやそれよりも…」 ヴェリンダは、人間の王族すら家畜と呼ぶものにふさわしい気高い笑みを見せ、影と して消え去ろうとしているブラックソウルに触れた。闇が野獣に怯る小動物のように遁 走し、不遜な笑みを浮かべるブラックソウルが姿を現す。 ヴェリンダは官能的といってもいいような、艶かしい笑みを見せ、ブラックソウル
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