空中分解2 #2816の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
コツコツと黒板を打つチョークの音。先生の低い声は廊下に響く。 字はお世辞にも綺麗とは言えない。 崩れた字を見にくそうに生徒達が必死でノートに写す。 板書の量が多い先生だった。 今日は朝から天気が良くて春の日差しは柔らかに木の机に落ちて いる。 僕は窓際だったからその日差しを黒い制服によく受ける。 ポカポカとした暖かさが体だけではなく心にまで染み渡るような 気がしていた。光を受けるのは一部なのに熱は全身をくまなく走 りめぐる。 長い冬を思い出せば春の日差しが一層心地よく感じられた。 空がうっとりするほど澄んでいて、僕はそれだけで何かしらいい 事が起こりそうな静かに胸踊る期待を感じていた。 光は僕の回りを楽しげに舞っていて、包み込むその感じは軽い綿 のようだった。 時折先生の声が止むと教室は暖かい静けさに包まれて春の香りが 耳にはいるだけ。 そういうのに埋もれてながら僕は君を眺めていた。 同じクラスだと知ったとき目を閉じて希望に満ちた今年を想像し た。 その興奮はベッドの中で更に強まり、楽しげに話す僕らを考える だけでなかなか寝つけないほどだった。 朝、部屋の窓から見える嬉しげに咲き始める色とりどりの花さえ も太陽にあざやかに映し出されていて満足そうだった。 君の授業態度は驚くほど真剣で、真顔の眼差しを先生に向ける。 おおらかに流れる片雲と君ばかりみている僕とは大違いだね。 君の後ろ姿は一見同じようだが、見慣れた僕には一秒前の姿とは まるきり違って見える。 想像が一人歩きしたりする時もあってどれだけ見つめても見飽き る事はなかった。 肩までの髪がとても綺麗で近くに来たとき思わず手が延びそうに なる。 理性がそれをとめるんだけど、たまに危ないときもあって、どう せ君は笑って許してくれるだろうからと思ったりもする。 結局まだ一度も会話をした事がないのは、君が不思議な波長を漂 わせているんで近くにいるだけで僕の胸が踊りすぎて言葉が出な いため。 僕が友達と話しているときも君が近づいただけで、友達の会話は うわの空でしか聞けない。 話しのネタはいろいろと考えているんだけど、なかなかうまくい かない現状がもどかしい。 窓をなにげ無しに開けると心地よい風が吹いて僕のノートを一枚 めくる。 顔が出るぐらい開けられた窓から入り込む風は、自由な空気を十 分に含んでいる。 青空に浮かぶ片雲にのってどこか見知らぬ外国へいきたい。 隣に君がいればそれだけで何年でも幸せで平安な日々が続くと思 う。 ライバルは当然多くて、僕は競争しなくてはいけないようだ。 宿題を見せてと近寄るお調子者に君がノートを貸すときや、君の 前の席である山田が振り返って冗談を言い君を笑わせているのを 見たときなんか、僕に言い切れない焦りと不安が襲い、何もでき ない自分に腹が立ちさえする。 でもたまに君も僕をみているような気がする。 ふと君に目を移すと君は慌てたように目をそらしたりしない? 君の微笑みはとても上品で、いつもミストがかかっている。 それは胸が強く締め付けられるほど可愛い。 その雰囲気はしばらく僕の心に余韻を残す。 向けられる相手が僕ならば僕はそれだけでどれほど一日が弾む事 だろう。 一緒に並ぶ僕らを想像するのは楽しく、それはいつまでも絶える 事を知らない。 最近特に楽しみにしているのが夢で、夢の中で君は僕に都合のい い事ばかり口にする。 入学したときから僕の事を好きだったなんていくら何でも都合が 良すぎるよね。 その時先生が僕の名前を呼んだ。 慌てて口にしたのはチンプンカンプンな答えでクラスが笑った。 そして君も僕の方を振り向いた。 Keiichiro☆彡
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