長編 #3520の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
**************************** 月光。月の明かりは心を汲まなく照らす未知なる物体。そして、 その姿は刻一刻と変わっていく。 時にはなくなってしまうこともある。心のどこかにある嫌なこ とや、思い出、好きだと言う気持ちも、時が経つにつれて薄れ 無くなるものである。 **************************** 夏が終わり、やっと秋に入った。しかし、まだ、夏の余韻を漂 わしている、そんな感じがする秋である。気温もそれほど寒くは なく、まだ、半袖でも過ごせるくらいである。まだ草むらの中に は、緑色をした草が大半をしめていて、その中に、茶色に色落ち ススキの穂がポツリポツリと見えかくれしている。 そんな中を月の光が心を癒すかのように降り注いでいる。草む らを吹く風は心を和ませ、肌を軽く触れるくらいの風量である。 そんな風のおかげで、暑くも感じず、寒くも感じなかった。 空には優しく光を出す月と、無数におよぶ星たちがこうこうと 輝いていた。そこには今の所、雲という厚い布団はなく、都会で は見ることのできない、いや、見れない純粋な夜空が見えていた。 草むらはひそかに揺れ、その葉にあたる月の明かりが夜という 空間を賑あわせたのである。 阿部祥子は、そんな夜空を寝そべって見上げていた。 阿部祥子。身長はそれほど高くはなく、体系は普通である。美 人の、どこかお嬢様を感じさせる雰囲気が感じられる。 祥子が居る場所は、山梨県にある「月光山」のキャンプ場であ る。「月光山」は、小さな山で、キャンプ場は「月光山」の高台 の近くにある。高台なので、辺りには視界を邪魔するものは、何 一つ無かった。まさに、自然を満喫できる特等席なのである。 祥子と一緒にこの地に来ているのは他に4人いる。高藤理恵、 能登美香、新庄稔、三上剛の4人である。祥子たち5人は、大学 のサークル仲間で、ここ「月光山」に親睦会に来ているのだ。 高藤理恵。身長は祥子より高く、少し太り目である。顔は普通 で眼鏡をかけている。 能登美香。身長は158cm。女性3人の中では一番低い。体 系は普通である。スポーツ万能で趣味でテニスをやっている。 新庄稔。169cm。サイクリングを趣味としている。体格は ややがっちりとしていて、頼りがいのある人物である。 三上剛。この中では一番背が高く、高校時代は柔道をしていた。 腕が太く、力仕事が好きな人物である。 初日は、「月光山」のキャンプ場で一泊して、二日目からは、 近くにある山荘に泊まることになっている。この親睦会は、3泊 4日の日程である。 1日目の日程はまず、「月光山」を登ってここまで来る。そし て、バーベキューをして、キャンプファイヤーをする。今祥子た ちは、それらの日程を全てこなし自然の余韻に浸っているのだ。 「こんな綺麗な夜空、見たことないねっ」 美香が夜空を見上げたままポツリと呟いた。 「そうだよなぁー、都会じゃぁ、空気汚いし、こんな余分な光 がない場所なんてないからな」 剛が祥子のことを、横目でちらちら見ながらいった。 一方、稔と理恵は、 「そういえば、明日泊まる山荘、稔が見つけたんでしょっ?」 「ああ、おやじが教えてくれたんだ。なんか、おやじも昔、あ の山荘使ってたって言ってた。設備もなかなかだし、学生時代に 一度、行っといたほうがいいって言ってたから」 「その山荘って、どういう感じの建物なの?」 隣同士に座っている二人が、手で形を作って説明をしている。 月の光に照らされている二人は、とても良い絵になっていた。 「正20角形の2階建ての建物で、客室が全部で15室あって、 建物全体の部屋数は20部屋だって言ってた」 皆が寝静まった頃、祥子は燃えるたき火の炎をじっと見つめて いた。祥子は剛のことをいつの間にか好きになっていた。 祥子と剛は、大学で1、2を争う秀才である。始めはただ、争 っていただけだが、そのうち、剛のことを忘れることが出来なく なったのだ。祥子は秀才だけではなく、ある能力では、天才的な 力を発揮するのだ。 「どうしたんだ、祥子」 剛が寝袋から起き上がって言った。 「ううん。何でもないの」 「ならいいけど。さっきからずっと炎見てたから」 「ニャ〜、ニャ〜」 草むらの何処かから、聞いたことのある鳴き声が聞こえてきた。 ちょうどその時風が出てきたので、何処に潜んでいるのかわから なかった。 「パット、パットでしょ。何処?何処にいるの?」 祥子は周りで寝ている三人を起こさない程度の声で叫んだ。そ して、闇の中にうごめくパットの姿を目を凝らして捜した。ま た、剛も一緒にパットの姿を捜していたのである。 「ニャ〜、ニャ〜」 パットは祥子たちが捜していたのとまったく別の方向から飛び 出してきた。草が真ん中から2つに別れ、その間から勢いよく出 てきた。パットは口にハンカチのようなものをくわえている。 パットとは、祥子たちが昼間この「月光山」に登ってくるとき に出会った白毛の猫である。パットという名前は、祥子がつけた 名前である。パットは、祥子と一緒に途中まで登ってきて、不意 に姿を消してしまったのである。だから、こうして逢うのも7時 間ぶりぐらいであった。 「パット。昼間急にいなくなっちゃって。本当に心配してたん だから。うん?何くわえてるの」 そういって祥子は、パットの口からハンカチを取った。それは、 ハンカチではなく、バンダナでだった。しかし、そのバンダナは ただのバンダナではなかった。そのバンダナの縁には、どす黒く なった血が付着していた。剛は祥子からそのバンダナをとって確 かめた。 「血だ」 剛はそう叫んだ。しかし、剛もまだ、それが本当に血なのか自 信がなかった。その理由として、剛が考えたのは、辺りがあまり にも暗かったことと、光があったとしてもその光が、たき火の炎 であったことだった。 「ねぇ、パットの体を見て」 祥子が剛にそう言ったとき、剛は想像の世界から、現実の世界 へと戻ってきた。そして、パットを抱き上げて、体全体を見回し た。 「ねぇ、どうなの?傷があるの?」 傷はなかった。これで剛の想像は最高頂に達した。パット以外 の血。それが何をさすか剛にはある程度わかっていた。だけど、 その想像が当たってないことだけを祈った。それは、人の血であ るというとこだ。 「いや、傷はないみたいだ。だけど、どうして、傷がないのに 血が付いているんだろう?」 「誰かの・・・・・血?」 祥子はそういって、パットの体を濡れているタオルで拭いた。 「ケガをしたのかもしれなが・・・。どうやってその人を捜そ う?」 「ニャ〜〜ン」 パットはそう鳴いて、祥子の袖口を引っ張った。 さっきまで吹いていた風は、もう吹きやんでいた。静かに照っ ている月は、星という子分を連れて暴れていた。徐々にだが、う っすらと雲が出てきている。しかし、月にかかるまでは、それ相 当の時間がかかりそうなほど、ゆっくりと流れている。辺りの明 るさもさっきよりは暗くなってきた。草むらの不気味さもさっき よりましたような気がした。 「何、連れてってくれるとでも言うの?」 祥子は、パットに向かってそう言った。パットは、「ニャ〜」 と鳴いて、草むらの中へとゆっくりと歩き出した。 「連れていってくれるみたいだね」 剛はそういうと、たき火からたいまつを二つ作り上げた。そし て、一つを祥子に渡した。 「これもって、パットの後を追うぞ」 祥子は「うん」と、答えて、剛の後をついていった。 パットの後を小さなたいまつの火を頼りに草むらの中を歩いて 行く。草の背丈は30cmくらいで、当然のことながら、パット の姿など、どれだけ照らしても見当たらなかい。唯一の頼みは祥 子がパットと昼間会ったとき付けた鈴だけである。 「今、どの辺り何だ?」 「昼に見た感じと照らし合わせると、大体、「月光塚」の半径 10mくらいの所だと思うけど」 「じゃぁ、大木の近くか」 「あれがそれだと思うわ」 祥子は進行方向の右斜め前を指す。そこには、葉のあまり付い ていない、大木がそびえていた。 「まだ、たき火の火が見える。さほど離れた所じゃぁ、ないみ たいだな」 そう話ながら歩いていると、今まで、同じテンポで鳴り響いて いた鈴の音が、急に激しく鳴り始めた。そして、一分もしないう ちに、その鈴の音は、ピタリと鳴り止んだ。 「パット、何処なの」 祥子は少し大きな声で叫んだ。すると、ある草むらの一部から 「ニャ〜ニャ〜ニャ〜」 という鳴き声が聞こえてきた。 祥子が捜していたとこよりも、もう少し左に行った所から、パ ットは顔を出して鳴いていた。 剛はそれと同時に、血の匂いに近い匂いが、風にのって漂って きたのを感じた。その匂いはまだ、生々しさを帯びているような 匂いだった。まさに、出血したての匂いに近かった。 さっき出てきた雲が、濃くなったように思えた。それはただ濃 くなったのではないように思えた。この先に何かおぞましい出来 事でも、待ち構えているような気配だ。 剛はなるべく低い体勢で歩いていた。それは、この辺一帯に漂 っている異臭元をいち早く見つけるためである。 「剛、なんか足元にものが落ちているんだけど」 「どこだ」 剛がそういってしゃがみ、辺りをたいまつで照らした。雲が増 えたせいで、辺りが異様に暗くなった。驚いたことにそこは、草 が倒れかかっていたのである。自然的ではなく、人工的な倒れ方 で・・・。そして剛は、想像していた以上のものを発見したので ある。 その時、風が微かに吹いた。それでも月は雲をかぶっていた。 それは、辺りの寒気さをいっそう引き立てた。恐怖という寒気さ を・・・。 「何かあったの?」 祥子のそういう言葉にも、剛は反応できなかった。そこには、 脇から胸にへと、いくつもの刺し傷がある女性が横たわってい た。服はその傷口からの出血のせいで赤く、いや、どす黒く染 まっていた。 剛はすぐに、その女性が息をしているかを確かめるため、脈 を取り、鼻の下に手を置いた。体温はまだ生暖かかった。しか し、脈は打っておらず、息もしていなかった。 「何かあったの?ねぇ」 祥子がもう一回そう言ったとき、剛はもとの自分を取り戻し た。 「女の人が、死んでいるんだ」 剛は風の如くつぶやいた。 「死んでるって、本当なの?」 「ああ、ほぼ間違いない。多分パットについていた血は、こ の人のだろう」 「何とかしなくっちゃ。まず、稔たちを呼んでこないと」 「そうだな、俺がここに残るから、あいつらを呼んできてく れるか?」 「ええ、わかったわ」 祥子はそう言ってきた道を返っていった。 風のせいで、たき火の火が強くなったり、弱くなったりして いた。稔はそんな炎のゆらめきで目を覚ました。そして、3人 がいないことに気づいた。すると、理恵は草むらの中から自分 の寝どころに戻ってきた。
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