長編 #3571の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
が蠢いています。クラウス殿に、鎮めていただかねば」 エリスはどこか、狡猾そうな笑みを浮かべている。エリスは、フレヤに視線を投げか けた。 「ところで、フレヤ殿は封印をクラウス様に解いていただくために、ここへ来られたの ですか?」 フレヤは怪訝な顔をする。 「どういう意味だ?」 エリスの替わりに、ロキが応えた。 「三千年前、お前の記憶を封印し、永久氷土のなかにお前を埋めたのがクラウス殿だ」 フレヤは不思議なものを見るように、ロキを見た。 「数年前、隕石がライゴールに墜ち、氷土が溶けた。そしてお前が目覚めた訳だが、ク ラウスの封印は解けていない」 「なぜ封印なぞ?」 「お前が望んだことだ、フレヤ。お前がそう決め、クラウス殿に頼んだ」 ロキはフレヤを見つめる。 「どうする、フレヤ。クラウスに頼み、封印を解くか?」 フレヤはもの思いに耽る顔になった。群青の夜空を描いたタペストリの前で、純白の マントに身を包んだフレヤは、サファイアのような瞳を宙にさまよわす。 「判らない。どうすべきか、私には判らない」 「私が十四歳の時のことだ」 ジゼルが言った。そこは、ジゼルの城のテラスである。眼下には、ゴーラの街を見お ろすことができた。 黒衣の男装姿のジゼルの前には、煤色のマントを身に付け、微かな笑みを瞳に浮かべ た、ブラックソウルが腰掛けている。そして、その背後に、ひっそりと影が佇むように 、ドルーズとクリスが立っていた。 「私の父を裏切って殺した叔父、テリウスを殺したのは。私は、復讐を遂げた時、叔父 の返り血を全身に浴びながら、思ったものだよ。今後、自分の人生の中で、これ以上の 快感を得ることは、あるまいと」 ブラックソウルは喉の奥で、静かに笑い言った。 「復讐は、かくも甘やかなるものか」 ジゼルは、我が意を得たというように頷き、微笑む。 「仇の心臓を、我が剣で刺し貫いた時、私の頭の中で銀色に輝く炎が燃え上がった。私 の視界は白く霞み、手足は血を失い、頭の中がとても熱かった。心臓は、荒野を駆ける 狼のように速く打ち、世界が我が足もとにひれ伏したように感じたものだよ」 ブラックソウルの目の奥には、確かな理解がある。ジゼルはそれを感じたのか、穏や かな笑みをみせた。 「以来、何度も戦ったが、戦闘を行っている僅かな間だけ、あの時の快感を思い出すこ とが、できる。私は、その追憶の中にだけ生きる女だ」 ブラックソウルは何も言わなかったが、その表情は黙っているだけで、自分の心の中 の思いを打ち明けずにはいられなくなるような、そんな笑みが浮かべられていた。 「北方の蛮族の伝説の天上世界ヴァルハラでは、戦闘が永遠に続くという。たとえその 肉体を引き裂かれ、細切れにされようとも、夜明けと共に新しい肉体とともに甦り、戦 闘を続けられるという。私が欲しいのは、それだよ。ブラックソウル殿」 ブラックソウルは楽しげに、言った。 「ヴァルハラを地上に実現する為に、邪神ゴラースを目覚めさせると言われるのか」 ジゼルは哄笑した。その笑いは、猛々しく、瞳は凶暴な光に満ちている。 「どうする。オーラの間者殿。本国へ報告するか」 緊張した空気が流れる。ブラックソウルの答によっては、この場で血が流されるはず であった。しかし、ブラックソウルは楽しげな表情で、言った。 「この件に、私は全責任を負わされている。オーラに報告する必要などありません。好 きになされるがいい。しかし、ゴラースを目覚めさせれるとは、思いませんな」 ジゼルは苛立たしげに、ブラックソウルを、そしてドルーズを見た。ドルーズの美
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