空中分解2 #2559の修正
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「卵油」という「食品」が一部でブームを呼んでいるそうです。卵の黄身を 鍋でドロドロに煮つめ黒い油状に仕上げたものであり、古来より伝承されてき たものだそうで、最近では瓶詰にされ結構なお値段にて市販されています。以 前より存在は知っていましたが、黒くドロドロとして気持ちが悪くあまり関心 を持ってはいませんでした。ところが、先日の事です。急にコレステロールが 高くなった事について相談を受けました。その方は毎年人間ドックを受診され、 食事にもかなり注意を払われており、体型も標準的。特に自覚症状もなく、ド ックでも異常を指摘された事はない、との事でした。しかし、聞いてみると1 年程前から「卵油」を毎日毎日几帳面にスプーン一杯ずつ御摂りになり始めた、 との事でありました。種々の疾病によってもコレステロールは上昇いたします ので断定は不可能でありますが「卵油」が犯人との可能性を考え、2週間ほど 「卵油」の摂取をやめ、その上で再検査する様に申し上げました。その後、休 みの日に用事のついでに「卵油」を見に薬店へ出向きました処、黒くてドロド ロした中に何かしらキラキラするものが見えました。コレステロールの結晶で はないか?考えられますが、スプーン一杯食べれば卵5〜6個分のコレステロ ールは十分にあると思います。 血清コレステロールの値が200mg/dl以上にて虚血性心疾患や脳梗塞 の危険が増大し、逆に、160mg/dl以下では脳出血の危険が増大する、 と言われています。昭和40年代初めの日本の農村部での平均コレステロール 値は150〜160mg/dlであり、また脂肪や動物性蛋白の不足がちであ りました。それより昔、冷蔵庫も無かった頃、保存の効かない卵を煮つめて滋 養食とした事は、大変に理にかなった事であっただろうと思われます。しかし、 飽食の時代といわれる現在では、敢えてそうしたもので不足を補う必要は無い と考えられます。 現在、多くの疾病の危険因子水準と危険水準の関係が「U字型」である事が 判明しています。例を挙げれば、体重もその一つです。同一身長での、体重と 死亡率の関係はU字型です。最低死亡率体重±20%あたりが死亡率の「底」 であり、それをはみ出すと死亡率は急に跳ね上がります。ちょうど良い頃加減 の範囲があり、それより高過ぎても低すぎてもよろしくないという理屈です。 ですから「底のど真ん中」でなければいけない訳ではなく、各人各人の固有の 最適体重があり、その範囲は最低死亡率体重±20%あたりである、と言う事 ができると考えられます。 血圧の場合は、低い場合は希なShy−Drager症候群のような難病を 除けば、寝起きが悪い位のもので死亡率はさほどの変化はなく、低血圧を気に する必要はないといえましょう。高血圧にしても、生活習慣を正して、医師に よる服薬等に対する指導をキチンと守りさえすれば、後は気にする必要は何も 無いのであります。 ”Golden Mean” 中庸の美徳は、意外な処にも生きている様であります。
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