長編 #3096の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
両チームのキャプテンの親父達がじゃんけんをして先攻後攻を決める。 ブルースカイが先攻だ。 回は7回まで、5回以降10点差でコールドゲームだそうだ。 「プレイボール!」 ジャガーズのちょっと年配で小柄な主審の男性が試合開始を宣言した。 一番打者は足が早く反射神経がよさそうな蛍一だ。 ジャガーズのピッチャーは、ちょっと背が低めで引き締まった身体の男だ。 速球を中心とした配球のピッチャーらしい。 青治いわく変化球はどうせ打てないんだから、ストレート狙いでバットは短くもって 球を良く見れば何とかなるとの事だ。 蛍一は、青治に言われたとおりに内角へ入ってきたストレートをうまくバットに当て、 ピッチャー返しのセンター前ヒットにした。 一塁コーチをかねている茜が、ランナーになった蛍一と次の打者の光一の所へ行き耳 打ちしてた。 相手には何かしかけるのがバレバレだが、草野球だし下手にブロックサインをだして 間違えると厄介だ。 ピッチャーが一球目を投げる。ランナー走った!光一は耳打ちされたとおりバットに ボールをあてに行く。 あてるのに一生懸命になり、本当にあてただけで結果はサードゴロ、その間ランナー 蛍一は俊足を生かし余裕で二塁を踏んでいた。 堀内側のベンチが盛り上がる。 次は運動神経抜群の藍香だ。 1アウト二塁、とりあえず筋書きどおりである。 ノーサインである。 藍香は二球見送った後の三球目、蛍一達と同じように短くもったバットを思いきり振 りボールをレフト前まで運びヒットにする。 打球が速く、ランナーのスタートが悪かったので、ホームまではいけず三塁ストップ で1アウト一、三塁。 次は四番の紅介だ。 紅介はベンチの方をチラッと見た。 瑠璃さんは案の定、親父のとなりにすわっていた。 ちょっと胸が痛くなったが、今はそれほど辛くない。 単純に瑠璃さんと野球ができることが楽しいのだ。 紅介は誰にも気づかれないぐらいに微笑み、マンガみたいにレフト上空をバットで指 した。 予告ホームランのつもりらしい。 少しあきれてるピッチャーの投げた外角の球を、紅介は思い切って振り切る。 ボールは空高く舞い上がった、空高く・・・。 レフトはあきらめたのか定位置から動かずに空を見上げる。 紅介はガッツポーズをして、一塁へ小走で向かっている。 三塁ランナーの蛍一はレフトをみながら、ホームへ向かって歩きだした。 藍香はファーストで立ち止まりボールの行方を追っている。 紅介が一塁の手前まで行ったとき、藍香がボソッとつぶやく。 「べんにぃ、あれレフトフライだよ。」 紅介が藍香の言葉を理解してレフトを見ると、グローブを構え捕球体制に入っている。 灰色の空が保護色になって、紅介にはどこをボールが飛んでいるか検討もつかなかっ た。 茜が「もどれー」と蛍一に指示を出して三塁へ戻す。 レフトが捕球し審判がアウトを宣告するのと同時に茜は叫んだ。 「はしれ!」 えっ?と蛍一は戸惑いながらも、ホームへ一目散に駆け込んできて、余裕があるのに ヘッドスライディングまでして生還した。 これが<堀内BLUE SKY>初得点で同時にこの試合の先制点だ。 ベンチはすでに勝ったかのように大騒ぎだ。 次の打者の若葉はライトフライに倒れチェンジ。 ジャガーズの攻撃だ。 ブルースカイのピッチャーは茜。 当たり前だが、いつものソフトボール投げではなくスタンダードなオーバースローだ。 コントロールはそこそこだが、球威、球速ともに草野球レベルで見ても劣るほうだ。 青治や瑠璃のアドバイスで、各打者の弱点はつかんではいるのだが、なかなかうまく 球が決まらない。 面白いように打たれて、守備はこれまた面白いようにエラーをした。 ぼてぼての内野ゴロなどでアウトを3つとったことには、すでに打者は一巡していて 4点をとられていた。 しかしブルースカイは、このぐらいの点差でめげるほど軽い気持ちでできたチームで はなかたった。 家族みんなで野球をしているという喜びでいっぱいだ。 エラーとかしても、どんまいどんまいとかフォローしあってそんな時さえも楽しそう だ。 攻撃にはいる前、いっちょまえに円陣を組んで、 「3点差ぐらいぶっ飛ばせー!」 と気合いを入れたのが効いたか、相手のピッチャーが油断したのか、この回ブルース カイはヒット4本を放ち2点を返した。 しかし、その裏ジャガーズも打線爆発。 ソロホームランを含む4安打で3点を入れる。 3回表、先頭打者の藍香が相手の守備のまずさを絡めた三塁打を放った。 そのヒットをきっかけに、この回もヒットが3本集中して2得点。 この時点で5−7と2点差まで詰め寄るが、とった分以上にジャガーズの打線は点を とってくる。 3回裏、茜自信、それなりに楽しんでいたが、コースを選ぶほどの気力は残っていな かった。 そんなせいもあって、この回、ヒット数を数えるのが面倒なぐらいの7安打、一挙5 点をとられ点差を7点と引き離され試合を決定付けるかのように思えた。 5−12、まるで小学生のバスケットのようなスコアだ。 さすがにブルースカイのメンバーも、気がそげてきて、だらけかけている。 試合開始から冷静に戦局を見ていた青治は、そろそろ潮時だなぁと思い、4回の攻撃 がはじまる前、ベンチ前で円陣を組ませメンバーの顔を見渡す。 どの顔にも少しずつだが、疲労による陰りが見えはじめている。 「よし、勝ちにいこう!」 その青治の意外な言葉にメンバーは互いに顔を見合わせ戸惑いの表情を見せた。 「こう、だらだらと点をとられたりしてたらいくら楽しくてもつまらなくなってしま う。 やっぱ、野球は最終回の2アウトでも結果が見えないほどの緊迫したゲームの方が 面白いし楽しめる。」 真面目に話す青治につられてみんなうなずくが、頭の中に《?》マークが漂う。 それはそうだけど、どうやって?という《?》マークが。 青治は不思議そうなメンバーの顔を見て、自信ありげに微笑み説明をはじめた。 「このメンバーで勝つために足りないものが一つある。 それは、勝とうという心だ!・・・ちょっとくさかったかな。」 青治は照れを笑ってごまかしている。 くさい台詞は冷静な者が言うと恥ずかしいが、冷静ではない者が聞くと心に染みるい い言葉になるものだ。 他のメンバーは、青治の最後の照れ隠しの言葉は耳に届いてはいなかった。 「行くぞ!」「おぉー!」 自然に誰かが掛け声を出して、みんなそれに答える。 「ここ数回は1点よりランナーをためる攻撃で行こう。 出塁したら無理をせずに確実にワンヒットで一つづつ塁をすすめていくつもりで。 あとこの回の裏から守備を変えるから。」 最後に青治が攻撃の指示とポジションの変更を告げてから円陣を解き攻撃にはいる。 先頭打者の瑠璃はまだなれてないらしくあっさり三振に倒れる。 次の打順は一番に戻って蛍一だ。 うまくボールを見極めフォアボールで出塁する。 ただ手がでなかったという説もあるが…。 守備は蛍一の盗塁を恐れて二塁手と一塁手はだいぶ塁よりによっている。 そのため、一、二塁間は守備が手薄になっていた。 光一の打球は運がいいことに、そのがら空きの一、二塁間を破りライト前ヒットに。 またブルースカイベンチが盛り上がってきた。 次は今の所2打数2安打の藍香だ。 相手ピッチャーは警戒してかきわどいコースを中心に投げてくるが、これが裏目にで てストレートのフォアボールを与えてしまう。 1アウト満塁で4番紅介である。 こういうときは無心が一番となるべく何も考えないようにして打席にはいった。 初球だった。 思いっきり振ったバットの芯でボールを捕らえていた。 打った打球はセンターへライナーで飛んで行く。 しかしセンター真っ正面だ。 だが、打球の勢いが強かったらしくセンターがボールをこぼしてしまう。 その間にランナー二人が帰って7−12、1アウトランナー一、三塁だ。 次のバッターは5番の若葉だ。 若葉はストレートの高め、それだけに狙いを絞っていた。 思いどおりのコースならホームランにする自信がある。 集中力を高めボールを待つ。 最初の2球の変化球で簡単に2ストライクとられるが、3球目からボールを見極めス トライクならファールにして粘っていた。 カウントは2ストライク3ボール、9球目の球は若葉の狙いどおりのコースへ飛び込 んできた。 若葉は思いっきり振り抜く。 ボールがすごく軽く感じる。ジャストミートした手ごたえだ。 行ったか?若葉はそう思いボールを目でおいかける。 だがライトはボールの落下点へたどり着き、危なげもなく捕球した。 『あの頃ならな・・・、これが年をとったということか。』 寂しそうに若葉は心の中でそうつぶやいた。 今サードを守っている浅野も、同じ思いをしてきたであろう。 だが、これが犠牲フライトなり一点を追加した。 この後、茜にヒットがでるものの、点は入らずにこの回の攻撃が終わった。
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