長編 #3562の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
で眠っていたもう一人の当直兵は、気を失わせ、縛り上げてある。 ロキは松明を翳し、胎内のように暗い通路を進んだ。漆黒のマントと、黒く幅広いつ ばの帽子を被ったその姿は、冥界へ魂を導く死神を思わせた。 やがて、広いドームへ出る。天井の高いドームは、この牢獄の終点らしい。そして、 その正面に岩の扉がある。その後ろに囚人がいるはずであった。 ロキは、扉の傍らにある、鋼鉄のレバーを押し下げる。どこか、奥深いところで、金 属がかみ合う音が響き、ゆっくりと扉が左右に広がっていった。 ロキの目の前に、他界への入り口のように、黒々とした牢獄の扉が口を開ける。ロキ は燃える松明を翳して、一歩踏み込んだ。 真紅に燃える炎の灯の前に、純白の姿のフレヤが照らし出される。鎧を外され、白い 胴衣のみの姿で鎖に括られたその姿は、捕らわれのワイルドスワン思わせた。その瞳は 、真冬の空のように、凍り付いた冷たい怒りを秘め、炎の前で輝いている。 「お前は、なんだ。人では無いな」 ロキを見たフレヤは、不思議そうに呟いた。ロキはそれには答えずに、言った。 「戒めを外そうか?それとも自分でやるか?」 フレヤは少し笑みを見せた。 「戒められている?私が?」 フレヤは、少し力を込めたように見えた。ミシッ、と音を発し鎖は引きちぎられる。 「縛られているように、見せかけただけだ。見張りを油断させる為にな」 フレヤは、手足を動かす。牢獄の中でも、その美貌に曇りはない。内に燃える怒りが 、異様な生気をその美しい瞳に与えている。 「それにしても、」フレヤは不思議そうに言った。「お前は何者だ。人では無く、魔族 でも無い。エルフ族やドロウ族の系列でもない。お前のように、不思議な生き物は初め て見た」 ロキは、肩を竦める。 「おれの事は、あとで話そう。まずは、ここを出よう。あんたの装備も外にある」「そ うだな」 フレヤは身を屈めると、ロキに続いて牢獄の外へと出た。先程のドームの片隅に巨大 な、純白の鎧が置かれている。それもドワーフの細工らしく、恐ろしく頑丈そうだが、 デザインは洗練され、フレヤの見事に均整のとれた肉体のラインに合っていた。純白の マントを、巨大な白鳥が翼を畳むように、身につけると、フレヤは呟く。 「剣がない」 「そいつは、出口の近くだ。行こう」 フレヤは、頷くと、ロキと共に出口へ向かった。歩きながらロキが語り始める。「よ く、むりやり出ようとしなかったな。あの牢獄は面白い造りになっている。外側からな ら、扉を開けれるが、内側からこじあけると天井が崩れ、生き埋めになるようになって いた。そうなれば、あんたを掘り出すのに半月は無駄にするところだ」 フレヤは美貌を歪め、笑った。 「私も地下から這い出すのに半月もかけて、ジゼルを殺す日を延ばす気はなかったから な。チャンスを待っていたんだ」 フレヤは、魔神のように笑う。 「礼を言っておこう。人の姿をした、人ではない者よ。お前のおかげで今宵ジゼルの魂 を、冥界へ送ることができる」 「おれは、ロキという名だ。記憶を失った巨人よ。しかし、礼を言うのは、早いぞ」 二人は、ジーンの居た見張り所まで、出て来た。フレヤは片隅に立てかけられた剣を 取り、抜き身のまま、腰のスリングに吊るす。その長大な剣の先端は、フレヤの、ふく らはぎのあたりにあった。 フレヤは、見たものを氷つかせるような、真冬の女神のような笑みを見せる。「なる ほど。ロキといったな、お前は私と取引をしようというのか。私を助けた見返りに」 ロキは無表情のまま、フレヤの前に立っている。フレヤが純白の暴風であれば、この 男は、漆黒の岩石のようであった。フレヤの、白い炎のような怒りをまともに受けなが ら、動じた気配すら無い。 「あんたを助けたつもりは無いが、取引はするつもりだ。あんたがおれを、手伝ってく れれば、あんたがなぜ記憶を失い、故郷
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「長編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE