長編 #3573の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
らせているらしい。 うんざりするほど、長い階段を下りきった所に、その魔像があった。壁にレリーフで 描かれており、獣頭人身で翼を持ったその姿は、邪神ゴラースのようだ。 「これが、入り口だ」 ゲールは緊張で、掠れた声で言った。そのゴラースの頭部に手を触れ、押す。奥深い 所で何かが響き、ゆっくりと扉が開いた。 「こいつは、…」 ケインは感心して呟く。そこは、大きな礼拝堂のようだ。巨大な柱が並び、見た事も ない、奇形の神々の像が並んでいる。どこからか、微かな照明が入っており、薄い光が あたりを照らしていた。 すべては、黒い大理石のような素材で造られており、あたかも闇が実体をもったよう な建造物である。ジーク達は、ゆっくり歩き始めた。天井はとても高く、ドーム状にな っている。松明を消すと、ジーク達は、正面の扉へ向かった。 「何者だ」 突然、柱の影から白い僧衣をつけた者が二人、姿を現す。ゲールが呻く。 「魔族が、やはり…」 その二人は、紛れもなく魔族であった。その言葉には、どこか古風な訛がある。輝く ばかりの金髪の下の顔からすると、女性のようであった。漆黒の肌の、その魔族の女た ちは、地上のどのような貴族の子女も及ばないような、気高い美貌の持ち主である。 その美しい金色の瞳は、蔑みをあらわにゲール達へ向けられていた。十メートルほど の距離を置いて、立ち止まる。 「家畜か」 「こんな所へ迷い込むとな」 二人は、錫杖を手にしている。それを構えた。ゲールの配下の剣士達が、片刃の剣を 抜く。 ケインは、奇妙な波動を感じた。それは、魔族の女達から発せられる精神波らしい。 まるで、精神の奥底の暗闇を、のぞき込まれるようだ。 しだいに、ケインの不安が増大していく。それは、魔族の発する瘴気のような、精神 波によるものらしい。胃の底に鈍痛が産まれ、全身に疲労感が広まってゆく。あたかも 、空気そのものが液体のような重みを持ち、体を覆っているようだ。 隣のジークも同じらしく、体を動かし調子をつかもうとしている。剣を抜いた二人は 、さらに大きなプレッシャーを感じているらしく、剣の切っ先が震えていた。地下通路 で闇の者達を相手にした時には、無かったことだ。 魔族の女達は、大輪の黒薔薇のごとき美貌に笑みを浮かべ、侮蔑をはらんだ声で言っ た。 「おいで、哀れな生け贄たち」 「久しぶりに、生きのいい生命を味あわせておくれ」 魔族の放つ精神波が極限に高まり、どす黒い恐怖が、嵐の夜の暗雲のように、ケイン の心を覆った。ジークが呻くのが聞こえる。 二人の剣士は、悲鳴のような雄叫びを迸らせ、切りかかっていった。魔族の女達は、 舞うように動き、手にした錫杖で剣をあっさりへし折る。 剣士達は、抵抗する術もなく、魔族の女に捕らえられた。二人とも膝まづき、その喉 もとに手を掛けられる。 ぞっとするような違和感に、ケインの体は総毛立った。まるで自分の目の前が、異質 の空間となってしまったかのようだ。 魔族の女達は、その歪んだガラスの中のような、異様な空間の中で、二人の剣士を抱 いている。二人の男の肌が急速に、死人の肌の色へ変わっていくのが判った。 剣士たちが床へ投げ出された時には、その肌は完全に土気色となっていた。その顔は ミイラのように、窶れている。 魔族の女達は、毒をはらんだ黒い花のように、艶やかに笑った。その笑みは、死んだ 剣士達の生命を吸い取った為か、生き生きと美しく輝いている。 女達が近づく。ケインは脳裏に水晶の輝きを思い浮かべ、精神の統一をはかる。恐怖 を追いやり、手足に力を取り戻さねばな
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