空中分解2 #3090の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
◇楽戦楽勝ごりら男◇12 『春麗』男居座る ぶらりと入ってきた流れ者ゲーマーに 5人までなでぎりにされ てしまい、このゲーセンの常連は面白くないはずです。知人Rは、 いまやこのゲームセンターにとっては『道場破り』にも等しいにっ くき相手と化していました。 これまで5人。なかには、ひとかどのゲーマーも何人もいたのに、 ことごとく斬られてしまった。もう、何人も有力なゲーマーは残っ ていません。こうなったら、なにがなんでもRを打ちまかしてやろ う。そんな談合が成立したようです。 そんな談合が落ちつくところと言えばろくな結論ではありません。 Rがいくら強いとはいえ『こいつも人間にすぎない。長くやって いるとつかれるはずだ』という結論でした。 数にまかせて打ちのめしてやろうと、そういう作戦にでたのでし た。なんという卑屈なやつらか。怒りを覚えました。『数をば頼み 〜に〜寄せ来る敵軍〜』(音楽著作権協会の許可を得ていないので、 一部歌詞をわざと変造しています)。ガダルカナル上空の戦いに出 撃するゼロ戦の悲壮な頼もしさ。これをちらとRの姿にだぶらせた りしました。 僕にすこしでも腕に覚えがあるのだったら助だ知(アメリカ製電 算機はスケダチを変換してくれない)するものを!悲しくも文弱の 身の上がこれほど情けなく思えたことはありません。 そこで六人目として座ったのは、一番最初に破れ去った、気合い も根性もない、へなへなゲーマーです。再び恥をかこうというのか。 彼は最初と同じように『春麗』を選んできました。やみくもな攻 撃と脈絡のない防御姿勢を交互に繰り返すだけ。さきほどまでの対 戦が素晴らしいものだっただけに、みてつまらなく思えます。 技量に差があるとまるでお話にならない見本のような試合展開で した。『ごりら男』は、ローリングアタックの大技で相手を倒すと あとは、さしたる技をかけるまでもなく、なすがままです。 『春麗』というキャラクターは人気も高く、使い手に強いゲーマ ーも多いのですが、この最弱ゲーマーにかかると、まるでだめです。 この男に『春麗』を戦う資格はない。それはみていて分かります。 ゲームはセットカウント2-0で勝利。感動の薄い6人抜き目で す。 しかし『春麗』男は、引き続きゲーム機の前を離れず、またして もこいつとの対戦です。かないません。まったく、ただのひとつの 技さえ、Rが操る『ごりら男』に通じないのです。 こうして六、七人抜きはあっさりと達成されました。 にもかかわらず、動かない『春麗男』まだ続けるつもりなのか。 1ラウンド目。手慣れた攻撃で20秒少しで『春麗』を葬ってしま った知人Rは、突然トイレに立ちました。 第2ラウンドはどうなってしまうのか。これまでトイレに行く暇 もなく戦っていたのですから、中座もやむをえません。しかたない のでトイレから戻って来るまで僕が代理を務めました。 しかし、自分でやってみてこのゲームが、これほど簡単にいかな いものかと驚きました。 Rの操作であれほど自由自在に動き回っていた『ごりら男』は、 僕の操作になった途端、別人のようにやられまくってしまいます。 よわっちいぼんくら『春麗』の使い手にです。Rが『ごりら男』 で、手玉にとっていた『春麗』男が、今度は自由自在に技を出しま す。僕のような素人ゲーマー相手には、まったくつけいる隙もない 見事な攻撃です。こ、こいつ。これほど強いやつだったのか。これ ほどの強いやつに、ろくに技をかけさせないほど、Rの操作は抜群 だったわけか。。 今さらながら驚きました。ろくに技も繰り出せないまま、僕が操 る『ごりら男』のダメージラインは、ぐんぐんと上昇するばかりで す。背後でゲーマーたちの失笑がもれます。『連れは弱い。最弱』 という声。。。少しでも勝負を長引かせようと務めたもののあっさ りと負けました。情けない気持ちで一杯です。 ラウンド スリー。合成音声の響きとともにRがトイレから戻っ てきて選手交替です。 コントローラーとボタンを操りはじめます。『ごりら男』は生命 を再びふきこまれました。Rは『ごりら男』そのものと化しはじめ ます。流麗なコントロール捌き。操るやつが違うとこれほど生き生 きするのか。『ごりら男』は、まるでRに操られているのが愉快で 愉快で愉快で仕方がないといいたげに、画面のなかでのびのびと動 き回っていました。 (以下次回)
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