空中分解2 #2326の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
またあいつはダベリに来てる。わたしの後ろで笑ってる。 コバルト、ティーンズハート、そうそう、それからレモン文庫も。いろいろ 小説読んだけど、どれ一つとして現実味がなかった。全てが紙の向こうの世界。 小説家が創りあげる夢の世界。そう、完全に虚構の世界、だった。 たかが男1人で喜んだり悲しんだり、そんなの馬鹿じゃん。絶対ありえない よ。少なくともわたしには。とか、思ってた。靴下のにおいまでもが恋しいな んてすっげー変態、とも思ってた。 なのに。 なんだか最近変なんだ。あいつがどこにいても見つけちゃう。目があいつを 追っている。あいつが他の娘と喋ってると、胸の辺りがムカムカするし。喉の 辺りでなにかがつっかかってる感じがして妙に苦しい。息苦しいの。 わたしもかなりな馬鹿よね。頭に、胸に、パンクしちゃうくらいあいつがぎ ゅうぎゅうに詰まってる。今までずーっと馬鹿にしてたヒロインと、まるっき しおんなじなんだもの。馬鹿すぎて笑っちゃうわ。冗談にもなりゃしない。 Sigh。 低い声を思いっきり出して、あいつが笑いたてている。他の男子をからかっ てるみたい。それとも、また下ネタの話題で盛り上がってるのかしら。 こーゆー時、クラスの男子って歳下みたいだなってつくづく思う。まっ、わ たしが4月生まれってこともあるけど……、それにしても歳下っぽいわよ。だ からぜーんぜん、気にもなんなかったのに。 どこがいいんだろ、あんな男。 すっごい大バカ者で調子者。背だってわたしと一緒くらい。顔も平々凡々で。 クラスメートの話にも、笑いの種でしかでてこない。例えて言えば『笑点』み たいな。そんな奴。とりたててカッコイイってワケじゃないのにさ。友達だっ て馬鹿にする。でも、ちょー気になる。しょうがないじゃん。 知らないでしょ。わたしがこんな想いかかえて悩んでるなんて。思ってもな いわよね、きっと。だってあんたってば鈍感だもの。そう思って軽くにらんで やった。 あいつは今日も休まず来てる。 昔はいっぱい話したよね。放課後、教室からみんながいなくなっても。テス ト直前にまわりが慌てふためいてるようなときにも。いつも一緒に話してたよ ね。2人で。−−今考えれば、それがいけなかったのかもしれないけど−− ごめんね。わたしが馬鹿だったの。ガキだったの。避けてたのは嫌いになっ たんじゃないよ。最低だね、他人の目のほうが気になって、自分の心に嘘つく なんてさ。 話してて楽しかったよ。本当に。 噂がながれるなんて思ってもみなかった。まわりがはやしたるなんて頭の片 隅にも、これっぽっちもなかった。だから余計、あの時は足元がすくわれたよ うな気がしたわ。−−それって、わたしが『わたし』でなくなる予感だったの かもしれない−− 注目されないように、話のネタにならないように、あんたの側にいない他に いったいなにができたって言うの?あの時の未熟なわたしに。 ほんとは話したかった。でも、できなかったの。まわりの目が気になって。 話せなくなるのがどんなに辛いかわかった今なら、違う行動をとるのに。 でも、もう、遅いのかな。 気付いちゃった。知ってるんだ。一見、友達の所へダベリに来てるようだけ ど。わかるんだ。わたしには。あいつが休み時間毎にわざわざ階段をのぼって 来る、本当の理由をさ。 どーせ目当ては女の子。こないだ見ちゃったんだ。あいつが最高の笑顔をし てたのを。今まで全然見たことない表情を彼女に見せてたのを。 なにも知らないあいつは、今日も健気に通い妻してくる。 いつかきっと言ってやるんだ。友達と喋ってるあいつの肩を叩いて、「わた し、ホントは好きだったんだよ」って。 困った顔されたら冗談で済ましちゃえばいい。まわりが騒いでも笑いとばし ちゃえばいい。受け入れられるハズないもん。そんなムシのいいこと期待しな い。もう諦めてるし。想いを伝えるだけでいいんだ。うん、それだけで……。 だって、あいつは……。 やだ、なんで涙がこんなにもあふれるんだろう……。やっぱりわたし変だ。 もしかして……。ううん、まさか。 ちょっと気になってた程度だもん。恋じゃないよ、恋なんかじゃ……。 自分にいいきかせて眠った夜は、とってもとっても長かった。 End.
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