空中分解2 #2807の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
ちょ、ちょっと来てよ。 夜中にいきなりたたき起こされた。寝ぼけ眼で上半身だけ起きる と、隣で寝ていた優子がベットの下を指さしている。 ちょっと、これ、見てよ。 メガネをとってかける。優子の身体越しに、指さしたところを見 る。ベッドの下のフットランプの近くに、そいつがうずくまってい た。小型の爬虫類だ。 なんだ。ヤモリじゃねえか。どうかしたんだよ。 部屋の中にいたのよ。 いたのよじゃ、じゃねえよ。気持ち悪いから外に出せよ。 それがさ。 どうしたんだよ。 暇だったからね。いたずらしたのよ。 なにがだよ。 さっき手でつかまえてさ。 おまえよく触れるな。平気なのかよ。 優子は虫とか爬虫類とかを苦にしないたちので、俺は日頃から辟 易している。俺はどちらも大嫌いではないが、彼らとは好んでつき 合おうとは思っていないからだ。 つかまえてさ。食べるかと思ってさ。あなたの指輪食べさせたの よ。無理やり。そしたらさ、食べちゃってさ。入っちゃったのよ。 おなかのなかにあるのよ。指輪が。 ななななななななななな、なにいいい!俺は飛び起きた。さっき まで優子と『生殖を目的としない交尾』をしていたばかりなので、 俺は下半身が丸出しである。 おおお、お前、俺の指輪。やもりの腹の中に押しこんじまったの かよ。 押しこんだんじゃなくてさ。口の中に入れたら飲み込んじゃった んだよね。こいつが。 こいつがじゃ、ねえよ。出してくれよ。 優子は余裕である。ここさ、ちぢんじゃってるよ。 そう言いながら、俺の生殖器官を指で弾いた。冗談をやっている 場合か。そろそろ、家に帰らないとならない。指輪しないで家に帰 ったら、やばいではないか。 取り出してくれよ。 どうやってさ。さっきからさ、こいつ苦しそうだから吐かしてや ろうと思うんだけど、もう、おなかの奥まではいっちゃっててさ、 吐けないみたい。 考えただけで俺の方が吐きそうだ。自分が巨大な指輪を飲み込ん で胸が悪くなっているような錯覚に陥って、胸がむかむかする。時 間を見る。午前3時だ。そろそろ帰らないとまずい。4時までには いったん帰宅しないとな。 どうしよう。俺は優子に泣きついた。 出そうか。 頼む。。。でも、でなかったんだろ。 出なかった。 じゃ、どうやって出すんだよ。 落ち着きなさいよ。 うん。 じゃ、えーと。私のバックからカッター持ってきて。 え。 カッターで、どうするのさ。 切るのよ。 切るの?ヤモリのおなかを? そうよ。それしか方法ないもん。帰りを急ぐんでしょ。 俺の露出した下半身が以前に増して縮みあがった。 だってよう、それじゃ、ヤモリ死んでしまうだろ。おなか切って 指輪とったらさあ。吐き気がしてきた。 だって、しかたないもん。 おまえ気持ち悪くないのか。 気持ち悪いよ。ヤモリのおなかの中なんか見たくないわよ。あな た切って自分で出す? 考えただけで卒倒しそうだ。 ヤモリはといえば、さすがにじっとしている。彼も気持ちが悪い のだろう。盛んに口を開けたり閉じたりしているが、巨大なものが 腹部におさまっているので重たいのか身動きもしない。 じゃ、私、やってくる。こうしていてもきりがないでしょ。おさ かなと思えばいいのよ。 いいのよ、じゃねえよー。魚だっておなかを切って、内臓ぶりぶ り出てきたら俺は卒倒する。魚よりもかなり小さいとはいえ、相手 はかつて人類よりも長く地上を支配していた、爬虫類のはしくれで ある。生きながらに腹を割かれる無念というものもあるであろう。 彼女は右手にヤモリ。左手にキティちゃんのカッターを手にして、 バスに向かった。彼女が立ち上がった。交尾したときのまま、全裸 である。 やがて何度も水を流す音が聞えて来た。あの水の音とともに惨劇 が終わったのか。ぼんやりと待っていると、彼女が戻ってきた。そ うして はい、ヤモリの死体!といってベットの僕の方にほうり投げてく れた。 ひ、ひ、ひひひーひえー。後ろにのけぞる情けない俺。半分にち ぎれたヤモリの肉体は下半身であれ、上半身であれ受け取りたいと も思わない。 小さくぽたっと音がしたそれは、よく見ると俺の指輪だった。 指輪だけよ。ばかね。半ちぎれのヤモリなんか。見せるはずがな いでしょ。優子は悠然とそういうと、 ああ、あー、気持ちが悪かった〜。 一言いうなり、さっさ、さっさと服を着はじめた。それにつられ て俺も服を着て、やがていっしょに部屋を出た。 その時、今後俺はこんなおそろしいやつと疑似生殖行為を共にす ることはできない。固く決心したはずであった。しかし会社に行っ て澄ました顔で受付に座っている優子を見ると、劣情を催してしま うのは現実である。 そうして実は今夜も優子と俺は双方の生殖器官を露出しつつ交尾 する。憂鬱な現実を少しでも心地よいものにしたいので。 子供できたらどうする? 優子にしては、やなことを言ったので、僕は言ってやった。 キティーちゃんのカッターでお前のおなかを切って取り出したる。
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