空中分解2 #2811の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
層雲峡観光ホテルに大型トラックがついている。ホテルの正面玄関にはふさ わしくない宅急便のトラックである。後部のハッチから、作業員たちがリレー で荷降しをしている。大量の荷物はロビーの一画に山積みされていく。あとか ら到着した観光バスの客たちは、けげんな顔をしてホテルに入っていく。ロビ ーは喧騒につつまれていた。女子高校生たちとその荷物の大群で埋まっていた。 「横浜華麗短期大学女子高校」の500人の修学旅行である。 食堂も、売店も女子高校生が占拠しはじめた。ホテル中がワーワーキャーキ ャーという黄色い歓声で埋まってしまった。他の観光客たちは小さくなってい る。 湯に入る時間になった。 脱衣場の入り口に級長の当番が立ち、10人づつ入湯を許可している。 湯槽の入り口では副級長の副当番が 「11班がはいるから、第7班の10人は、スグ、出てください!」 と、どなっている。 大きな湯槽も、はちきれそうな60人の若い肉体でいっぱいになった。一般 客のおばさんたちは押し出されそうになっている。ワーワーキャーキャーの歓 声とピチピチの肉体の躍動には、おばさんたちは勝てない。 Y子もその中にいた。だが、彼女だけは、かたくなにひざを閉じ、厚いタオ ルで前を隠している。彼女の内股には「横浜華麗」のいれずみがはいっている のだ。 あいつにやられたのだ。Y子は17才でもうお嫁にはいけないからだにされ ていた。あいつがやくざだとは知らなかった。 Y子は希望の高校を受けさせてもらえなかった。カネを積めば入れる「横浜 華麗」に押し込まれたようなものだ。彼女は2年になって荒れはじめた。学校 は休まないから親は知らないが、シンナーも吸った。酒も飲んだ。男を何人も しった。男たちからカネをもらうようになった。あいつは、誰よりも多額のカ ネをくれた。 転落に時間はかからなかった。あっという間だった。いつの間にか、Y子は あいつのものになっていた。Y子にいれずみがはいった。あいつは、それを仲 間たちに吹聴し、誇示してまわった。逆になった。あいつはY子にカネをせび るようになった。次第に大きなカネになった。家からはもう持ち出せない。あ いつから逃げ出そうとして、Y子は何度もヤキをいれられた。もう学校どころ ではなかった。 何度もそれらしい理由でカネを持ち出しているのに、学校には行っていない ことが親にばれた。Y子は窮地にたった。あいつはそんなことにはおかまいな しにカネをむしり取っていく。彼女は死のうと思った。誰にも相談できなかっ た。 あいつの舎弟のK男がなぐさめてくれた。K男も落ちこぼれである。 「Yちゃん、俺がなんとかするよっ、修学旅行ならおおっぴらに兄貴から離れ られるじゃあないか、行ってきなよっ、その間に俺がなんとかするから……」 ひょろひょろのK男のことばにY子はしたがった。まだ、退学にはなってい ないのだ。いっときでも、あいつから逃げられる。あとのことは考えずに…… 湯の中で、彼女はそっと股間のいれずみをさわってみた。 横浜では、K男があいつらの袋叩きにあっていた。 Yちゃんのいれずみが消えるといいな………と願いながらK男は死んだ。 1993−02−06 遊 遊遊遊(名古屋)
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