長編 #3570の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
その姿はダークエルフ(ドロウ族)と大差はない。ただその長身の体は、ドロウ族の痩 せた体と対照的に逞しく、真夜中に昇った太陽のごとく輝く黄金色の瞳は、ドロウ族に はない強烈な生命力を感じさせる。 何よりその身に纏ついた邪悪さは、ドロウ族とは比較にならなかった。美しく微笑ん だ口元には、残忍さを漂わせ、涼しげな目の奥には、殺戮への欲望が潜んでいる。 人間であれば恐怖で身が竦んだであろうが、ロキは平然と近づく。魔族の男に声をか けた。 「ヴァーハイムのロキだ。祭司長クラウス殿に会いに来た」 「おお、そなたが王国の守護者にして、黄金の林檎の番人と呼ばれるロキ殿か。私はエ リス、クラウス様は今、眠りに就いて居られる。私が、その間の代理人としてこの宮殿 を預かっている。ところで、後ろにおられるのは、まさか…」 フレヤは闇を貫くように青く輝く瞳で、魔族の男エリスを見つめた。 「私はフレヤ。ロキと共に、黄金の林檎の探索を行うこととなった者だ」 「これはフレヤ殿、お久しゅうございます」 フレヤは怪訝そうにエリスを見る。ロキが説明した。 「フレヤは目覚めたものの、記憶の封印が解けていない」 「そうですか。閉ざされた記憶が、甦ったわけでは無かったのですね」 エリスは手を広げ、言った。 「とにかく、中へお入り下さい。そこで用件をお聞きしましょう」 エリスはそういうと、通路の奥へ向かって歩みだす。ロキとフレヤが後に続いた。 宮殿の内部はビロードのように滑らかな黒い布で壁が覆われており、血のように紅い カーペットが床に敷き詰められている。所々に淡い光を放つ照明が、付けられていた。 曲がりくねった回廊を抜け、エリスは部屋にフレヤ達を招き入れる。その部屋は漆黒 の材木で造られた、テーブルとソファが置かれていた。 壁にハタペストリが掛けられている。左の壁には、金色に輝く朝日の昇る夜明けの風 景を描いたタペストリが、右の壁には真紅の残照が空を焦がし大地が紅くそまる夕暮れ の風景を描いたタペストリが。 そして正面の壁には暗い紺碧の大空に、宝石のような星々が煌めく夜の風景が描かれ ている。大地には漆黒の炎のようなナイトフレイム宮殿が、描かれていた。 エリスは、ソファに腰を降ろす。暗い紺碧の夜空のタペストリの前で、黄金色に瞳を 輝かせながら、エリスは言った。 「さて、我が主、クラウス様に用とは何でしょうか」 エリスの前に腰を降ろした、ロキが質問する。フレヤは立ったままだ。 「かつて、暗黒王ガルンが、アルクスル大王国との約定を破り中原を制覇した時、この 宮殿にも訪れたはずだが」 「ええ、ほんの四百年ほど前のことですか。よく憶えていますとも」 「その時、黄金の林檎を携えていたと聞いている」 「その通りです。ガルン殿がクラウス様に会いにこられた時、宮殿じゅうが金色の光に つつまれたように思いましたよ。それは、目映いばかりに強力なエネルギーでした」 「ガルンは、黄金の林檎をそのまま持ち帰ったのだな、その時」 「ええ」 「その後、エリウスV世と魔導師ラフレールがガルンを倒した後、ガルンの持っていた はずの黄金の林檎はなぜか失われた。伝え聞くところでは、ラフレールがここに持ち込 み、クラウス殿に預けたことになっている」 エリスは首を傾げた。 「ラフレールは確かにここへ来ました。しかし、黄金の林檎を持っていたとは」「判ら ないか」 「クラウス様に聞くしか無いでしょう」 「クラウス殿は、いつ目覚める?」 「もうすぐ。最近、地上からの干渉が多くて、この地の底に潜んでいる神、ゴラース
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