長編 #3567の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
手をといった具合に。そして、その擬態を行った器官を、黒砂の殻で覆う。ジークの左 手のように。 黒砂掌は、黒砂蟲の擬態を利用したわけである。あえて自らの血肉を黒砂蟲に食わせ 、その腕を黒砂で固めるのだ。 黒砂掌がガントレットを腕につけるのと違うのは、血肉を鉄に置き換えるのと同じこ とである為、余計な重さが腕に加わらないということである。また、腕の組成そのもの を替えてしまうので、どんなに強力な打撃を行っても、拳を骨折することはありえない 。 「自分の血肉を虫に喰わせる時、どんな気分だと思う?その痛痒感といったら気が狂い そうになるぜ。痛みと痒さで夜も眠れねぇ。そいつが、一か月以上続く」 実際、黒砂掌を学ぶ途中で多くのものが、発狂し挫折する。 「恐ろしいものだな、ラハンの技とは」 ジークとケインは苦笑した。黒砂掌はラハン流の防御の技である。ラハンの奥技は右 手にあった。左手は右手を生かすための、補助である。 「そんなことよりだ、ゲールさん」 ケインが言った。 「あんたナイトフレイム宮殿という廃虚に侵入する為に、腕のたつ人間を探していたら しいが、なぜ廃虚なんかに侵入するのに腕のたつ人間がいるんだ」 「ナイトフレイム宮殿は、厳密にいうと廃虚ではない。あそこは、魔族達に守られてい るという噂だ」 「魔族だと?」 ケインが眉間に、しわをよせる。 「まさか。こんな北方の僻地に魔族なぞ」 「おれたち、魔族と戦うわけ?すげぇじゃん」 半信半疑のケインに対して、ジークは楽しげに笑った。 「私も信じている訳ではない。しかし、相当に手ごわい連中が棲んでいるようだ何しろ 、相当経験を積んだ戦士の冒険家ですら、生きて還ってはこなかった。あんた達なら相 手が、魔族であってもな」 「お宝は山分けでいこうぜ、ゲールさんよ」 ジークは相手が魔族であっても、本当に問題にしていないようだ。ゲールは陽気に笑 ってみせた。 「いいだろう。我々で見つかった財宝を、それぞれ三分の一づつ分けるということで、 手を打とう。前祝いだ。好きなだけ飲み喰いしてくれ。出発は明日の朝だ」 ゲールが言い終わる前に、ジークはテーブルの上の食物に、食いついていた。(本当 に相手が魔族なら)ケインは魔族に関する、乏しい知識で考えた。(おれの命も、明日 までということだな)ようするに、考えてもむだということだ。ケインは憂鬱げにため 息をつく。ジークが、ニコニコしながら言った。 「これ旨いぜ、ケイン。喰ってみろよ」 ケインはもう一度、ため息をついた。 ジゼルの城の背後の山は、ノースブレイド山と呼ばれている。その山の西側の複雑に 入り組んだ渓谷の一つを、ロキとフレヤは登っていた。 渓谷を登りきった所に、平地が広がっていた。ロキはそこで、足を止める。そこには 、天に向かって枝葉を伸ばす針葉樹の間に、巨大な石の柱が、聳えていた。 フレヤも ロキの後ろに、足を止めた。蔦が絡まる石柱は、円環を作っている。地面の草も、石柱 の形作った円に沿って、色が変わっているようだ。 「何かの廃虚か?」 フレヤの問に、ロキは頷いた。 「昔、この山は魔族に支配されていた。人間は魔族に要求され、ここに生け贄を差し出 したのだよ。いうなれば、太古の神殿の後さ。そして、魔族の住処の入り口でもある」 フレヤは石柱の輪の中へ、入っていった。輪の中心は窪んでおり、岩地がむき出しに なっている。 「魔族が支配しているのは、大陸の南西部のアルケミアと聞いている。こんな北の地に 魔族の地があるとはな」 フレヤの言葉に、ロキは少し笑みをみせ
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