空中分解2 #2810の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
人を待つ時間というのは、普段よりも長く感じるものです。 定刻20分過ぎ。友人Wは、しきりにこっちを見て『こないみた いなー』という表情です。来ないのか。ふざけた野郎だ。あ、女だ から野郎じゃねえか。ふざけた女だ! ★登場!変な電話女★ とかなんとか、心の中で悪態をつぶやいていると、定刻22分過 ぎ。店に入ってきた人がいました。一人です。手に紙袋を持ってい ます。分厚い手編のセーターを着ています。セーターの柄が真紅と 濃紺の格子縞です。けっこう目立ちます。服装には頓着しないタイ プのようです。身長は165センチというところか。 店内を素早く見渡します。どきっとします。見つかったらどうす ればいいんだ。発見されたようです。一人で座っている男は僕と友 人Wしかいません。僕は目印の茶色の鞄を横に置いていましたので、 それを確かめると迷うことなく僕の席までやってきました。 年齢は。。。20代なのか。おそらく、そうだと思います。どん な声を出すのか。緊張していたら電話と同じ声と話し方だったので 安心しました。 『****さんですか』 そうです。答えると相手はたたみかけてきました。 『やっぱり違っていました。どうもすみませんでした。で、こう してお会いしたのも何かの縁だと思うんですが、私、いま学校でち ょっとした調査をしていまして、協力していただきたいんですがよ ろしいですか。あ、そんなにお手間はおかけしません。ほんの15 分くらいで済みますから。はい簡単です』 あ、あのな。 『えーと、筆記用具をお持ちですか。なければ今おかしします。 あっと、さっきのことろで芯がおれてしまって。えっと、すみませ ーん。ボールペンでもなんでもいいんですけど、書くもの貸してく れませんか』 世話しげなやつでした。僕に話しかけつつ、傍らを通過した店員 さんにもう頼みごとをしている。僕は断固として彼女のしゃべりを 阻止しないといけないと思った。 ね、ちょっと。人違いは、それでいいですが、あなたいっつもこ んな方法で自分の調査の相手を捜しているわけですか? 『気になります?』 なるに、きまってんだろー。彼女の顔を正面からみた。確信に満 ちた顔をしている。これは、はっきりしている。心に前衛的な宗教 を抱いている人の顔である。今まで街でいくらでも見たことがある ぞ。なんだ。そうだったのか。手の込んだことをしやがって。 鈴木とか、佐々木とか、高橋とか、田中とか、適当にでかい会社 に電話して適当に呼び出して、網にかかったやつをこうして呼び出 して、アンケートから人生論、人生論から入会勧誘、入会から幹部 への道というばら色の未来がひらけてくるてえ寸法だったのか。 ★変な電話女は宗教勧誘女だった★ いったん状況を把握したら、あとは僕が手慣れているので楽なも のだ。 どの戦法を使って対処するか。主導権は僕にある。しかし怒りに 任せて、逆襲をするには、今の僕にはパワーがない。電話の主に対 して、この数日間こだわりを持って運命的なものを感じていただけ に、失望があまりに大きくて、怒れないのだ。期待してしまった自 分があほだった。情けない。 (以下次回)
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「空中分解2」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE