長編 #3525の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
剛は強い口調で犯行を否定した。しかし、 「証拠ならあるんだよ。まず、カメラマン藤堂喜一が撮った写 真。これには君と理恵さんが峰岸裕子さんを殺害した一部始終が 鮮明に撮られているんだ」 慎太郎がそう言うと剛は少しばかりからだの力が抜けたようだ った。慎太郎はそんな剛の態度を横目で見ながら、話の続きをし 始めた。 「そればかりか、剛君。君は昨日、東道さんの部屋にこの写真 を探しに行っているね。その時丁度、僕が入ってきたから、押し 入れかなんかに隠れていたんだろう。 さぁ、もうそろそろ、自分で話してくれないか」 慎太郎がそう言うと、剛は重たい口を開いた。 「刑事さん。貴方が言うように僕は3人の人間を殺しました」 剛は風が吹くなか、草むらの方に少し歩いてポツリと言った。 「まず、裕子は自分と付き合っていながらそれと同時に他の奴 と付き合っていたんだ。それをいいことに、いざ、自分が理恵と 付き合い出すと、この俺をいびってきたんだ。 だから、理恵と協力して、裕子の奴を殺しんだ」 剛の口調は時間を追うごとに力強くなっていった。それは、恨 みと自分が侵してきたことを思い出しているからだった。 「それで、あの日の夜、理恵さんと君はどうしていたんだ?」 慎太郎は遠くの方から剛に訪ねた。 「裕子の死体を祥子と一緒に発見する振りをした後、祥子を稔 達の所に行かせた。 そして自分は、後からきた理恵と一緒に死体を崖下に落として、 理恵に頭を殴らせたんだ。 理恵はその後、稔達の所へと戻り、ふただび自分の所へと来る。 そして、自分が倒れていることに誰かが気づく。そこで自分は 「誰かに殴られた」と言って、架空の人物のせいにしたのさ」 「それから残りの2人は?」 慎太郎が剛に訪ねた。 「東道さんは、写真で俺らのことを脅してきたのさ。だから、 部屋に入れて貰ったときに、窓から突き落としたんだよ。 理恵は一緒にやってきた殺人を警察に話すと言ってきたんだ。 やめろと何度も説得した。けれど、一行にその気持ちを変えなか った。だから、やむ追えず殺したんだ」 剛はそこまで話すと、おとなしく慎太郎の所まできて手を出し た。慎太郎は辺りに配備させておいた県警の刑事に剛の身柄を渡 しすと、他の3人を連れて山荘へと戻った。 その夜のこと,祥子はこの高台へと来ていた。空は雲の影一つ もなかった。月の光が祥子の姿を照らし出している。そこに写る 祥子の姿どことなく悲しげだった。 「ニャ〜、ニャ〜」 パットの鳴き声が聞こえてきた。 「パット、今までどこ行ってたの?」 もちろんパットは答えない。 祥子はそのまま小一時間ばかり高台に座っていた。 季節はその後、秋から冬へと変わっていった。赤かった葉が全 て落ち、裸になった木が町の中に見える。 その姿はまるで、祥子の心の中を表しているようだった。 *************************** 月光。月の明かりは心を汲まなく照らす未知なる物体。そして、 その姿は刻一刻と姿を変えていく。 時にはなくなってしまうこともある。心のどこかにある嫌な思 いや、思い出、好きだと言う気持ちも、時間が経つにつれて薄れ ていくものである。 *************************** (了)
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「長編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE